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異世界召喚された勇者たちののんびり気味逃亡旅  作者: 邑雲
第三章:ダンジョン攻略
42/223

37.抉れ海の釣り


「おはようございます」

「…うぇ、おはよー…」



寝室のベッドに寝ていたのは、僕とハルの二人だけだった。

というのも、アキ兄さんは座席のソファベッドで、ナズが空き室でテント作成をして、そのままそこで寝たというだけだ。従魔も一緒だ。

わざわざ『伝達』で知らせてきた。使い慣れるための目的もあるだろうけど、まさかの連絡方法である。

空き室との連絡くらいとれるようにした方がいいのかな?内線電話みたいな…追加機能にあった気もする。

僕だけならスキルを使えばカーくんから誰が何してるか聞くことは出来るけど、他の子はこの手が使えないもんなあ。

まあ、後で考えようか。



「今日は釣りだなあ。天気は…いいな」

「ほんとですね。昨日ちょっと雨降ってましたし、心配でしたけど今日は大丈夫そうです」

「さ、二人を起こしに行くか。もう起きてるかもしれないけど」

「アキ兄さんはお願いします。私、ナズ姉見てきます」

「おう、お願い」



寝室はカーテンが最初から設置されてたので、それを開ける。

ちなみに下の居住区や運転席の方はスモークガラスになったりするし、ブラインドもあるので日光で目を攻撃されてギャーなんてこともない。

一応マジックミラー仕様で、外からは中が見えなくなってる。カーくんに乗り込む前に一度窓を覗いてみたら見事に見えなかった。

見えるようにもできるみたいだけど、必要ないので今のままにしている。



「うぅ…はよ…朝ごはん、作らんと…」

「おはようアキ兄さん、ラム」

『おはようです、ご主人様、リオくん』

「今日いい天気みたいだから釣り出来ると思うよ」

「あ、マジか。さすがに雨の中はやりたくないからなー」

「…アキ兄さんなら、雨の中でも魚のために釣りしそうだけど」

『自分もそう思うです』

「…否定できないかもしれない」



すぐに空き室の方から…もう空いてないから、当初の予定(?)の医務室って呼ぶか。医務室からナズが出てきた。何か眠そう。

でも医務室で寝るって連絡してきたの、10時半くらいだけど…



『完成間近だったので完成にこぎつけたかったですの。そしたら結構な時間経ってて…たぶん、日付超えてましたのー』

「おっとやってしまいましたね、ナズさん」

「テント完成したんですか?それはおめでたいですけど…」

「うう、あとちょっと、あとちょっとって思ってたら…でもこれでテント2つ完成したから。あとで確認してほしいかな。直せるとこは直すから」

「おっけー」



地球版テントはともかく、こっちの世界基準のテントだと自信がないんだろう。

そのあたりは僕とハルが割とじっくり見たので大丈夫のはずだ。見たのはギルド用の店なので粗悪品なんてないし、使い方も聞いてる。装うことはできるだろう。



「朝ごはん食べたらちょっと寝る?多分、抉れ海まで2時間くらいだけど」

「食べてすぐ寝ると太りそうだからいいー…」

「あんだけ戦ってりゃ食った分は消化できるだろー」

「ていうか抉れ海、やめません…?」

「でもわかりやすい呼び方だしさ…」

「おっと僕のネーミングセンスの話題はそこまでだ」

「あたしも人のこと言えない自信あるけど、リオ兄もなかなか酷いよね」



やかましい。

こればっかりは直そうとしても直らないんだよ。もう不治の病だ。

朝ごはんを食べた後はまったりしつつもアキ兄さんは弁当やら魚の餌やらを作っていた。ハルはその手伝いだ。

