8話:選抜訓練
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8話:選抜訓練
~選抜訓練を始める少し前~
「コウジュン様、どうやって選抜するおつもりですか?」
「オレがやってる訓練をそのままやる」
「わかりました。それでは指示出しをお願いします」
「いや、指示出しはレスターとカールに任せる。オレはあの100人と一緒に訓練に参加する」
「なんですって?!」
「どういうことですかコウジュン様?」
「20人がレスターとカールの部下になるが、オレの部下ということでもあるからな。力が無いものに人はついてこない。
あらゆる力というのがあるが、そのうちの一つである力を、長として、率いる立場の人間として示しておこうと思ってな」
「わかりました。指示出しは私たちが行います」
ハァ・・ハァ・・ハァ・・・
ザッザッザッ・・・
「走れ!とにかく走れ!この一次は走行訓練だ!」
ハッ・・ハッ・・ハッ・・・
ゼハ・・ゼハ・・ゼハ・・
「クッ・・・無理だ」 ドタッ
「・・・オレも・・」バタンッ
「二人とも失格!」
「隊長は先頭を走っているぞ!誰も隊長を追い抜こうとする奴はいないのか?!」
離脱者 30名 通過者 70名
81・・・・82・・・・83・・・・84・・・・
「次は腕立てだ!根性見せろ!」
94・・・・95・・・・96・・・・97・・・・
グヘッ
「失格」
ドタッ
「失格」
バタン
「失格」
「どうした?!動きが遅くなってるぞ!隊長にきちんとついていけ!」
離脱者 30名 通過者 40名
1・・・2・・・1・・・2・・・1・・・
「剣の素振りは1回1回きっちり振れ!隊長を見ろ!見様見真似でもいい!きちんと振れ!」
ポロッ
「もう・・・腕が・・・」
「いつまで続けるんだよ」
「失格!」
1・・・2・・・1・・・2・・・1・・・2
「槍の素振りは振り下ろし、突きだ!体重を使え!」
ボトッ
「握力が・・・」
「こんなん、やってられるか!」
「失格!」
離脱者 10名 通過者 30名
「よくここまで頑張った!次が最後の訓練になる!最後はその場で剣を持って構えるだけだ!」
ザワザワ・・・
~構えだけ?~
~最後は楽なんだな~
「いいか?どんなことがあろうとも構えを解くな!動いた瞬間、失格となる!「終了」と言うまで構えを解くな!・・・・はじめ!!」
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
さて、最後の訓練を開始して30分が経過したころだ。疲労もピークで集中力も切れかかってきている。
人間が集中し続けられるのは15分と言われている。それを過ぎるとだんだん集中力がなくなっていき、ミスをするようになる。
・・・・・・・・グラッ・・・・・・・
「そこの者、失格!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
終わりの時間は言っていない。ただ剣を持って構えを解くなとしか伝えていないため、
いつ終わるのか?どこまで続けるのか?訓練を受けている者たちはわからないまま、ただそこでずっと構えているだけだ。
1次では体力を見て、2次では忍耐力を見た。3次では継続力を、そして最後は集中力だ。
それから更に30分が過ぎたころ、残ったのはあと23名。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・グラッ・・・・・・・・・・
「失格!」
そこから更に30分後、最終訓練が開始してから、1時間30分が経過し、残りは定員である20名となった。
「「終了!」」
そこでレスターとカールの終了の声が響いた。
その言葉を聞いた20人は、その場でへたり込んだ。
オレは構えをとき、その20人の前に行き、声をかける。
「おめでとう諸君!これで君たちは、ここロンド騎士爵領の兵士に合格した!」
オレが合格した旨を話すと少し時間を置いてから20人の歓声を聞くことになった。
少し時間を置いてから話を続けた。
「今後の訓練は今回以上の物が続く。戦争遊戯では死ぬことはないだろうが、盗賊や無法者、遊戯以外での戦闘行為で死ぬこともあるかもしれない!それでも、仕事をしたい!この領を守りたい!戦う意思がある者だけを我々は希望する!その意思がある者は明後日、同じ時間に訓練場へ集合とする。それまではゆっくりとしきちんと考えてほしい。以上だ、解散!」
