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プロローグ
開閉の国。
木々や緑に囲まれている中で大樹が大きく目立っていた。 大樹の下に、僕と彼女は座っていた。
僕は彼女に興味があった。
「君はなんで魔法が使えるんだい?」
彼女は不思議な力を持っていた。彼女が手をかざすと、傷が治り、人差し指を立てると火を出したり消したり出来る。
僕の顔を見て彼女は微笑んだ。ドキッとした。
彼女の表情はどこか優しく、柔らかかったから。
「・・・あなたは、この力、どう思う?」
「・・・・・・便利だと思うけど・・・」
彼女は頷くと「そうよね・・・でも」と俯いた。ウェーブがかった黒い髪が彼女の顔を隠した。