ナズは、釣り竿の糸を補強したりしている。竿の強度は僕がある程度変えれても糸はそうもいかない。

僕が強化するよりナズが強化した方が効果が高かったのでお願いした。

僕がやると防御力+1くらいだけど、ナズがやると+3くらいになるのだ。

被服スキル持ちで、従魔が蜘蛛というのも糸と相性がいい理由かもしれない。

ナズの派生能力に『糸紡ぎ』があるくらいだしな。ラテのスキルを利用すれば糸操作だってあるし。っょぃ。


ラムもさっそく分裂体を生み出している。

何かあったらわかるように感知系スキルを持たせているらしい。あとは魔法スキルも。ガチ戦力である。

まあ、本番(テント護衛)の前に使用感を知りたいというのもあるだろう。

これだけのスキルを持たせたらどの程度の戦力なのか、それを測りたいのかもしれない。

2時間ほどカーくんを走らせると、目的地に着いた。

地図やカーナビ表示だと小さく見えたが、いざ見るとなかなかでかい湖に見える。海水だけど。

周りに木々がないのは、この抉れ海自体、何か大きな爆発で出来たとかそういう理由だろうか。まとめて吹っ飛ばされたのかもしれない。

もっとも、資料にはこの地形になった理由は書かれてなかったので、自然現象かもしれないが。

ともあれ、遮蔽物らしきものはほぼない。遠くに行っても、声は届かなくても姿は何とか見える、そのくらいの大きさだ。



「あっちの方で釣るかなー」

『お供するです。ご主人様』

「じゃ、あたし達は向こうで漁もどきやろっか」

『やるですのー!魚美味しいから食べたいですのー!』

「川魚でハマったかな?でも海の魚は川魚とはちょっと違うぞ」

『楽しみですの!』

「リオ兄さん、カーくんはどうします?拠点代わりに残しておきます?」

「いや、一旦しまっとくよ」

「よーし、じゃあお昼まで釣りしようか!」



昼まで1時間半くらいだけど、まあいいか。多分釣れた魚、すぐにでも食べてアイテムボックスにしまえるようにしたいんだろう。

1時間程度なら、魚籠に入れとけば問題ないだろうし。魚籠?何故か僕の召喚にあったから出したよ。そんなに大きくない、3~4匹入ればいいくらいのやつだ。

アキ兄さんにはラムとラムツーが着いて行く。あとのメンツとラムスリーはアキ兄さんが進んだ方とは逆側に進む。

狩場が近いと獲物被るからな。取り合いなんてしたくない。

僕らは網を設置したら少し離れた場所で釣りだ。折り畳み式の椅子に座ってまったり待つ。アキ兄さんにも一応2つ渡してある。ラムツーの分はいらないそうだ。(ラム談)



「何が釣れるかなー?」

『おさかなおさかな、食べるですの~』

「タコとか釣れたら笑う」

「そんな馬鹿な…と思いましたけど、これ一応海なんですよね。だとしたら…ありえる…?」

「イカの方が可能性あるんじゃない?」

「イカもいいな。網にかからないかな」



でも吸盤とか張り付いたら取るの面倒くさそう。



『…それもお魚ですの?』

「ああ、海の生き物だけど魚じゃないね。軟体動物…近い魔物っている?」

「そらクラーケンとかじゃね?でもラテって森生まれだろ?海の魔物知らないんじゃないか?」

「あ、確かに」

「…この世界では、イカの魔物、ゲソークっていうらしいですよ…」

「は???」

「ゲソ?ソークって足って意味じゃないよな?どこまで足の主張激しいんだって話になるし」

「さすがにそれは知りませんけど」

「クラーケンじゃなかったんだ…」

「この世界の名前がクラーフで、創造神がクラフェルだから、近い響きは避けた…のか…?だからってゲソって…」



その気遣い、いるんだろうか?

