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EP 4

【作戦会議】打倒ルナ! 必要なのは『ジャンクフード』だ

深夜の地下倉庫。

レジスタンスのメンバーたちは、ドラム缶(の形をした樽)を囲み、地図を広げていた。

「……いいか。我々の目的は、ルナ政権の転覆ではない」

参謀役のルーベンスが、青汁しか飲んでいない青白い顔で、鋭く眼鏡を光らせた。

「目的は『ルナ様をジャンクフード漬けにし、規制を撤廃させること』だ。だが、いきなり本丸ルナを攻めるのは得策ではない」

ルーベンスは地図上の「理事長室」を指差した。

「まずは、ルナ様の懐刀……風紀委員長リベラを堕とす。彼女が寝返れば、ルナ様の防御網に穴が開く」

「リベラか……」

龍魔呂が腕組みをして唸る。

「だが、あの女は鉄壁だぞ? 慶應卒のプライドと、強固な理性が服を着て歩いているようなもんだ」

「ああ。普通の料理では揺らぐまい。だが……」

ルーベンスはニヤリと笑った。

「彼女は今、極度のストレス状態にある。風紀委員長として、ルチアナやラスティアの監視、農場の管理……心身ともに限界だ。そこに、『圧倒的暴力カロリー』をぶつければ……」

「なるほど。理性の堤防を決壊させるわけか」

龍魔呂が立ち上がった。

料理人としての血が騒ぐ。繊細な味付けなど不要。必要なのは、脳髄に直接響くような、背徳の味。

「カイト。例の『ブツ』はあるか?」

「もちろん。龍魔呂さんなら、使いこなせると思って持ってきたよ」

カイトがリュックから、怪しげな食材を取り出した。

ドサッ。

一つ目は、ゴツゴツとした茶色の芋。

二つ目は、黒く光る木の実。

「これは……?」

「『爆裂ポテト(Sランク)』と、『魔界コーラの実』だよ」

カイトが解説する。

「爆裂ポテトはね、油で揚げると旨味成分が爆発して、カロリーが通常のジャガイモの50倍になるんだ。で、この実は、煮詰めるとカフェインと糖分が凝縮された『黒いシロップ』になるの」

「50倍のカロリーに、カフェインの塊だと……?」

龍魔呂が震える手でそれを受け取った。

それは食材ではない。兵器だ。

「これに、俺が隠し持っていた『エンペラー・バッファローのバラ肉(脂身9割)』を合わせれば……」

龍魔呂の脳内で、悪魔の方程式が完成した。

脂(脂質)

糖(糖質)

炭酸(刺激)

「……ククク。できるぞ。ルナの清浄な味覚を破壊し、リベラの理性を焼き切る、『究極のジャンクフード』が」

「おおっ!」

男たちがどよめく。

龍魔呂はバンダナをきつく締め直し、地下室の簡易コンロの前に立った。

「今夜のメニューは……『ハンバーガーセット』だ。それも、ファーストフード店のそれとは訳が違う。素材の暴力を極限まで高めた、『本気のジャンク』を作ってやる」

「ハンバーガー……! あの、手づかみで食う背徳の塊か!」

リュウがよだれを垂らす。

「龍魔呂、飲み物は? 喉を焼くような刺激が欲しいんだ!」

「任せろ。カイトの木の実とスパイスを調合して、『クラフト・魔界コーラ』を作る。……飲むと飛ぶぞ?」

「悪魔的だね!」

カイトが無邪気に笑う。

こうして、地下室で「調理」という名の化学実験が始まった。

油が跳ねる音。

砂糖が焦げる匂い。

そして、炭酸が弾ける音。

それらは換気ダクトを通り、深夜の静まり返った校舎へ――リベラのいる理事長室へと、静かに、しかし確実に忍び寄っていくのだった。

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