オレがそういうと、20人はよろよろと立ち上がり、一緒にこの選抜を戦い抜いた仲間たちと笑いながら、ゆっくりと帰っていった。
「レスター、カールもお疲れ様。明日から訓練となるから二人も今日は休んでいいぞ」
「「わかりました」」
さて、明後日からが本番だ。兵士は急には増やせない。なら少数精鋭部隊を作るしかない。
~翌々日~
一昨日、選抜訓練で合格した20名が1人も欠けることなく、集合場所にいた。
「それでは、ここにいる20名は、本日よりロンド騎士爵領の正規兵として登用となる」
「「「「はい!」」」」
「この2人はレスターとカールだ。以降はこの2人の指示に従って訓練を開始する。当分の正規兵の訓練と業務は以下の通りだ」
①走力訓練
②武技訓練
③戦闘訓練
④巡回
⑤開墾・伐採
「それじゃあ、あとは頼む!」
「「ハッ!」」
二人に訓練を任せて、オレは領地運営を考えるため執務室へ戻っていく。
~2か月後~
宿舎兼訓練場が完成したことで、今後、正規兵の将官は宿舎に住まわせることにする。
今はまだレスターとカールのみだが、正規兵になった20人の中からいずれ将官になるやつもでてくるだろう。
~さらに3か月後~
正規兵の訓練で開墾作業をしたことで、三圃式農業の実施ができるようになった。
三圃式農業とは、輪作の一種で、秋蒔き冬に収穫・春蒔き夏に収穫・休耕地の3つに区分しローテーションを組んで耕作する農法である。
農地の地力低下を防ぐ為に、休耕地に家畜を放牧し、その排泄物を肥料として土地を回復させる。その繰り返しだ。
道具も一新し、無駄な支出を減らし農耕に力を入れたことで収穫量も増えてきた。
この調子で行けば収穫した一部を取引に回しているが、その量を多くすることができるようになる。
既にキースの所を経由して取引を開始して、こちらで開発した農耕器具も収穫の効率化が評価されて売れている。
腐葉土を生産し、畑の栄養分を大幅に上げてきている。
今年は税を免除しているが、この分なら来年以降の税収も期待できる。領民もお金を持ち、使うようになってきた。
オレがこの領に来て半年、まだまだ改善するところはあるが、領民の意気は上がり、土地開拓も順調に来ている。
半年前にもらった報酬金は、そのほとんどを領地運営に回したため残っていない。
だが、現在の継続利益は、月に金貨20枚ほど、道具の販売で臨時利益は金貨200枚ほどだ。
来年には税収を含むと継続利益は月に金貨60枚ほどにまで上がる見込みだ。
領の兵士に関して正規兵はそのまま20人ではあるが、非正規兵として30人を雇用している。
正規兵は月に1人、金貨1枚のコスト、非正規兵は月に1人、銀貨50枚のコストだ。
これで兵関連のコストは月に金貨35枚となった。来年には非正規兵を正規兵へとし、非正規兵を50人雇用し、計100人とする予定だ。
なぜ100人にするかと言うと、騎士爵領の戦争遊戯への導入数は最大100人となっているからだ。
全てが順調とはいかないまでも、確実に前に向かっていた・・・・そんなある時・・・・
「宣戦布告された?!」
訓練場にて修練をしていると、キースとの取引で準男爵領へと赴いていたレスターが伝えてきた。
「はい!キースウェル準男爵様に召集命令が届きました。こちら、準男爵様からお預かりした書状になります」
オレは書状を受け取り、中身を見る。
パラッ
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「コウジュン様、書状にはなんと?」
「ロンド騎士爵としてキースウェル準男爵旗下に入り、参戦せよ・・・だ。相手国は前回と同じダンク国のようだ」
「ダンク国・・・ですか」
「ああ。あの国がまた戦争遊戯を仕掛けてきた。だが、半年前に仕掛けてきて負けたというのに、またどうして?」
「あくまでも噂・・・なのですが、ダンク国の目的は、我が国の姫・・・という話です」
姫?・・・姫というと、あの論功行賞の時に、女王の後ろ横に座っていた女性か。あの時はよく見なかったから、顔知らないだよな。
でも、なぜ姫が原因なんだ?
「あぁ、その噂は私も知ってます。なんでもダンク国の王がえらく姫の事を気に入っているとか・・・それで、国を滅ぼせば姫を自分の物にできると考えているとか」
なんだそれ?たった一人の為に戦争遊戯をしているってことか?
まぁ原因がなんであれ、宣戦布告されたんだ。返り討ちにしてやろうじゃないか!
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