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94.豆柴と一緒


「は?可愛いんだが?」

「ふわもこじゃないか」

「捕まえて丸洗いして撫でくり回してやる」

「腹枕もいいぞアキ兄さん」

『ご主人様…』

『主…』



いや犬とは聞いたけど、まさか豆柴とは思わないじゃないか。普通に秋田犬とか想像してたよ。

というか、完全に獣型だとも思ってなかったよ。こう、獣人タイプというか、犬耳の人間とかさ。

毛に隠れてるけど、確かに首輪のようなものを付けていた。そして、手にも銀色の輪のようなものが。つけてるのは攻撃力アップの魔道具みたいだな。

となると、足の速さはそこまで向上してないとみていいか…?



「き、みたち、銀級…?」

「いや、銅級だ。この近くにいただけだ」

「た、たのむ、応援を…俺たちの持ってた魔道具、一撃目で壊されて…」

「もう発動させてある。すぐ銀級が来るはずだ!」



怪我をして倒れてる冒険者は全員軽傷で、生きている。

そして応援を呼んでないのではなく、呼べなかったことが判明した。

ああ、初撃で魔道具を壊されていたのか。アキ兄さんは既に応援を呼んだらしいので、数分程度で来るだろう。

僕たちの仕事は、それまでこの場をもたせるか、こいつを捕縛するかだ。

彼らも奮闘はしたようだが、とりもち玉は全弾外れてしまったらしい。

臭い玉は支給されなかったんだろうか?



