記「カコ」
1985年、昭和六十年八月廿日
「今日は部活だよ!みんな集まって!」
院瀬見夕依香は叫んだ。ここは松山神社。
中学校はおよそ20キロメートル以上ある隣町へ行くしかない。電車もない。移動手段は自転車。
それに加えてその中学校は治安も悪く鬼ヶ丘の子供は皆行きたがらない。なので鬼ヶ丘では松山神社の社務所を借りて学校としている。
小学校、中学校、高校も兼ねていた。鬼ヶ丘第一高校はまだ建設されていなかった。
「今日は何しようかな~」
院瀬見夕依香は「部活兼同好会」に所属している。活動内容は「躍進する技術と時代。それに反することをする」らしい。
つまりただ遊ぶだけ。でもビデオゲームは時代に順するからやらないらしい。
「今日はカルタしようよ!」
院瀬見夕依香の友達。堀口命は言った。しかし命はがカルタとても強いらしく反対意見が多かった。
「ちぇっ…じゃぁトランプとか?」
堀口命は悔しそうに言った。
「おいっ!夕依香!部活なんかしとらんで早う家に帰ってこい!」
神社の社務所に顔を出したのは、院瀬見霊香。夕依香の母親である。
母親は村中で噂になっているほど、虐待癖がある。
でも誰も通報しない。誰も…
私。松山神社の神「アメミヤ」は思う。
人間は。
限られた時間の中で悦を求める。
それは時に実に滑稽で、人の道に反することも簡単に行う。私はそやつらを「畜生」とよんでおる
霊香も。畜生なのだ。そいつらを消す。そのためには如月の力が必要なのだ。
神様視点。
アメミヤ視点です。