第六話[幼馴染]
建物同士の隙間に、ボロボロの服を着た女の子がしゃがみ込んでいた。
「大丈夫ですか?」
男の心配する優しい声が聞こえてきた。聞き覚えのある声だ。
「お腹が痛いんですか?」
女の子がお腹を押さえていることに気がついた。
女の子は私(?)の方へ振り向き、首を横に振った。
(!昨日の、・・・サクラさん?)
女の子はサクラさんを幼くしたみたいな顔をしていた。
「恥ずかしいから・・・」
うしろから別の男の声が聞こえてきた。
「お腹を空かせているかもしれないね」
私(?)はうしろをちら見した。
永遠の国の現在の王様の姿が映った。
その瞬間目の前は暗くなり、目が覚めた。
永遠の国。
周りは緑で囲まれていた。
揺らめく草が風の方向を示していた。
風に逆らうかのように、私はヒカリに向かって走っていった。
私はヒカリに向かって、短刀で斬撃を入れようとした。
ヒカリは手に持っていた短刀で弾いた。
草を踏む音と、刃を弾く音、受け流す音、がリズムを刻んだ。
私はヒカリに隙ができたのを見逃さず、刃を入れようとした。
ヒカリは私の行動を見て、読んでたとばかりに弾くと、その隙に刃を入れ、私の顔にぎりぎり当たらないように止めた。
「勝負決まったね」
ヒカリは嬉しそうだった。
「僕の五千二百一勝十二敗だね」
私は「本当にその数字、正確?」と聞くと、ヒカリは「嘘だよ、いちいち数えてらんないし・・・、危機感を抱いてもらおうかな、って思って」と笑った。
「それでバラしたら意味ないじゃん」
私は苦笑いした。
訓練が終わると私とヒカリは集合部屋に向かった。
集合部屋の壁にはギッシリ依頼の紙が貼られていた。部屋の真ん中にはアキが立っていた。
私とヒカリは、次の仕事をアキに確認した。
「次の仕事は他国の調査だ。と言っても、今となっては国ではなく廃墟みたいな場所になっているが・・・」
私とヒカリは「やっとか・・・」といった表情をすると、アキは「ついに×年前の過去の真相を調べられるな・・・」と嬉しそうにしていた。
私とヒカリは「うん!」と頷いた。