「これも、使ってくれ、臭い玉…」

「もらう、ありがとうな」



どうやら、持ってた人が腕を負傷したため、投げることも他のメンツに渡すことも出来ずにいたようだ。近くにいたアキ兄さんが受け取っていた。

魔道具を破壊、そして腕を狙って怪我をさせていることといい、案外頭いいなこの犬。

追加戦力を侮らずにいるのか、唸りながらも警戒を緩める様子はない。

子供と弱い従魔(見た目)に油断して飛び掛かってきてくれれば簡単だったのに。


ラムは体の一部を伸ばして倒れてる冒険者の腕を絡めとり、一ヶ所に集めようと引きずっていた。

本当なら簡単に出来る作業だろうけど、ミニスライムに扮しているので目立ったことは出来ずにいるのだろう。

冒険者は最初驚いて暴れようとしたが、ラムがやろうとしてることを察したのか、すぐ脱力して協力的になってくれた。

全員が足を負傷しているため、ろくに動けず防戦一方で耐えるしか出来なかったようだ。



「アキ兄さん、ひとまず全員一ヶ所に集めるのを手伝って。それまで僕が何とか注意を引きつけておくから」

「よっしゃ、任せた」



腕力はアキ兄さんの方が遥かに上。

速度は僕の方が上。となれば、僕が牽制役になるしかない。投擲玉もあるしな。どうにか臭い玉を体の一部にでも擦りつけられれば…



「ぅ、ヴウウ…!」



どうやら狙いを僕に定めたらしい。好都合だ。

子供なせいか、隷属なんて状態異常で正気が奪われてるせいか、単調な突撃だった。それでもかなりのスピードだ。

まっすぐ向かってくる犬をギリギリで躱し、どてっ腹に蹴りを一撃加える。

『強撃』も使ったのに、大したダメージにはなっていない。攻撃力の低さが原因だろう。

身のこなしはさすがと言うべきか、すぐに体勢を立て直して、再度向かってきた。



『嘴撃なのだ!』

「ギャッ!」



僕しか見えてなかったようで、スーの攻撃は完全に不意打ちだったらしい。

スーにしてはかなり弱めた攻撃だけど、効果はあったようだ。脇腹への一撃は、血こそ出てないものの、衝撃が凄かった。

が、それにもすぐ体勢を立て直していた。ああ、四本足だから安定してるのか。



『あ、弱すぎたのだ!?いや、思ったより防御力が高かったのだ!』

「スー、避けろ!」

『合点なのだ!』



僕よりスーを脅威と見做したのか(正しい)、スーに飛び掛かって爪を振るっていた。

が、相手は小さな鳥だし中身はオリジンである。捕まるわけもない。

僕から注意を外したところで死角から蹴りを入れる。咄嗟の判断なのか、避けられた。マジか。

だが、無理に反応したせいで体勢は崩れて着地した、その瞬間。



「でーい!」

「ッ、ギャァアアアア!」

「…アキ兄さん!?」

「あ、当たったー!」



アキ兄さんが臭い玉を犬の肩というか左前脚の付け根にぶち当てていた。まさかすぎる。え、投擲スキルないのに一発で当てた?は?うちの兄最高か?

あ、臭い玉はさっき冒険者から受け取ったやつか。うん、衝撃波以外にアキ兄さん遠距離攻撃ないもんな。

で、今の他の冒険者が見ている状況で『剣術』スキルの派生技を使う訳にもいかない。スキルあることは隠しているし。

うん、臭い玉を投げるって手段になるわけだ。

当然だが犬には効果抜群。絶叫していた。

この隙を逃さず、とりもち玉を足にぶち当てる。うまい具合に地面とくっついた。これで機動力は奪えた。


あとはどうにか気絶とかさせて…



『!スー、『咆哮』が来るです!』

『ッ!?』

「ゥォオオオオオオン!!!」

「キェエアアアアア!!!」

「うるせっ!?」

「わー!?何だ!?」

『…咆哮に咆哮返しとか、正気です?』

『び、っくりしたのだー…咄嗟だったのだ…』



あ、今の、『咆哮』なんだ…そういやそんなスキルあったな。スーにもサンにも。

これは相手を委縮させるスキルで、不意打ちなら高確率で食らうし、正面からでも格上に食らえば数秒は確実に動きが止まる。

場合によっては衝撃波のようなものを出して攻撃としても使えるものだ。今回はそれは使ってないようだけど。

つまり…



「今のうちだ!捕まえるぞ!アキ兄さん手伝って!」

「よ、よっしゃー!スーえらい!って、捕縛用のやつあったっけ?」

「ロープでいいだろロープで。あー、でも咆哮封じに口に何か突っ込んだ方がいいか?何かあったかな…」



ロープは召喚から出して、外れないようにしておけば引き千切られることもないだろう。無機物干渉スキル舐めるなよ。

あとは猿轡とかした方がいいんだろうか?それとも眠らせたり?ああ、そういう薬やポーションなかったな。

まずった。タークくんに分けてもらえばよかった。



「き、みたち…」

「あ、大丈夫か?もう安心だぞ」

「…眠り薬、持ってる、使え…」

「え、本当か?」

「ああ、すぐ効くから、飲ませろ」

「わかった、ありがとう!」



おお、まさかの所からの手助け。負傷している銅級パーティからだ。

なるほど、こういうのを持ってるからこそ彼らが選ばれていたのかもしれない。

アキ兄さんがすぐさま受け取って、まだ咆哮の後遺症で動けない犬に薬を飲ませていた。

そしてすぐカクンと意識が落ちる犬。ポーションじゃないようだけどマジで即効性だったな。


あとは銀級が来るまで待つか。魔道具の無効化してもらわないとだもんな。

ぶっちゃけ、ラムとスーがいれば何とかなるけど、やってもらうわけにもいかんし。

スキルのこととか隠すのって案外面倒だな…



『ぷー…?何です?この気配…』

『何かちょっと気になるのだ』

「ラム、スー?」



え、何?この二匹が気にするって怖いんだけど。じーっと犬見てる。

これ以上のトラブルいらないんだが?もうあとは引き渡して4階層クリアしたいんだが?

