第4話 先生が無視しなかった
春、5年生が始まる。
担任の先生も変わった。
僕は5年1組の稲田先生だ。
僕は教室で寝たふりをしていると先生が入ってきた。
「こんにちは、稲田です。ビシバシいきますのでよろしくお願いします。手を2回叩いたらすぐにね、先生の方に目を向けてください」
山田先生は女性で覇気を放っていた。
この先生は自分にもクラスにも厳しそう。
バンバン
先生が2回手を叩く。
すると、クラスのみんなが向いて、自分も先生の方に慌てて向いた。
「ちょっと遅いね。も一回!」
バンバン
先生が再び叩くとみんなが先生の方に向いた。
「よし、いいね。この調子だ。練習していこう。」
そして2回、3回叩いて、練習が終わった。
「えー、先生からは以上です。今日は大掃除して帰りますか!」
ーそして、掃除が終わって下校をした。
今日も山田君と一緒だ。
日々僕に向かって強く叩いてくる。
「おい!ごりゃ!」
ばし!
ほっぺが熱くなる。
いたいたい。
自分はもう泣いてしまった。
「うぇぇーん!もうどうでもえい!」
ついに山田くんを殴って帰っていた。
「おい!待てゴラ!」
自分は泣きながら走って家へ向かった。
イタイタイタイタイ。心も痛いし、もうキツイ!これは友達じゃない!イジメだ!いじめ!
でも…自分殴ってしまったし…
ー家に帰ると親が玄関までバタバタ走ってきた。
「うぇぇぇんうぇぇぇん」
泣いていると親が心配してきた。
「大丈夫?大丈夫?またかい?」
「もう相談しろって!」
「うぇぇぇんうぇぇぇん」
自分は泣いて泣いた。
だから僕は弱虫で泣き虫なんだ…
今日は夜ご飯のカレーが出るまでずっとずっと泣いた。
次の日、学校に行くと先生がクラスの人に向けて言った。
「パンパン」
「「「はい!」」」
顔を向くと先生が話し始めた。
「いじめで相談したい人がいたら、相談してね。先生心配だから。」
あれ?前の先生よりなんか生徒よりだな?!
すごいこの先生!
「じゃあ、授業始めるよ!今日は割り算について勉強するぞー」
キーンこんカーコン、キーンこんカーコン、
授業が終わって、休み時間が来た。
早速、先生に言いに行った。
「先生!相談なのですが、僕いじめられていて…」
「ファ?!とりあえず別の場所に移すぞ」
そして、先生が別の部屋に行き、いろいろ質問された。
「いつから?」
「4年の時からです。」
「どんなことされたの?」
「強く殴られたり、蹴ったり、悪口を言われました。」
「誰?」
「山田君です。」
「分かった。私の生徒を傷をつける生徒は許さん!明日、話が、あると思うから明日の休み時間ねー!」
そして、先生は怒りながら職員室に帰っていた。
そして、次の日山田君は泣いていた。
「うぇぇぇん!うぇぇぇん」
「まぁまぁ、」
「先生!どういうことですか!」
「あぁ…本人は遊びだと思ってやっていたと…」
そうして、山田君は、泣いていた。
遊びだったのか…じゃあ、僕は悪くないかも…
「山田君、松田さんに謝ってね。」
先生がそう言うと泣きながら謝った。
「ごめんなさいー!うぇぇエン…」
そう泣きながら謝った。
この先生…いや、稲田先生すごい。
終わり