15話:編成
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15話:編成
領へと戻ったオレたちは、領を上げての祝杯と言う名の祭りを行うことにした。
これは今回の戦争遊戯に参加した者たちへの労いを兼ねている。我が領から参加したものは50人、そのうち最後までリタイアせずに戦い抜いたものは20人だ。
功績に応じて、金や食糧を与えることとした。
副官であるレスターとカールも順調にレベルが上がっていっている。もう少ししたら騎士爵級にまではなれるんじゃないだろうか?
必要であれば騎士爵への推薦をするとも言ったが、オレの下で働きたいということで二人とも独立する気はないようだ。
嬉しいことを言ってくれる。それならこれからも部下として徹底的に鍛えていこう。覚悟しておけよ二人とも。
ゾクッ!!
「「!?」」キョロキョロ…
「なんか悪寒がしたんだが?」
「カールもか?オレもだ」
「「なんだったんだろうな?」」
~一月後~
カンッ!カンッ!カカンッ!
バッ!ダッ!シュッ!
「フッ、シュッ!・・・警邏隊の増設ですか?」
「ハッ!・・・予定と・・・フッ!・・・違うのでは?」
レスターとカールの二人同時に稽古をつけながら、会話を進める。
「ライセン辺境伯の軍閥に入ったことで、三ヶ月に一度、支援金が入るようになったからな。その支援金を軍備強化に使うつもりだ。ハッ!」
騎士爵と準男爵は金貨10枚、男爵と子爵は金貨20枚、伯爵以上は金貨30枚だ。
グハッ!
ガッ!
「「参りました」」
まぁ、馬鹿な貴族ほど、こういった金のほとんどを自分たちの見栄に使うなどで消費しているようだが、それも悪いことではない。それで経済が回るのであればという注釈はつくが。
「当初の予定では非正規兵を正規兵にして非正規兵を50人募集して計100人にする計画だったけど、まさかの準男爵に陞爵したからな」
さすがに兵動員最大数が300になると悠長に兵数を調整していくわけにもいかなくなった。なので予定を変更して、警邏隊の業務を領の巡回警備と開墾作業、農業の従事までに拡大させ人数を増やす。
正規兵1人当たりのコストは、金貨1枚、非正規兵は銀貨50枚、警邏隊は銀貨25枚だ。警邏隊はあくまでも兵として扱わない。そのため給金は平均よりも低い。
平均よりも低いからといって生活できないという訳ではない。日々贅沢をしなければ問題ない。
人数としては、正規兵を50人、非正規兵を100人、警邏隊から150人の計300人の割合だ。
そして正規兵は毎日の訓練、非正規兵は二日に一日の訓練、警邏隊は三日に一日の訓練の義務付けだ。
もちろん定期的に休みは設けている。ブラック企業ではないからな。
「彗星のごとく突如現れ、一気に準男爵へと陞爵されたコウジュン様の話は、世間の注目が集まっていますからね。
それを聞いた者たちで人口も徐々に増えて税収も上がっていますから兵関連のコストに対して問題はなさそうですね」
「それと、正規兵に関しては下地ができてきているから今後オレが直接鍛えていく。レスターには非正規兵の担当責任者に、カールには警邏隊の担当責任者をしてもらう。
実力や人柄などを加味して、非正規兵を正規兵に上げるべき人間、警邏隊から非正規兵へあげるべき人間も選別するように」
「「わかりました」」
スッ!
「よし。それじゃあ続きといこうか」
カチャッ!
「「はい!」」
「はぁ、はぁ、はぁ」
「ごほっ、はぁ、はぁ」
あれから2時間ほど二人と稽古を続けたが、二人は大量の汗をかいて、訓練場に横たわっている。
「はぁ、はぁ、凄いですね、コウジュン様は」
「我ら二人がかりでも、かすりもしないとは。それに汗もそこまでかいていない。我ら二人だけでは相手にならないですな」
そうなのだ。レスターもカールも決して弱くない。むしろ強い者たちだ。それなのにも関わらず、二人を圧倒してしまっているのだ。
身体のキレも体力も桁外れに上がっている。今回の戦争遊戯中も思っていたが、自分の身体なのに自分の身体じゃないような、力が漲っているんだ。
確かにレベルが上がれば身体能力は上がると言われているが、それはあくまでも微々たるものだったはず。決して、こんなに上がるわけじゃないはずだ。
二人にも聞いてみたが、そこまでの上昇は聞いたことがないということだ。これは一体どういうことなのか・・・。
まぁ理由は不明だが、これが今のオレの力と認識して鍛錬に励むことにしよう。
翌日オレは、正規兵が集まる訓練場へと姿を現した。
正規兵たちは急に来たオレを見て慌てて整列していく。全員が整列したことを確認したオレは全員に聞こえるよう話始める。
「これより、正規兵を担当することになったコウジュンだ!」
ザワザワザワ…
「準男爵様、レスター隊長とカール隊長はどうされたのでしょうか?」
「あの二人にはそれぞれ非正規兵と警邏隊の責任者にそれぞれ任命した」
「それでは私たちの隊長はコウジュン準男爵様ということでしょうか?」
これから自分たちが準男爵直下の部下となることに、ざわめきがあったが、その顔は興奮している顔だ。
「そうだ。既にレスターとカールから聞いているはずだが、今一度いう。私が目指すのは少数精鋭だ。そのためにも正規兵である君たちには今以上の強さを持ってもらう必要がある。覚悟はあるか?」
「「「はい!」」」
「よし!それでは訓練を開始する。あぁそれと一つ」
「「「?」」」
「レスターとカールはオレの副官だが、あの二人は同時に非正規兵の隊、警邏隊の隊長をやってもらうことになった。だから正規兵の副官の席が今空いている状態だ」
「「「!?」」」
「気づいたようだな。これから訓練を通じてお前たちを見定めさせてもらう。一人なのか二人なのかは決めていない。今オレが言えるのは全力でくらいついてこい!ということだ。いいな?」
「「「はい!」」」
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