つか、念話は僕たちにしか聞こえてないとはいえ、あんまり喋るんじゃありません。僕たちが返事とかしたら怪しまれるだろ。



『リオくん、この子、鑑定してみて欲しいです』

『お願いなのだ、主』

「んん゛…可愛い…」

「上目遣いは可愛いよな、わかるよリオくん」



ハイかイエス以外の答え、ないだろこれ。

ええ、しますよしますとも。結果は後で伝えりゃいいだろ。今喋ったら背後にいる冒険者たちにバレかねないしな。

銀級が来る前にサクっと済ませる。そんなトンデモ情報出るわけないだろうし。

だって鑑定って見れる個人情報少ないもんな。称号とかないし。



名前:シェリル・ウルム

種族:獣族(狼)

年齢:8歳

性別:女

LV:3(あと2844)

状態:睡眠 隷属 腕力強化・小 獣化

職業:巨狼の眷属

HP:73/281

MP:15/48


スキル:爪技LV11 鋭牙LV7 身体強化LV14 獣化LV3



…これは、何と言えばいいのか…まずこの子、狼なのか?犬じゃなくて?だってこんな可愛い豆柴で…

そしてこれ獣化って状態なのか。ならもしかして普通の状態だともうちょい人間っぽいのかな?

獣族の外見って個人差があるらしいし。どの程度獣っぽいか人間っぽいかは千差万別だったはずだ。

てか「巨狼の眷属」って、あの、ちょっと嫌な予感。

ゲームとかだと巨狼って大口真神とかフェンリルとかそういうのだよな。超大物の魔物だか精霊だか、そういう設定が多い。

大口真神は大きな口をした狼でニホンオオカミが神格化した存在、フェンリルは確か神話では巨大な狼だったとか聞いたことある。うろ覚え。

そんでこの世界でそういうのって、ほぼオリジンじゃね?何よりラムとスーが反応したって、それ関係じゃね?


うわ~~~、めんどくさそうな予感…

思わずアキ兄さんに「くたびれたオッサンみたいな顔してるよ」とか言われる顔を晒し…いやどんな顔だよ。

まあ、どんな心情になったかはお察しいただけたようで。

とりあえず、後で話すと言ったところで、銀級冒険者が到着した。



「着いたぞ!遅れてすまん!」

「お前ら、大丈夫…じゃないな!?怪我はどの程度だ!?」

「つ、爪でザクっとやられただけっす」

「セーフティエリアまで歩けるか?」

「だ、大丈夫っす」

「よし、そっちの…子供?お前ら、別の班か?」

「あ、うん」

「た、助けに来てくれたんす!おかげで俺たち、このくらいで済んで…」

「ああ、わかってるわかってる。責めやしないさ」



持ち場を離れてるようなもんだからな。咎められるのかと思って、慌てて口出ししたらしい。

この銅級の冒険者たち、いい人だな。

ひとまず銀級冒険者は三人、一人がこちらに来て、すぐに首輪の魔道具を無効化していた。腕輪は普通に抜き取って外していた。

首輪に、小さな輪の…指輪のような南京錠のようなものをカチっと嵌めていた。これで魔道具は無効化されるらしい。

隷属の首輪は、主人以外には基本的に外せない。外すにはそれこそ浄化のアイテムか魔法、あとは高位の神官などが解除できるそうだ。

なお、この場合、首輪は霧散して消えてしまう。再使用はできない。強力なだけに、こういう制限がある魔道具である。



「これで大丈夫だ。君たちも一緒にセーフティエリアへ行こうか」

「あ、うん」

「お疲れ様。よくやってくれた。遅くなってすまなかったな」

「いや、大丈夫だ」

「これで目が覚めても飛び掛かってきたりはしないんだよな?」

「ああ、隷属の首輪は無効化してるからな。これは、気絶か?」

「いや、あっちの冒険者が持ってた眠り薬を飲ませたんだ」

「なるほどな」



大した大きさでもないので、アキ兄さんが豆柴(狼)を抱えていた。

代わりに抱いていこうかと言ってくれたけど、アキ兄さんはモフモフを抱えたいのでと言って断っていた。

銀級冒険者はしょっぱい顔をしてたけど、望みどおりにしてくれた。

そして戻るだけ、しかも銀級冒険者が護衛についてるも同然なので安全は確保されている段階になったところで。



***



167:リオ


犬(仮)、確保しました。

ラムとスーが気になるっていうから、鑑定しましたとも。

鑑定結果は以下です。


名前:シェリル・ウルム

種族:獣族(狼)