創造神だって気にしないかもしれないのに。



「ていうか絶対これ勇者が名付けてますよね」

『ゲソって何ですのー?』

「イカの足のこと」

「焼いたり炙ったりしたのが美味しいんだよ」

『美味しいんですの!?ゲソ食べたいですのー!』

「アキ兄さんに頼みな?でもイカはボディも美味しいからな。何なら頭…頭じゃなかった気がするけど、あの尖った部分も美味しいし」

「あれ頭じゃないの!?」

「耳だそうですよ。何かイカの話してたらイカ飯食べたくなってきました」

「いいなイカ飯。てかあれ耳だったのマジか。頭じゃないってのは何かで知ってたんだけど」

「あたし頭だと思ってたよ…」

『わ、わかんないですの~』



確かに、森育ちの蜘蛛にイカなんてわからんか。近しい生き物もいないだろうし。

僕らの会話だけ聞いてたら『尖った頭が耳の、足が美味しい謎生物』である。…マジで謎の生物だな。

図解したらわかる、とは言わずとも想像はつくかもしれない。

そう思って、地面にイカを描いてみることにした。



「えーと、こんな感じだっけ?」

「そうですそうです」

『何ですのこれ…?』

「僕らの世界ではイカっていう名前の海洋生物」

「ラテ、ドン引きしてるじゃん…イカ、駄目かあ」

「タコは悪魔だって恐れられてたりするけど、イカもだっけ?」

「ああ、海外でそういう国あるそうですね。シーデビルって呼ばれてるとか。ラテちゃん、食べたら気にならなくなりますよ」

『う、うぅ~、ホントですの…?でも皆さんが美味しいっていうものは美味しいので、食べてみたいとは思いますの…』

「タコもあればいいなあ…」

「どうかな…?とりあえず魚が手に入ればオッケーじゃない?」

「そうだな」



しばらく釣りをするが、釣り名人なんていないので、2匹しか釣れなかった。逆に言えば2匹釣れた。餌、効果ありだった。

網の方はもう少しかかっていた。それでも短時間なせいか、4匹だ。やれないことはなさそうだな。

アキ兄さんは一人で3匹釣っていた。全員合わせて9匹。3分の1がアキ兄さんの釣果ってとんでもねえな。

昼になったので当初解散した場所に全員集合して成果を見せあったら、これ。



「大半がイワワかー。イワナなのかイワシなのかどっち…見た目じゃわからん」

「日本基準だとイワシじゃないか?海水魚だから。イワナは淡水魚」

「アキ兄すげえ。さすが料理人が職業になるだけある…!」

「サババは鯖だよな?これも海水魚だし。マグロとかいないかなあ…」

「昼飯食ったらもっかい釣ろう!てか、焼こう。せめてイワワはアイテムボックスにしまえるようになりたいし」

「アキ兄さん、サババも食べれば?アイテムボックスに入れられるようになるの優先しよう」

「そうですね。2種類ともアキ兄さんは食べてください。新鮮なまま保管できるの大事です」

「さんせー」

「マジか。いいの?じゃあ食べようかな…塩焼きでいいかな?」

「いいと思う」

『楽しみですのー』

『楽しみです』

「よし、じゃあ火の準備を…」



そうして動き出そうとしたところで、異変が起きた。

湖…いや、海で大きな波紋が見えた。これは、何かが出てこようとしてる…?

そう思ったのは正解だったらしい。大きな音を立てて、水を押し上げて巨体が姿を現した。どう見ても魔物だ。

その魔物はこちらを見て、敵と見做したらしい。咆哮を上げていた。

魔物の周りに水が集まり、それを放とうとしてるのがわかった。見た通り水属性の魔物らしい。

前へ出てかばえば、と思ったところで、これだけ範囲の広そうな魔法じゃ全員巻き込まれるから意味がないと気づいた。



「…っみんな、逃げ…!」

『させないです!』



ラムたちが前に出て、魔物と対峙した。

魔物が魔法を放とうとした瞬間を狙い、ラムが光魔術を放った。魔物の目の前で盛大に光が弾け、目を眩ませる。

突然の光に驚いたのか、魔物は怯んでいた。そのため、こちらに放たれた魔法の威力も減退したらしい。

ラムツーとラムスリーが『形状変化』で平べったくなり、盾の役割を果たしていた。

『魔法耐性』も譲渡されていたのか、相手の水球のダメージはほぼないようだ。

僕らのもとに魔法は届かず、無事だ。


第一波は完封。けど次は、と思って魔物を見れば、ガチガチに拘束されていた。

ラテの糸と、ラムの…触手、なのか?ロープみたいに巻かれていた。『鞭術』スキルが関係してるかもしれない。

ともかく蜘蛛とスライムの拘束により、魔物は動けなくなっていた。振りほどこうとはしてるみたいだが、うまくいっていない。

まず口も開かないよう糸でぐるぐる巻きにされている。かろうじて舌が見えているが、何もできていない。

糸も触手も既にラテとラムから離れているので、力比べをしようとしてもラテとラムには何の影響もない。

つながったままなら海に引きずり落とすくらいできたかもしれないが。



「なんだ、こいつ…?」



目はこちらを睨みつけているので、明確に敵意を持っている。瞳孔が細長くなっているのは、さっきの光のせいか怒りのせいか。

不謹慎ではあるが、煌めく鱗が綺麗だと思った。さっきあんな話をしていたせいでイカかタコが出たかと思ったが、まったく違った。

恐らく半身…いや、それ以上は水中だろう。水面に出ているのは首から上と言っていいかもしれない。それでも見上げるくらい大きい。

が、それでも糸と触手の拘束は解けないのだろう。威嚇音のようなシューという音とともに、二股の舌が不機嫌そうに揺れている。

これは、蛇、なのか…?背に毛のようなものも見えるが、恐竜…?いまいちわからない。かといって鑑定すると、意識がこちらに向きそうで出来ていない。



『…何のつもりです、シーサーペント』

『貴様、スライムか…!何故邪魔だてする!』

『ラムは従魔です。テイムされてるです。主人を守るのは当たり前です。ですよね、先輩』

『そうですの!あるじさまに攻撃なんて許さないですの!』

『タランチュラが、人に下るだと…!貴様らにとって、人間など食料だろうが!』

『ラムはヒト族を食べたことないです。少なくとも今は食べようと思わないです。思い込みで好き勝手言わないでほしいです』

『ラテだって人間を食べたりしないですのー!毎日おいしいご飯もらってるですの!果物が好きですの』

『ラムは野菜が好きです。お米も好きです。今日は魚が食べれると思って楽しみにしてたです。釣りは楽しかったのに、何で襲ってきたです?』

『な、…んだと…!?貴様らが、満足する食料が、果物と野菜…!?ここの魚を、殲滅に来たわけでは…』

『成果は9匹…ですよね?ご主人様』

「え!?あ、うん、釣りと漁で9匹…え、まさか釣ったらまずい場所?一応まだ生きてるけど、放す?」

「キャッチアンドリリースかあ…もったいないけど、問題あるなら仕方ない…海水魚、食べたかったなあ…」

「ま、まだ川魚ちょっと残ってるし、我慢しようぜ…」

「アキ兄とリオ兄、緊張感維持して?」



シーサーペントだったのか。海蛇…なるほど。

もしかして守り神的なポジションなのかもしれない。勝手に釣りして怒ったとか?

