『支度』:sideトモカズ
「トモカズ!朝!朝だよ!起きて!!」
ーなんだ…朝っぱらから…
「起きないとダメ!朝ごはん冷めちゃう!!」
ー朝ごはん…ふわふわの卵焼き……
「トーモーカーズー!おーきーてっ!!!」
「わぶっ!!」
突如腹に来る衝撃、俺は目が醒めた。いや、叩き起こされた
「おはよう!トモカズ!」
まるで太陽のような満点の笑みをこちらに向ける少女、ステラだ。
「おはようさん…ふぁー、ねみぃ…。」
27歳ピッチピチの俺だが、朝からハイテンションは身に堪える。起こした身体をもう1度横にし二度寝をかまそうとすると…
「トモカズ!!!」
ピョンピョンと俺の腹の上でステラは跳ねた
「ちょっ、ちょっ…ステラさん!ギブ!ギブ!!!起きるから跳ねるのやめてもらっていい!?!!」
「起きる…?」
「起きます。おめめパッチリです」
「やったー!!おはよう!!トモカズ!!!」
さっきよりも大きな声で挨拶をしてくる
「おはようさん。朝っぱらから元気だな、お前」
「元気が一番だからねっ!」
昨日とは打って変わって朝から明るい彼女に少々驚きつつ、眠い目を擦りながらステラに手を引かれて部屋を出る。
目に入ってきたものは衝撃的だった
ーー部屋が、片付いている
昨日まではスナック菓子の袋が落ちていたり、部屋の角にホコリがちょっぴり溜まっていたり、捨て忘れたカップ麺の容器と割り箸がそのままだったりしたのに。
それが、全て片付いている。
唖然としていると朝食のいい匂いが鼻をくすぐり、食欲を刺激された。
この子、めちゃ家事スキルあるやん…。
「いただきまーす。」
「召し上がれ〜!」
朝食として出されたものはトースト、スクランブルエッグ、サラダ、オニオンスープ。
シンプルなものだが、朝からこれが出されるのはアドが高い。シンプルに最高。
「うまっ…。」
「でしょでしょ〜!?トモカズのために頑張って作ったんだぁ!」
ホテルの朝食で出てくるようなとろとろのスクランブルエッグ、ウインナーが入って飽きがこないようになってるオニオンスープ、しかも玉ねぎ甘い。
うまい、うますぎるな。
そんなことを考えながら俺は夢中で平らげた。
「ごちそうさまでした。ていうか、俺が食ってる最中ずっとにこにこスマイルだったのはなんでなんだ?」
「わたしのご飯美味しそうに食べてくれて嬉しかったから!」
「なるほどな…。ありがとうな、朝からこんな美味しい飯作ってくれて」
「どういたしまして!喜んでくれて嬉しいなぁ…」
ふと遠くを見つめるステラ
「どうしたんだ?」
「ううん、なんでもないよ。昔の私もこうやって誰かにご飯作ってたのかなって思って」
「どうだろうなぁ…そうかもしれないな。」
「どうしたの?トモカズ」
「…今、何時だ?」
「今?9時12分」
「ならまぁ…いや、ギリか。」
「どうして?」
「あ、いや。昨日の連絡で決まったことなんだが、今日は冒険者ギルドに行った後にステラの服を買いに行くんだ。そんでもって待ち合わせが10時。アーシェって待ち合わせに遅れるとこえーからさ…」
「ちょっと!!言うの遅いよ!!!早く支度しよ!」
「ごめん、ほんとごめん。」
大慌てで支度を始めるステラ、本当にごめん。
ステラに急かされながら俺も準備を始めた。
くじらのはらです。たまごはかちかち派です。
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