年齢:8歳

性別:女

LV:3(あと2844)

状態:睡眠 隷属 腕力強化・小 獣化

職業:巨狼の眷属

HP:73/281

MP:15/48


スキル:爪技LV11 鋭牙LV7 身体強化LV14 獣化LV3


ご査収ください。



168:アキ


( ゜д゜)…?

(ノдヽ)ゴシゴシ

( ゜Д゜)…!?



169:ナズ


爆弾置いていかんでもろて♡



170:アイ


結局、全員獣族と相対したのね…



171:ターク


ラムとスーが気になる、ねえ…ふーん…?

詳しく知りたくないです



172:ルート


俺氏、10日くらい前のドラゴンとの会話を思い出す


俺「ドラゴン以外にも物理の強いオリジンっているのか?」

ド「いるのである。オークやオーガ(中略)、あとウルフも強いである!」

俺「ウルフって狼だよな。フェンリルとか言う?」

ド「よく知っているであるな!今のウルフの種族はフェンリルである!」


んで、ゲームとかで巨狼ってフェンリルっていうよな、なんて…



173:ナズ


それもうほぼ答えなんよ



174:ターク


詳しく知りたくないっつったよな俺(怒)(怒)(怒)



175:リオ


今周りに銀級冒険者と銅級冒険者が複数いるからちゃんと話せてないんだ。

これ、やっぱラムとスーに伝えるべきだよなあ…

この豆柴、渡さずにずっと抱えてた方がいいのかなあ…



176:ナズ


豆柴!?



177:ハル


みたいです

なでたいです

だっこしたいです



178:アキ


モッフモフやで 至高

そういえば、そっちの猫はどうなんだ?

捕まえたんだよな?



179:ナズ


うん、あたしとラテでとっ捕まえて、ハルが麻痺と睡眠の苦無グサってやった

そこでフラついてるあたりで銀級冒険者が到着して、ゴンってやって気絶した

何か二足歩行の猫?長靴をはいた猫みたいな?顔はシャム猫っぽいかな?

多分180cmくらいあるんちゃうかなあ…



180:アイ


思った以上にでかかった

子供でそれなの?



181:ハル


かおがこねこでした



183:リオ


(想像力の限界)

(豆柴の肉球ぷにってる)

(寝言で唸られた)



184:ターク


何してんだお前wwwwww



185:アキ


リオくん、めっ!!!



***



ひとまず、セーフティエリアに着く前にラムとスーに共有した方がいいんじゃないかと言われた。

でも話すと聞こえるかもしれないし、筆談も…そもそも字、読めるのかこの子ら?