ラムたちや僕らの会話を聞いて、シーサーペントは戸惑っていた。というか声聞こえるってことは、こいつ念話持ちか。



『…すまぬ。我の勘違いだったやもしれぬ。ここに毒を撒き、海面に浮かんだ魚を根こそぎさらっていった人間がいたのだ。また来たのかと…』

「毒!?」

「え、じゃあこの魚も毒持ってんの!?リオくん、鑑定は…」

「いや、状態は普通だった。毒はない」

『…念のため、海に浄化魔法使っておくです?』

『…そんな魔法をスライムが…?いや、万が一もある。言えた義理ではないが頼めるだろうか…』



あれ、案外話が通じそうな魔物だった。

元はと言えば人間がやらかしたっぽいし、それに怒ってただけなんだろう。僕らがその人間と無関係と知って、怒りが霧散したらしい。

こちらを攻撃する意思がないとわかったのか、ラテとラムは拘束を解除していた。

ウチの従魔たちが死ぬほど頼もしい。



「あのー、ところで、釣った魚はどうしたら…」

『食すために獲ったのであろう。構わぬ。まっとうな方法で獲ったのであれば文句はない。そやつらが捕まったのは弱かったせいだからな』

「弱肉強食か…世知辛いけど真理だよなあ」

『ジャク、ニク…?』

「リオ兄さん、四字熟語は通じませんよ多分」

「しまった」



うっかりしてた。

えーと、説明した方がいいのか?弱肉強食の意味。

シーサーペントは何やら考え込んではいたけど、何かを思い出そうとしているようだった。

知らない言葉の意味を知りたがってる、というのとは違うな、これ。



『妙な言葉を使う人間族となれば…もしやそなたら異世界からの召喚者か?』

「あれ、知ってるんだ?」

『噂程度しか知らぬ。実際に目にしたのはこれが初よ。実在しておったのだな…』

『海に住むオリジンあたりから聞いたですかね?フィッシュかシェルか、マリンの可能性もあるですね。おしゃべりですから』

『…オリジン様を何と心得る。気安く呼ぶでないぞ、スライムよ』

『あ、自分、元オリジンスライムです』

『大変失礼した!!!』

「変わり身はやっ」



どうやらオリジンのことを尊敬しているらしい。

ラムを思い切り睨みつけた目力は相当のものだった。

直後、オリジンと明かしたラムに平伏したけど。

ちなみに僕らの服装はカツラ帽子有りの冒険者仕様だ。万が一、近くの村の人と出くわしたら、と考えてたので。



「他の魔物からみたオリジンって、すごいんだ…」

『知らなかったですのー…オリジンなんて後輩から初めて聞きましたの』

『き、貴様、タランチュラ、何という不敬な…!』

『ラテ先輩、まだ生まれて4ヶ月なので知らないのも無理ないです。生まれて2ヶ月で住処を追われたそうですし』

『知らぬとはいえ大変失礼した!!!』

『き、気にしてないですのー!ラテが物知らずなのは自覚してるですのー!』

「生後4ヶ月の割にはめちゃくちゃ頭いいと思うよラテ…?」

『褒められましたの!あるじさま、撫でてほしいですのー!』

「よーしよしよし、可愛いな~も~」



撫でろって言われたのに持ち上げてくるくる回るんじゃありません。

その後でぐりぐり撫でくりまわしてたけど。ラテ、それでいいのか…



『た、タランチュラを、躊躇なく…何と凄まじい度胸を持った人間なのだ、召喚者とは…』

「いや、ラテがあたしらを傷つけるわけないし…」

「あのー、とりあえず落ち着いて状況整理しないか?僕ら、昼食後も釣りしようと思ってたんだけど、シーサーペントさん的には賛成?反対?」

『まっとうな獲り方であれば文句など言うまい。毒などで一度に100匹以上も殺すのであれば許せぬが。水にも毒が残るしな…』

「あー…なるほど。俺らはこれ使って獲ったんだけど…」

『竿と網か。それであれば問題はない。ただ、例の人間どものせいで数が減っておる。乱獲は遠慮してほしい』

「そっかー、ちょっと残念だな。まあ川魚また獲ればいっか?」

「せやな。旅の途中で海水魚とれそうってことで寄り道しただけだし…とりあえずここにいる人数分確保できれば」

