三話「勇者は私を婚約者と呼ぶ」
こんにちは…!
よろしくお願いします…!
男性は、馬車で着ていたようで、ちょうど森の中を見たかったらしい。その時に、私とモンスターを見かけたそう。私は男性に連れていかれ、馬車に乗らされた。徒歩よりは便利だった。
「さてと、君の名は?」
「美鳥です。」
「はあ。珍しい名だ。ここらじゃ見かけない。」
馬車に乗っていると、いろいろと質問されるのだろうか…。そして初めて珍しい名前と言われてしまった。別に珍しい名前じゃないと思っていたが、ここは異世界なのでそんな理屈は通用しない。男性は自己紹介をし始めた。
「私は、レンリー・スペースという。この国の勇者だ。」
勇者と名乗ってもいいのだろうか…と思ってしまうが、素直に受け入れた。勇者ということは相当強いのだろう。そして信頼されている。勇者に助けられるなんて、思ってもしなかった。
「私の国の名はスペース王国。そうだ、美鳥の住んでいる国はどこだ?」
「国!?ええっと…。」
そうだ、私には食べたり寝たりする場所はないのだ。そういえばそうだったと後悔する。今頃気づいてしまったが、遅かった。早めに住む場所を探せばよかったというのに…。私は答える時に、少し戸惑ってしまった。
「…、もしや住居がないと。…仕方がない。スペース王国に住めば良い。それでいいだろう。」
「えっ、本当ですか!?ありがとうございます!」
あまりの嬉しさに声を出してしまった。大きな満足感が生まれる。住めるなら何でもしますとでも言えた。
「ただし、条件付きだ。」
この言葉が、後からどれだけ苦しむかは、この時何も感じていなかったであろう。この条件が相当キツイ…というのは、後から知ることだ。
私は条件付きでも構わないと、首を縦に振った。
「じゃあ決まりだ。…もうすぐ城に着くぞ。」
ここで馬車は止まった。馬車のドアが開いたので、私は馬車から降りた。すると、多くの人々が馬車を囲むように集まっていた。
何事?と思ってしまったが、勇者が出てきた時、何が起こったかわかった。勇者が出てきた瞬間、多くの歓声がこの場を盛り上がらせた。…そう、全員勇者目的で来ているのだろう。それ以外何がある。
勇者はこれに慣れているのか、右手を振った。ファンサービスっていうやつだ。よく見ると、集まっている人のほとんどは女性を占めている。女性から人気があるということか。だがこのような声が聞こえてきた。
「勇者様のそばにいる女、誰?」
「何あの格好、みっともない。」
「勇者様に近寄らないで!」
…つまりこれは悔しさってわけだ。勇者の隣にいる私が羨ましいだろう?…私は勇者のことを特に思っているわけではなかった。けれど、何故かこの勝利感が私を喜ばせた。こういうことが大好きだ。勇者は急に話し始めた。
「…そんなに、私の隣にいる女を知りたいか?いいだろう。」
「これは私の婚約者だ。」
…聞き捨てられないことを聞いてしまった気がする。
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