表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君が照らした  作者: ウサギ
物語
8/67

第五話[夢]

崩壊した街の中。

私は手を繋ぎ走っていた。

違和感があった。

私の記憶では過去の自分はうしろの方だった。

今の自分は前の方で手を引いてる側だった。

過去の夢にしては、やっぱりなんか違っていた。

それに夢のはずなのに意識がはっきりしていた。

手を繋いでいる相手の顔が見えた。

(・・・私?)


永遠の国。

休日。

私とヒカリは街中でカガミさんと久しぶりに会っていた。

カガミさんは、ある事件で行き場を失った私とヒカリを養子として引き取ってくれた人だった。

両親が見つかるまでということで色々生活面でお世話になった。

私とヒカリはカガミさんと話をしていた。

「二人とも元気ですか?」

カガミさんはわたしとヒカリを見て「・・・元気そうで良かったです」と言い、クスッと笑った。

「仕事も順調そうですね、噂を聞きましたよ」

私は「はい、順調です」と笑顔で答えた。ヒカリはカガミさんに「武器商人になったって本当ですか?」と聞くと、カガミさんは困った表情になった。

「ええ、あの人は一度思いつくと強情ですからね」

あの人とは、この国の王様アラタのことだった。

私は苦笑いした。

「大変そうですね・・・」

カガミさんは「ええ」と言うと「二人も武器に興味があれば見に来てください」と私とヒカリに笑顔を向けた。

「カガミさん・・・?」

通りかかった女は三人の間にまざった。

「二人共仲良いわね〜♡」

私は「うん、そうだよ」と当たり前のように言った。

ヒカリも頷いたあと「僕たち幼い頃から一緒だったからね」と言った。

女は「ああ!なるほど、そっかそっか♡」となにかに納得していた。

カガミさんは女を睨んで「サクラさん、勝手な詮索は善良な行動とはいえませんよ?」と冷たく言うと、サクラさんは、どこか冷めた笑顏になり「私はとっくの前に罪人よ?勝手なことを言っているのはあなたの方でしょう? ・・・それとも私を捕まえる?」と言った。

カガミさんは黙り込んだ。

「二人共、また会いましょう」

サクラさんはそう言うと、うしろへ振り向いて歩いて行った。

黙ったまま、サクラさんのうしろ姿を見ていたカガミさんを察して、私とヒカリは追求しなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