悩んだ結果、ナズが『伝達』で伝えてくれるとのことだった。申し訳ない…

なのでラムとスーを抱える。突然抱えられてびっくりしてたけど、すぐにナズが『伝達』を使ったらしく、意図が伝わったようだ。

こうしないと伝達の条件満たせないからな。てか、検証しててよかった。


そして一分もしないうちに伝達は終わったんだろう。

ラムとスーが念話で話しかけてきた。



『ウルフの気配だったですね。覚えのある魔力のはずです』

『何故こんな子がこんな目に…獣族領にいるはずなのだ、本来は』



オリジンウルフであるフェンリルは、現在獣族領のとある場所に住み着いているらしい。

そしてその住処…縄張り近くに住む獣族の守り神のような立場にあるそうだ。

そこは狼の獣族が住む集落で、その集落の長にフェンリルの加護のようなものを与えていると。

それが眷属となった証であり、フェンリルの力や魔力が分け与えられている。その力で集落を守っているのだとか。


つまり、この子は長の家系の子である可能性が高いそうだ。

うええ…思ったよりヤバそうな子じゃないか。

とりあえず、僕たちだけで留めておくのも怖いので、聞いた話を全部掲示板に書いた。

知りたくなかったという意見が多数。わかる。



『…クラフェル様に伝えるです。伝わるですかね?召喚者が見つけたと関連づければあるいは…?』

『黙ってるのも怖いし、やってみるのだ。早くしないと引き渡してわたしたちが干渉できなくなる可能性があるのだ』



ああ、召喚者についての話なら伝えられても、そうじゃない用件じゃ『神託』を通じて連絡出来ないのか。

アイさんたちの件も召喚者だし、何より救出についての『神託』が降りてたもんなあ。

一応これも掲示板で共有しておく。そして怖い発言が飛び出した。

猫やネズミの子も何かあるのでは?という…

でもナズとハルの鑑定に職業やスキルなどの表示はない。そしてアイさん達に鑑定持ちがいない。

ハルが一応見てみたが、特に気になる表示はなかったそうだ。やっぱり怪しいのは職業では?とのこと。

ちなみに猫じゃなくて虎の獣人で、10歳の男の子だったのだとか。マジか。

なお現在、合流した銀級冒険者の肩に担がれて運ばれてるそうだ。荷物扱いである。まあ180cmクラスだそうなので、仕方ないのかもしれない。



『…クラフェル様、知ってたです。どうやらウルフが数ヶ月前から探してる子みたいで』

『他所の集落に家族で訪問した時、いなくなったそうなのだ。好奇心の強い子で、外で遊んでくると言って、そのまま、らしいのだ』

『ウルフのやつ、色んな場所を探し回ってるみたいです。人間族領はまだ探してなかったそうですが魔族領と森族領は探してたみたいです』



フットワーク軽いな、フェンリル…

それだけ、その家系に思い入れがあるのかもしれないけど。

伝言ゲームみたいになってるけど、創造神を通じてこちらに指示されたことは、その子をどうにか確保して欲しいということだった。ですよね。

でも、どうやって?思いっきりバトったんだけど。むしろ敵と思われない?

この子の両親や兄弟も探し回っており、フェンリルとは別ルートを探していた。そしてどうやらこの家族、現在人間族領にいるそうだ。

フェンリルと一家は主と眷属の関係なので、マーフォークとサンのように遠くにいても会話が出来る。

なので今どこにいるかとフェンリルが問いかけたところ、人間族領にいると返答があったそうだ。ついさっき。リアルタイム情報交換?

そんなわけで、どこかの町で待ち合わせようという話になったそうだ。まあ、それなら…?

ちなみにフェンリルからこの豆柴は会話が出来なかったらしい。ある程度場所が判明してないと難しいこと、幼すぎてまだ力をうまく使えないこと。

フェンリルは当然力が強いので、まだ弱い幼子相手へはあまり干渉していなかったようだ。力の差がありすぎると疲労が凄まじいらしい。

今はそれが裏目に出ている。



『ご主人様、リオくん、ここは受けるです。で、ウルフに恩を売るです。そしたら、城にいる召喚者たちの奪還、協力してくれるかもです』

『あー、ウルフの脚力なら三日もあれば人間族領に着くのだ。該当のダンジョンにも多分着くと思うのだ。あいつ義理堅いし…』



…なるほど?

掲示板でそれらを伝えたところ、全員が賛成していた。

なお、フェンリルの方も、シェリル嬢を任せるのが召喚者ならばと許容してくれたらしい。

誘拐したの、人間族の可能性が高いのに…まあ、別世界の住人なので一括りで見てないだけかもしれないが。



『もちろん、この子の説得はラムたちも協力するです。ラムたち、ウルフの知り合いですし』



そうだな。じゃあこっちは問題ない。

あとは、冒険者たちの説得かあ…知り合いがいる場所に案内出来るとか、そう言えば大丈夫か…?


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