表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
報酬エルフとハッピーエンドを目指すたび  作者: くじらのはら
ヴァルハラ編:『幽霊騒ぎ』
17/40

『ヴァルハラ』,到着

ヴァルハラ:■■■■内にて

「ねぇ、彼岸。最近はどう?」

「えぇ、此岸。順調よ」

瓜二つ、人形かと思うほどそっくりな人間が2人。

右の髪を編み込み、後ろ髪を赤の彼岸花の飾りがついたかんざしで纏めている、白い民族衣装を着た少女

左の髪を編み込み、後ろ髪を白の彼岸花の飾りがついたかんざしで纏めている、赤い衣装を着た少女

互いが互いを見つめ合い、微笑む。

ローテーブルに置かれた玉露入りの茶器からは温度を感じられない。

「では、このまま計画を進めましょう。彼岸」

「うん、このまま計画を進めましょう。此岸」

そう言い、2人はどこかへ消えた

玉露の水面は揺らぐことなく



午前10時 ステーション南口

「はぁ…はぁ…時間ぴったり」

「ふぅ…今日は間に合ったね」

冒険服に身を包み大きな鞄を背負ったトモカズとステラは既に待っていたアーシェの元へ走った

「あら、おはよう2人とも」

「おはようアーシェ」

「おはよ。まだ新幹線の時間まで余裕あるけどどうする?」

「そうね、新幹線は10時35分だから…2人は朝ごはんは食べた?」

「まだ食べてないな…」

「朝バタバタしてたからまだ…」

「私も食べてないから一緒に食べる?」

「「賛成!」」

「じゃあ行きましょ」


3人が入った店はファストフード店

店の奥からはポテトを揚げるいい匂いが漂ってくる。

3人それぞれ別のものを頼み、席へ着く。

運ばれてきたハンバーガーを目の前に、ステラは目を輝かせた

「うわぁ〜!美味しそう…!!」

「早く食べねーと冷めるぞ」

「そっか!いただきます!」

大きな口でハンバーガーにかぶりつく。肉汁が溢れてきて、チーズとレタスの相性がとてもいい。

「おいし〜!!!」

今にも飛び跳ねそうな声でそういうと夢中で食べ始めた。

「あらトモ、ステラにハンバーガー食べさせたことなかったの?」

「ステラ自炊できる系女子だから外食あんま行かなかったんだよな」

「なるほどねぇ」

そう軽く話して3人は食事を取った。


「「ご馳走様でした!」」

「ご馳走様でした。」

「久々に食うと美味いな…。それはそうと昼買ってないけど大丈夫か?」

「大丈夫じゃないわね。朝食べたあとだけど駅弁買ってホーム行く?」

「そうするかぁ…」

頭に?を浮かべたステラと慣れてる2人はファストフード店を出て改札を通り、売店へ行った

「人多っ」

「そりゃ隣の国へ行ける新幹線があるんだもの、多いでしょ」

「だとしても多くね…。ステラ、あんまりウロウロするとはぐれるからな」

「わかってる〜!」

といいつつウロウロとしているステラを見落とさないように弁当を選んだ。

会計を済ませ、駅のホームへ立つ

車内清掃をしているところ見ながら、次の国へ思いを馳せる

「ヴァナヘイム、どんなところだろう」

「芸術作品が多いのよ、有名な画家も多くいてね…」

「出た、アーシェの知識人っぷり」

「知識人じゃないわよ。興味のあることを調べてるだけ」

「あ、あとねステラ。ヴァナヘイムはセントラムよりも魔法が発展してて、人の居住地域でも魔法を使っていいのよ」

「え、そうなの!セントラムとは違うんだね…」

「近くにある国でも歩んだ歴史が違うもの。常識や文化もだいぶ変わるわ」

「そっかあ…」

そんなことを話しているうちに車内清掃が終わり、乗車のアナウンスが流れた

「アーシェ、ステラ。新幹線乗るぞ」

「はーい!」

「毎回思うけど、この新幹線理屈がよくわからないのよね…」

「俺も詳しくは知らんけど、途中どっかで転移魔法使うから早く着くみたいな感じらしいな」

「そうなんだぁ…魔法すごい」

「そうよねぇ…」

「ていうか、魔法使っていいんだね」

「公的な交通機関だったら魔力と化石燃料の両方を使うことは珍しくないぞ。今回だったら、セントラムとヴァナヘイムの間に大きな魔族の集落があるからそこで転移魔法使ったりな。かかる時間が30分くらいに短縮される」

「転移魔法使わなかったらそこ通るのにどれくらいかかるの?」

「5時間とかじゃねーかな」

「え、、転移魔法ってその時間を短縮できるの?」

「距離にもよるらしいけど世界の端から端とかじゃない限り多分できるぞ、魔力の量にもよるけどな。」

「なるほど…」

興味深そうに話を聞いていたステラ

「ほら、発車するわよ」

「楽しみ!!」

発車のアナウンスが流れ、列車が動き出す

魔力と化石燃料の両方を使っているため、速度はとても早く、時速500kmにも及ぶ

和気あいあいと話をしたり、途中で寝たり、転移魔法に驚いたり。

そして

「やっっと着いたーーー!!!」

「やっぱり遠いわね…」

「疲れたぁ…」

ヴァナヘイム首都『ヴァルハラ』

世界屈指の魔法都市であり、各国の中でも珍しい『非魔力保有者居住地域での魔法使用』が許可されている

時刻は17時47分

「じゃあ、これから冒険者ギルド行くぞ」

「なにしに行くの?」

「依頼解決のための滞在用ビザ出してもらったり、この国の通貨に両替だなぁ」

「そうね、急いで行かないと閉まりそうだし早く行きましょ。」

「翻訳魔法かけ忘れるなよ、超便利だから」

言語の自動翻訳の魔法をかけ、ギルドへ歩み始めた


「こんばんは、冒険者ギルドヴァルハラ支部です」

「こんばんは、冒険者パーティ『ディユシエル』です。依頼のための滞在ビザを1ヶ月3人分お願いします」

「了解しました。冒険者様のお名前、ご依頼者様、ご依頼内容をお願いします」

「アキエダトモカズ、アーシェ・ダリア、ステラです。依頼者はペルって人からで、内容は幽霊騒ぎの解決です。」

「かしこまりました。ビザがご用意でき次第お呼びします。」

「ありがとうございます」

事務手続きが落ち着いた途端、どこかから大きなため息が聞こえてきた

「ねぇハルター!!マジで見つかんないんだけど!?あの子たちどこ行ったの!ほんと!」

「ちょ、アンナ、もうちょい静かに。」

「だってもう一ヶ月探してるんだよ!あたし達が一ヶ月!なんなのもぉー!」

緑髪で長髪の女と明るい茶髪の男。男は斧を背負っている

「ねぇトモカズ、あっちにすごい困ってそうな人いる。」

「そうだな…ステラ、触らぬ神に祟りなしって…ちょっと待って?」

トモカズに一言声をかけたかと思えば見知らぬ男女へ駆け寄っていくステラ。

「アーシェ、これヤバイかもな」

「そうね。でも、幽霊騒ぎの手がかり見つけられそうじゃない?」

「だな。俺たちも行くか」

そして3人は2人組の男女の元へ近づいた

くじらのはらです。新キャラ登場です

よろしければブクマといいねお願いします

作品作りの励みになります

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