「ラテとラムは最低2匹は食うだろうし、うーん、あと10匹くらい欲しいか…?」

『…従魔の分も考えておるのか。まあ、10程度なら問題あるまい』

「やったー!釣り出来るー!ありがとー!ところでシーサーペントさんもご飯食べる?」

『は?』

「いや、話するなら、と思って…?」

『ご主人様のご飯美味しいので食べないともったいないですよ。料理スキル持ちですし』

『…なるほど、料理スキル。召喚者は必ずスキルを持つという話は事実だったか。ご相伴に預かろう。代わりに知りたいことがあれば話そう』



そうして、シーサーペントも追加しての昼食になった。

ちょっとデカすぎるなとアキ兄さんが言うと、みるみる縮んで2mほどの大蛇になった。どうやら『形状変化』スキル持ちでもあったらしい。

青みがかった銀色の鱗が綺麗だ。

カーくんは出さず、湖(海)から少し離れた場所で焚火をすることになった。

簡易バーベキューセットが役立つ日が来るとは。絶対これ召喚せずに放置されると思ってたよ。ええ、今新規召喚で出しましたが何か?

シーサーペントさんにめっちゃ驚かれたけどな。直後に、召喚者ならスキル持ちで当然かと納得してたけど。

簡易バーベキューセットは本当に簡易的なもので、一応網やそれを支える部分はあるが、火をつけるための土台の部分がない。

多分、キャンプ場とかにある土台の上に『設置する部分』なんだろう。形が単純だしな…

あ、土台部分はラテとラムが土魔法とかで何かうまいこと作ってくれた。僕とナズとハルでこんな感じに作って欲しいと身振り手振りで伝えただけでこの出来ってすごいな。

あとはそこに炭(僕の召喚)を放り込めば立派な竈…もどきだ。

大丈夫かこれと思ったが、アキ兄さん的には充分だったらしい。料理スキル素晴らしすぎんか。



「えーと、『灯火』!…初めて使った」

「普段、使わないよな…」



カーくんのキッチン使うからな。

アキ兄さんは生活魔法の灯火で着火していた。ラムも火魔術持ちだが、それだと消し飛ぶかもしれないと思ったらしい。

そんなまさか…とは言い切れないのがこのスライムの怖い部分である。



「あれっ」

「…どしたの、アキ兄さん」

「…『火魔法』、取得したわ」

「マジか」

「絶対今の『灯火』効果ですよね」

「アキ兄が攻撃魔法覚えたー」

『おめでとうです』

『すごいですのー!』

『は?…はあ!?スキル取得がこんな簡単に…!?そんな馬鹿な、これが、召喚者…!?』



シーサーペントさん超驚いとる。

まあ、この世界基準だとスキル無しの方が多いらしいし、ポンポン覚えるようなもんじゃないんだろう。

ある程度はオリジンに聞いているらしいが、信じ切れなかったか、ここまでとは思わなかったかのどちらかだろう。

召喚者はスキル取得しやすい人間族、というのは恐らく知っているだろうが。



「ん?『火魔法』も『灯火』なのか?」

「生活魔法と火魔法の『灯火』は名前こそ同じですが違うんですよ。生活魔法は基本、攻撃魔法として使えません」

「へー…まあ確かにそうじゃなきゃ生活魔法でいいやーってなるかー」

『生活魔法を戦闘に用いるなど誰も考えはせぬぞ…それに、その『灯火』以降、火魔法で覚えるものは生活魔法で覚えることは出来ぬ』

「へえー!」

「フレドスライムが使った『火球』あるじゃないですか。あれ、火魔法ですよ。生活魔法でそんなの覚えませんて」

「確かに。生活魔法であんなん覚えるわけないか」



雑談しながらも、アキ兄さんの手は準備をしている。ハルも手伝いはしてるけど。

魚の内臓を取って串にぶっ刺し、並べていく。バーベキューの道具を出したので、網に並べる形だ。

漫画とかだと焚火に当たるよう地面に挿してパチパチ…ってなるやつだと思う。ていうかアキ兄さんは最初それを想像してたかもしれない。

ごめん、こんなの出しちゃって…でも網に野菜とかまで並べだして楽しそうにしてたので、問題ない…かな?



