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君が照らした  作者: ウサギ
物語
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第三話[絵本]

永遠の国。

私とヒカリは、休日を街中の拠点で過ごしていた。

私は自分の部屋を掃除すると絵本が目に入った。

幼い頃母に読んでもらった絵本だった。

掃除を終わらせたあと、その絵本を読んだ。

魔法使いが出てくる内容だ。

この世界では魔法が使える魔物は存在している。

(この魔法使いって魔物がモデルなんじゃ・・・?)

絵本を読んでいると、ヒカリが部屋のドアを叩いた。

コンコンコン。

「お昼ごはんできたよ」

私は耳を疑った。

ドアを開けると、ヒカリに聞いた。

「もしかして、ヒカリが作ったの?」

ヒカリは「うん」と答えた。

私は顔が青ざめた。

なぜなら、ヒカリの料理は絶望的だからだ。


居間。

真っ黒に焦げたなにかが皿の上に盛られていた。

それだけなら良かったが、他にもどす黒い色をしたスープと思われる悪臭を放ったなにか。

真っ黒いなにか、器の種類からして多分サラダだろう。

サラダに関してはなんでこうなったのか謎すぎる・・・。

ヒカリは、「食べないの?」と私の方を見ながらスプーンを手に取り、なにかを口に入れた。

(よく平気で食べれるな・・・)と思った瞬間、ヒカリは急に顔を青くして「なにこれ、まっずっ!おえっ!」と吐き出した。

「ハルカ!これ食べないほうがいいよ‼」

ヒカリは必死に私が食べるのを止めた。

(食べないけどね・・・)と思いながら無駄になった食材を見ていた。


夕方。

「ハルカ、昼ごろ何してたの?」

私はヒカリを見た。

「どうしたの?急に・・・」

ヒカリは私の顔をじっと見て「こっちのセリフだよ、いつもだったら僕が料理を作る前に君が止めていたのになんで今日は止めなかったのかな?と思って」と言った。

その言葉を聞いて私は苦笑いをした。

「今の話を聞いて今まで止めてた理由に気づけよっ!て思っちゃった」

ヒカリは、むっとすると、冷静になって「何してたの?」と再び私に聞いてきた。

「幼い頃、母が読み聞かせてくれた絵本を読んでいたんだ」

私は懐かしがりながらヒカリに話した。

「へぇ〜どんな絵本?」

ヒカリは興味を持ちながら聞いてきた。

私は「見る?」とヒカリに聞くと「うん」とヒカリは応えた。私はヒカリに手招きをして「ついてきて」と言った。


私室。

私の部屋に着くと絵本を取り出し、ヒカリに手渡した。

ヒカリは絵本を手に取ると「魔法使い?」とタイトルを口に出すとパラパラめくった。

「幼い頃、カガミさんの養子になる前、実は私両親と離れて暮らしてたんだ、両親と別れるときにその本も実家に置いて来たんだ、けど・・・、養子になってから永遠の国で同じ本を見つけたときは嬉しかったな」

私は無意識に笑顔になっていた。

「カガミさんに買ってもらったんだね?」

ヒカリは絵本をめくりながら聞いてきた。

「うん、そうなんだ、拠点に置いたまましばらくの間読んでなかったから話の内容も忘れて、今日久しぶりに読もうかなって」

ヒカリはパラパラめくっていくうちに興味を持ったのか「ハルカ、できる範囲でいいから説明してくれない?」と頼んできた。

私は「できる範囲でならいいけど・・・。」と言うと、ヒカリと部屋の床に敷いてある布切れに座り、読みながら少しずつ思い出して、絵本の内容を説明した。


「ただいま」

アキは拠点に帰ってきた。

アキは居間に入ると、「誰もいない・・・?いや・・・」誰もいなかった。

ヒカリの部屋のドアを開けると誰もいなかった。

ハルカの部屋のドアを開けると、二人は机に向かって座ったまま寝ていた。

「ここにいたのか・・・、・・・・・・寝てるな・・・」

アキは布をタンスから取り出すと、二人にかけ、明かりを消し、「おやすみ」と呟いた。

アキは残された明かりで絵本の存在に気づいたが、

「魔法使い?」

触らなかった。

「今のうちに夕飯の準備でもするか・・・。」と言いながら部屋を出た。

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