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四話「勇者様の妻」

こんにちは…!


…聞きたくないことを聞いてしまった。できれば、聞かなかったことにしておきたい。世の中、知らなくていいことはあるっていうことを今よく理解した気がする。勇者の急な嘘を今すぐにでも取り消したいところ。


周りは急にザワザワとした。流石に無茶苦茶だ。急な発表に、信者も驚いているだろう。無理矢理すぎて逆に私も困ってしまう。そして勇者がざわつきを収めるように話し始めた。


「これは私の意志だ。いつかは婚約したいと願っていた。…だが、国民のみんなのことも私は好きだ。勘違いしないでくれ。」


私はあなたと婚約したいわけじゃない、勘違いしないでくれ…とでも言いたいところだ。結局私たちはそのまま城の中へ入って行った。


なんていうことだ。大きなシャンデリアと豪華なロビーが私を待ち構えているではないか。おまけにたくさんのメイドが帰りを待っていた。


「おかえりなさいませ、ご主人様」と一斉にメイドらが大きな声でお辞儀をしながら言った。しかも、向こうには美味しそうなご馳走がたんと用意されている。これは天国とでも思い込ませたいのかと思ってしまった。あまりの凄さに感動する。


「どうだ?この城は。まだ見たばかりだが、第一印象を聞いてみたい。」


そう言って、勇者は大きな椅子に座った。大きな椅子は、ロビー全体を眺めれるように設置されており、ロビーを見張るためでもあるのだろうか。私は勇者の質問に答えた。


「とても綺麗で豪華で素敵ですね。」

「そうだろうそうだろう。私の城は最高級とでも言っていい。」


その時だ。慌てている騎士が勇者に話しかけた。


「勇者様、襲撃が…。」

「分かった。騎士は先に戦え。護衛は国民を避難させろ。」


勇者はそういい、立ち上がった。そして私の肩をポンポンと叩いた。急に何?と私は勇者の顔を見ると、さっきより真剣な顔だった。


「襲撃って何が…?」


思わずそう聞いてしまった。あまりにも真剣だったので、何があったのかは知っておきたかった。勇者は素直に答えてくれた。


「国の方針に不満を持った奴らが城へ襲撃しにきた。美鳥はここにいろ。」

「待ってください!私に何かできることは…」

「勇者命令。美鳥は城で待機だ。」


そう言って、勇者は城を後にした。焦っているのか慌てているのか、勇者は少し活動が早かった。何かできないかと聞いてみても、ここで待機しろとしか言われない。私は力になれないのか…。


…そもそも、私は今勇者の婚約者だ。私は勇者の婚約者として、生きなければいけない。…まあそれが嘘だったら別の話だ。

けれども本当の話だったら、それは重要になってくるはずだ。勇者の婚約者だなんて、かなりすごいだろう。


私は、勇者様の妻という役割をこなしてみせますよ。


読んでいただきありがとうございます…!

続きもよろしくお願いします…!

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