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迷宮遊戯  作者: ヘロー天気
限界領地改革編

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「んん? これオーテイア領の私兵だったのか」


 交易帰りの中型魔導運搬船がオーテイア領の河川港で足止めを受けた。

 事態を知らせにゼイラーロフ領まで走って来た若い護衛役が何者かに襲撃を受けていたので、街づくり好きな迷宮核は領域化堤防脇道に超高圧水柱を生やして援護した。


 若い護衛役が『穢れ山迷宮ランド』の『クリアメダル』持ちだったので、領境に近づいた彼の存在を感知できた。


 負傷している若い護衛役をその場に設置した転移陣でテモメヤ男爵の屋敷前まで転移させると、襲撃者の残りを片付けて処理したのだが、野盗かと思って吸収したらオーテイア領の暗部だった。


 何やら重要そうな情報がたくさん手に入った。中型魔導運搬船の足止め理由も把握。オーテイアの領主であるカンヤーツ子爵が、王宮に返り咲く為に画策している計画の一環だったようだ。

 高価な魔導運搬船を担保に、他国の大商会連合から多額の援助を引き出そうという目論み。


 どうやらカンヤーツ子爵の支持者達が、彼に色々吹き込んでいるらしい。子爵の子供時代の名はカシナート・ヤハク・テラコーヤ。

 彼は現国王の何番目かの王弟にあたる、元王族だった。


「この一帯の領地って、王族の血筋が多いのか」


 暗部の記憶情報によると、テモメヤ男爵にも王族の血が流れている事が分かった。どうりで魔素の吸収量が他の貴族達よりも多かったわけだと納得する。



 街づくり好きな迷宮核は、中型魔導運搬船に埋め込まれている霊体系の魔物の視点から河川港と船の周りの状況を確認した。


 今のところ、魔導船は浮き桟橋に囲まれて身動きできない状態のまま、特に大きな変化は見られない。船員達は手持ち無沙汰な様子で居眠りしたり、荷物を整理するなどして過ごしている。


 交易団長と副長はまだ解放されていないようだ。オーテイアの領主の屋敷の地下に軟禁されているという情報までは、吸収した暗部達にも共有されていた。


「とりあえず、関係各所に連絡を入れるところから始めるか」


 街づくり好きな迷宮核は、緊急事態としてテモメヤ男爵に事の詳細を報告。ハイスークの領主にも一報を入れておいた。




 ※ ※



 ダンジョンから『お知らせボード』を通じて緊急事態を知らされたテモメヤ男爵は、若い護衛役の証言も得て事実確認を済ませると、オーテイアの領主に問い合わせの使者を出す事にした。


「それは私が行きましょう」


 危険な役割となる使者役には、家令が名乗り出た。彼もハイスーク領での大舞踏会の期間中、連日『穢れ山迷宮ランド』に通って鍛えた者である。

 しかも第二層まで攻略した手練れであった。


「問い合わせの親書には王宮にも報せを出した事を添えるが、向こう(オーテイア)には口頭でも伝えてくれ」

「畏まりました」


 一応、ハイスーク領主との取り決めでしばらく王都には近づかない事にしているので、王宮への報せには専用の伝書鳥を使う。


 それと並行して、運搬船の積み荷を回収しに魔導艇をオーテイアの河川港まで行かせる。ただし、攻撃や拘束を受けそうなら逃げるようにと言いつけておく。



 既に陽も落ちた夜のゼイラーロフ領。突堤と桟橋に繋がる堤防前には、領主の使者から状況の説明を受け、積み荷の回収に向かう志願者達が魔導艇に乗り込んでいた。


 夜の川は街の明かりも届かず街灯もなく真っ暗だが、魔導艇に搭載されている強力な魔鉱石の照明で十分な明るさを確保できていた。


「出航!」


「気を付けろよー!」

「みんな無事に戻ってねー!」


 隣人達の見送りと声援の中、積み荷回収班の魔導艇集団はオーテイア領の河川港を目指して川を上って行った。





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