「肉があれば焼いたのに…」

「魚メインだったのに、それだと肉がメインになっちゃうだろ…」

「確かに」

「よし、おにぎり焼こう」

「焼きおにぎりになるじゃん」

「砂糖醤油作らなきゃ」

「やめろやめろ、メインがとっ散らかる」

「たまに『消臭』使わないとまずいですね。下手したら魔物が寄ってきます」

「こんな毒蜘蛛とスライムの祖と海蛇がいる場所に来る魔物なんざいるか?」

「逆に魔物がご飯になりそう」

『食べるです。でもご主人様の料理だけ食べたい気持ちもあるです』

「わかる~、アキ兄の料理最高だもん」

『ですです』

『いつも美味しいですのー』



とりあえず、魔物や動物なんかが匂いにつられて襲ってこないように、ハルが定期的に『消臭』、そしてラテが周りに糸を張り巡らせた。

これは獲物を罠にかける時に使う戦法らしく、木々の間にも張り巡らせたようだ。万が一こっち来たら切断されるですのーと可愛い声で可愛くない内容をぶっこいてた。

鋭いピアノ線張ってるみたいなもんかな…?ただの罠じゃなくてデストラップじゃねえか。

まあ、これだけやれば安全だろうということだ。ラムツーとラムスリーも感知系スキルで警戒してくれるらしい。

カーくんの中じゃないのに安全対策万全すぎんか。

そんな感じで一旦落ち着いたところで、シーサーペントの話を聞くことになった。

ここ、抉れ海に来る人間は数ヶ月に1回ほど。頻度は高くないが、その1回で根こそぎとまで言わないまでも、かなりの数の魚を獲っていくらしい。

思い当たるとすれば、近隣の村の住民か。徒歩で1日ほどかかるので、移動が大変という理由で滅多に来ないのかもしれない。


そして毒という話だったが、聞いてみると毒ではなさそうだった。じゃあ何かと聞かれると断言できないが、ドンという大きな音がするという話だ。

なので、音か爆破か何かの振動か、電気のようなもので、魚を気絶させているのではないだろうか。気絶したから水面に浮かぶ、と。

海面も鑑定してみたが、毒の反応はなかった。と言っても前に来たのが1ヶ月ほど前なので、もう消えてしまってる可能性もあるが。

そんな話をみんなでしていた。



『…実際に見てもおらぬのに、我の話だけで、そこまで推測が出来るものなのか…』

『ご主人様たち、頭いいですし理解力も高いです。元々クラフェル様はヒト族を知的生物として作られたですし。もしくはあちらの世界の人間族がかなり頭いいかですね』

『我が知る人間族は、もっと粗野であった。恐らく、召喚者がこちらの世界の人間族に比べ、知的なのだと推察します』

『あ、自分にかしこまらなくていいですよ。自分、海への恩恵ないですし、オリジンやってた時も岩山ばっかり行ってたです。氷山も行ったですけど』

『いやしかし、それは…』

『今のラムは、ご主人様たちの案内役で、魔の森に向かってるです。海は行かないと思うです。だから敬意は、海を守るオリジンにお願いするです』

『ああいや、別に何かをもたらして欲しいなどと頼むつもりでは…ただオリジンの皆様には世話になった故、自然と…』

『あ、そうです?』

『うむ…しかし、それを望まぬのであれば気を付けよう。短時間ではあろうが』

『…そうですね。ラム達は今日中にここを去るつもりです。もう会わないと思うです』

「はーい、そこ、堅苦しい話してないで食べなー?焼きおにぎりもう食べれるよ」

『焼きおにぎり!気になってたです!』

『妙な匂いであるな。だが、不思議と食欲をそそる…』



シーサーペントにも木皿を出して、そこにアキ兄さんが焼きおにぎりを乗せていた。

この器に入ったものは食べていいと言ったら、そういうものだと理解してくれた。人間は不思議な道具を使うな、とか言ってたけど。

道具は人間が便利に過ごすために作ったものだから、人間が道具を使うのは当たり前だ。そう言ったら驚いてた。そういう発想がなかったのかもしれない。

ちなみに焼きおにぎりはかなりお気に召したようだ。ラテもラムも、シーサーペントまでも。

アキ兄さんの料理は罪だよな。わかるわ。



『我は、今日だけで人間の評価を完全に改めたぞ…』



焼きおにぎりで?

そう考えたけど口にしなかったこと、誰か褒めてくれ。

が、話を聞いてみるとそういう意味じゃなかったらしい。


このシーサーペントは、複数のオリジンから話を聞く機会があったため、創造神クラフェルの行動をある程度聞き及んでいるらしい。

そして思ったのは、スキルを使うために作った知的生物であるヒト族が、創造神の想定以上に無能であったこと。

スキルを使うための存在なのに、スキルを取得しづらくなり、今では半数以上がスキル無しとなっている。これを無能と言わずして何と言おうか。そういうことらしい。

しかも自分の縄張りの近くで魚の乱獲。シーサーペントの中で人間族の評価は地に落ちていたと言っていい。

ヒト族がスキルのための存在というのも眉唾ではないのか、そんな風に疑ってさえいたとか。


でも今日、僕らと会って自分の中にあった「どうしようもない人間族像」が壊されたと、そういうことなんだろう。

少なくとも、スキルのための存在だったというのは信じたらしい。アキ兄さんがスキル取得するとこ見てたしな。

今のこの世界の人間族は、スキルを取得しづらくなっただけである。本来は、僕らと同等くらいには取得しやすい人種だったんだろう。恐らくだが。

スキルに関しては、能力が劣化してるため無能と言われても否定はできないが、知的生物であるという点は今も昔も変わらない。

この世界にも、道具を製作し、使用するのが当たり前となっている。何なら魔道具なんてものを生み出したのはこの世界のヒト族だ。


ラムが言うには、世界が出来たばかりの頃に魔道具なんてものは存在しなかったらしい。

マナを含んだ自然物以外の『何者かが手を加えた物』は、魔の森にある神石だけだった。

もしかしたら魔道具というのは、神石を見たヒト族が真似て試行錯誤して生み出したものなのではないか。

寒いから温かくなるような何かを、風が冷たいから遮るような何かを。最初の願いなんてそんなものかもしれない。

それを叶えようとして道具を生み出したのであれば、この世界のヒト族も決して『無能』ではない。

魔道具はなくとも道具はかなり生み出されている。そもそもこのシーサーペント、釣り竿と網を見て何かを言い当てていた。

魔物が道具を当たり前の知識として持っているくらい、浸透している。確かに便利なものだと認識もしている。

これを作ったのは、思いついたのは、ヒト族だ。スキルでは活躍できなくても、他の面でこのクラーフに立派に変革をもたらしている。

僕らが普通に道具を使いこなしている場面を見てそれを思いだし、思い至り、評価を改めたそうだ。



『200年以上も生きてきたのに視野が酷く狭まり…愚かなことよな』

「人の悪い面ばっかり目にして耳にしてきたんだったら仕方ない気もしますけど」

『それでもだ。思い至らねばならなかった。ヒト族が、人間族が、決して無能なだけの存在ではないということに。我が見ていたのはほんの一部でしかなかったことに』

「真面目だなあ」

「うん、隣人みたいな魚たちごっそり持ってかれたら、普通ブチ切れて村を壊滅させるくらいするよね。それしなかっただけ理性的」

「ナズ、発想こわいな。まあわかるけど」

『単に仕出かした輩がどこの誰かがわからなかっただけよ。判明しておれば…村ひとつくらい滅ぼしていたやもしれぬ』

「断言してない時点で理性的ですよ。何だかんだ、犯人わかっても一方的に攻撃はしなかった気がしますね」

「そうだな。まあ可能性高いのはここから一番近い村だと思うけど」

「魚って足はやいしなあ。まあ遠くはないだろー。俺の予想がどこまで信用なるかは置いといて」

『…?魚には足などないぞ?』

「あ、ごめん、これ例えね。腐りやすいって意味。保存きかないっていうか、生ものはすぐ悪くなるから」

『なるほど、そういう意味であったか』

「これは、こっちにはない言い回しかもなあ」

「無意識で使っちゃうよね」

『ふむ…召喚者はやはり異世界の住人なのだな。姿形が似ていようと、どこか違う』

『魔力も特殊ですしね』

『…それはオリジン様がたくらいしかわからぬと思うが…』



イワワは美味しかった。アキ兄さんはサババも食べてたけど。

一応これでイワワとサババはアキ兄さんのアイテムボックスにしまえるだろう。

シーサーペントはこれからどうするのかと聞けば、近隣の村に行って乱獲をやめるよう説得したいと言い出した。

今までは会話するという選択肢はなかったのだろう。人間側の事情も聞きたいそうだ。食糧難になっている可能性もあるしな。

そうすると、乱獲…というか、抉れ海での漁はやめられないだろう。あちらも生きるのに必死だ。

ただし大した理由もなしにやっていたのであれば脅すくらいはすると言っていた。



『故に、すまぬが人間族の住処を教えてもらえぬだろうか。誓って、一方的な攻撃などせぬ』

「ここから、森の方に行くけど、大丈夫なんですか?水問題とか…」

「ああ、海蛇だもんな。長く陸にはいられないか」

『そうでもない。まあ多少渇きはするが、一月程度なら水の無い場所でも活動は出来る。目立ちはするだろうが』

「ああ、青みがかった銀色の大蛇は確かに森じゃ目立つわ」

「海中なら周りの風景に同化するでしょうけどね…」

『森で生きてる蛇の姿で行動すれば目立たないと思うですけど』

『む、確かに…なれば、フォレサーペントにでもなるか』

「サーペント系はやめましょう。ほぼ上位魔物です。スネイク系に擬態した方が人間も警戒しないはずです。大蛇がいきなり来たら絶対討伐しようとしますよ」

『…なんと。話し合いに来たと言ってもか?』

「あー、うん、確かに。見るからにやばそうだもんな。絶対自分達を滅ぼしに来たって思って戦うか逃げるかすると思うわ」

「警戒の必要がない姿、というのは結構大事ですよ」

『…知らなんだ。思えば、人間族と話し合いなど考えたこともなかったからな。勝手がわからぬ』



このまま送り出したらいらん諍いか争いが起きんか。

そう思ったのは、僕らだけじゃなかったらしい。



『シーサーペント、人間族の住処に行くのなら、召喚者たちと共に行った方がよいのじゃ』

『…オリジン様!?』



抉れ海の海面から、ロリショタが現れた。ロリかショタかどっちだこれ。

つか、のじゃ系?ロリショタで?属性過多だな!?



『あ、フィッシュです。久しぶりですー』

『久しぶりじゃな、スライムよ。いやホント久しぶりじゃぞ!前に会ったの何百年前じゃ!?』

『覚えてないです。自分、水場ほとんど行かないですし』

『水系のスライム生成の時しかおらんかったじゃろ。わしは以前水から出れんかったしな』

「に、人魚…?」

「ロリかショタかどっちだこれ…」

「わあい、アキ兄さんと以心伝心した」

『妙な姿になってるですね?今、なんて種族です?』

『マーフォークじゃ。おかげで短時間なら陸にも上がれるようになったのじゃ』

『フィッシュの言う短時間って何ヶ月です?』

『人に模せばいつまででもじゃな。水を飲む必要はあるのじゃが。まあ故に面倒で海から出ようとは思わんのじゃ』

『今は必要と思ったから出てるです?』

『そうじゃ』



海面から浮かぶように姿を現したのは、魚の…オリジンフィッシュだった存在だそうだ。魚系魔物の祖にあたる。

浮いてるのは浮遊とかそういうスキルを持っているからだろうか。姿はまんま人魚である。上半身が人型、下半身が魚。鱗が虹色で超綺麗だ。

マーフォークということは、ラムと同じで性別がないのかもしれない。というかオリジンがそういう存在なのかもしれない。

人魚は女ならマーメイド、男ならマーマンらしいからな。



『人間族の海を荒らす行いは捨て置けぬのじゃ。しかし毎回わしらが居合わせぬ時に来るので乱獲された後に知るのじゃ。もうこれで3回ほどか』

「あれ、案外少ない…?いや、1回で100匹以上じゃ合計でもう300匹以上が乱獲されてるのか。確かに見過ごせない量だな」

「最近急にですか?見つけたのが最近なのか、道具が出来たのがその時期なのか…これはさすがにわかりませんね」

『わしらとしては、一度に百を超える数をさらってゆくのが問題なのじゃ。生態系を戻すのに苦労しておるのでな』

「…一度の数を減らせば問題じゃない?」

『生態系を著しく変える量の乱獲を問題視しておるのじゃ。そうでなくば糧として獲るのは構わぬ。ヒト族は食わねば生きられぬしな』



ラムもそうだけど、同族や同種が狩られるのは仕方ないこととして割り切っているらしい。

オリジンにとっては、それも世界を回すうえで必要なものだと認識しているのだろう。世界のために生み出された存在だから。



『わしは、ここを離れられぬ。減った魚を増やすためには、魚の祖であるわしが一時とはいえここを去っては不安にさせてしまうのじゃ。故に頼めんか、シーサーペント』

『オリジン様…わかりました。我がお力になれるのであれば、喜んで。しかし、召喚者は…』

『…ふむ、スライムよ。寄り道させることになると思うが、どうじゃろうか。無理には言えんが。…クラフェル様の元へ案内する途中じゃろうしな』

『決定権はラムにはないです。ご主人様、リオくん、ナズくん、ハルくん、どうです?』

「俺は、食糧難なら仕方ないなって思いと、考え無しの狩りに腹立ってる部分があるから、一回やらかしてる連中に話聞いてみたいかも」

「僕はどっちでも。無視するのも手だし話聞くことも悪いと思わないから、みんなの意見に従うかな」

「困ってるなら助けたいかなあ。できることなんて少ないだろうけど」

「村人に話を聞くのは賛成です。これで考え無しの馬鹿だったら…私たちにはどうにもできないですけど」

「ここ来るの禁止って言っても聞かないだろうしなー。もう場所知られちゃってるし」

『ままならないですのー』

「んー…、一旦話し合いに行く。そこまでなら付き合う。で、いいか?」

「僕はいいよ」

「あたしも」

「私も賛成です」

『おお、すまぬな、召喚者たちよ。本来ならば関係ないじゃろうに』

「でも魚の乱獲は許せんからな。海の幸も山の幸も、みんなのもの!これが俺の座右の銘!」

「それ言わなきゃ完璧だったのに!」



ともかく、その乱獲の犯人がいると思われる村に向かうことになった。

ひとまずはここから一番近い村だ。



シーサーペントの先制攻撃は威嚇

攻撃力はほぼ皆無の水をかけてびしょ濡れにする嫌がらせのつもりだった

うっぷん晴らしとも言う

完封されたけど


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