表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/17

13話:決着

ブックマーク登録してくれたユーザー様ありがとうございます。

本当にありがとうございます!

もちろん登録はしていないけど、読んでるよって方もありがとうございます!

今話もぜひお読みください。

13話:決着



~ダンク国 本陣~



遅い・・・遅すぎる・・・まぁいい。もうそろそろ我が左翼が敵右翼を撃破して敵中央に迫るころだろう。



「おい!そろそろ動くぞ!準備をしろ」



「ハッ!全軍前進の・・・「急報!急報でございます!」



やっと来たか!よし全軍に・・・



「急報!我が左翼、壊滅!壊滅でございます!」



「・・・・・・・・なんだと!?」



壊滅?今この伝令は壊滅と言ったのか?壊滅とは指揮官も討たれたということだぞ。まだ指揮官を残して全滅ならわかる。だがなぜ壊滅になるのだ?



「一体何が起きたらそうなる!?」



「ハッ!敵右翼は、ほぼ同数の1000人を最初に向かわせましたが、壊滅。次の1000も同様に壊滅。しかし、敵も兵を減らしているため、伯爵率いる左翼本軍3000で前進したとのこと」



「そこまでは聞いている!私が聞きたいのはその後だ!」



「ハッ!左翼本軍が敵右翼と接敵した際、敵援軍2000が突如現れたとのことです。それにより混乱。左翼本陣深くまで攻められ、敵騎士爵のコウジュンと名乗る者に左翼大将が敗れたとのことです」



なんだと?たかが騎士爵に敗れたというのか?!・・・いや、待て・・・今知るべきはそこじゃない。敵援軍が2000現れただと。一体どこから・・・まさか!?



「敵中央軍の数をもう一度確認せよ!急げ!」



「・・・ハハッ!」



まさか・・・まさか・・・・






「報告!敵中央軍の数、およそ6000!」



しまった・・・やはりそうか・・・



「なんだと?奴ら中央軍は8000ではなかったのか?!」



「そうだ・・・まさか数え間違いではなかろうな?!」



副官である男たちが狼狽えている。この馬鹿どもが・・・そんなわけなかろう・・・




「辺境伯様!これは一体?」



「敵中央軍から2000の援軍が出ていたのだ」



「しかし、その数の援軍が動けば我らが気づくはずでは?そんな動きはありませんでしたぞ?」




「恐らく奴らは開戦と同時に少しづつ移動していたのだろう」



「確かにそれしかありませんが、それでも我らに気づかれる可能性の方が大きいはずです」



そうだ。副官の言う通りだ。しかし、現に奴らは成功している。全くこちらは気づけなかったのだ。だがなぜ・・・!?



「開戦し我が左翼が敵右翼と接敵した時に、敵左翼も動きを見せた」



「戦略上、重要でない場所まで前進し布陣した件ですな」



「そうだ。あの時、敵左翼が何かするのではないかと思い、そちらに我が中央軍も意識を向けてしまっていた」



「まさか!?あれは中央軍から意識を逸らせるための?」



「そういうことだ!我らはまんまと時間稼ぎをされ、敵の策に嵌まってしまった。そして左翼が壊滅した以上、当初あった数の差は無いに等しい。奴らが攻めてくるぞ!」




「伝令!敵中央軍、こちらへ前進。攻めてきました!」



「グッ、後手に回った。こちらも攻めるぞ!左翼からも敵が来る!挟撃に備えよ!右翼にも伝令!敵左翼を潰し本軍に合流せよ!」



「「「ハハッ!」」」



この状態ではスキルを使っても無駄に終わる・・・か。やってくれるなプロヴァンス!









~プロヴァンス国側、ライセン辺境伯視点~




「報告!敵右翼が前進を開始。左翼の伯爵軍は敵の足止めに全力を注ぐ!とのことです」



流石にわかっているではないかアリオン伯爵は。敵左翼を壊滅し、人数差が減ったといっても、まだ差はある。我が中央軍は6000、右翼は2000の計8000。



それに対して敵中央軍は10000。こちらは挟撃ができるから2000の差でも問題ないが、左翼のアリオン伯爵は3000、敵右翼は侯爵軍5000。



こちらの差も2000ではあるが、こちらはまんま戦力の差だ。まともにぶつかれば敗れてしまう。左翼の目的は敵の足止め。それまでに中央と右翼の軍で敵総大将を倒さなければ。



時間との勝負ということだ!





「攻めよ!我が右翼が敵左翼を壊滅させた!ここで負けたら、それは中央軍の失態だぞ!攻めよ勇猛果敢なる戦士たちよ!スキル《力戦奮闘》」



《力戦奮闘》

配下の部隊全ての士気・武勇が20%上昇する



オオオオオゥ!



ドドドドドッ!








~プロヴァンス国、右翼、コウジュン視点~




敵左翼を壊滅。部隊を集結している最中。



「コウジュン!」



ドッドッドッ・・・ドガラッ



後ろからキースの声が聞こえた。どうやら部隊を引き連れてこちらに来たようだ。



「キース、無事だったか・・・」



「それはこちらのセリフだ・・・まったくお前には驚かせられてばっかりだ」



キースが呆れ顔をしながらも笑うという高等テクニックを見せてくる。



「何人残った?」



オレはキースに残存数を確認する。



「こちらは200人だ。ガイア準男爵の方は150人。そっちは?」



「オレの部隊は20人。騎士爵軍は30人だ。救いは指揮官の騎士爵は3人とも無事というところだ」



950人いた右翼も半分以下の400人に減ってしまった。でもその5倍以上の敵を倒している。



「お前の部隊は最前線だったからな。逆にそれでよく残っているものだよ。それに男爵と伯爵を討ち取ったんだ。これは一気に準男爵になるんじゃないか?」



どうだろ?ちょっと見てみるか・・・



《ステータスオープン》



名前 :コウジュン(高順)


レベル:21(戦争終了後レベルアップ予定)


役職 :騎士爵


タイプ:剣士


所属 :プロヴァンス国


戦果 :男爵1人、伯爵1人




うん、確かに男爵と伯爵は討っている。




「ただ、それは今回の戦で勝たないと意味ないけどな」




ドッドッドッ・・・ドガラッ




「コウジュン騎士爵、キースウェル準男爵!」



「オーリス子爵、援軍ありがとうございました。おかげさまで敵左翼を倒すことができました」



「あぁ、コウジュン騎士爵の策が見事に嵌まったな。おっと、それよりも中央軍が動き出した。こちらも動くぞ!準備はどうだ?」



「ハッ!準男爵軍総勢350はすぐに動けます!」



「騎士爵軍50はまだ時間がかかります。無理をしすぎたせいで疲れがあり動きに精彩さが欠けます」



「わかった。準男爵軍は子爵軍に合流。共に敵中央軍へ突撃する。騎士爵軍は後方遊撃隊として一時待機」



「「ハッ!」」



「コウジュン騎士爵、良くやってくれた!あとはこちらに任せてくれ!」



そう言って、子爵軍と準男爵軍は敵中央軍を挟撃しに動いた。






さて、オレは騎士爵の部隊を纏めにいきますか。



「「「コウジュン殿!」」」



ポンテ騎士爵、ランド騎士爵、ウィル騎士爵の3人が揃っていた。



「騎士爵軍は後方遊撃隊として一時待機となりました。今のうちにケガの手当てと休憩を」



手当てと言っても、この遊戯が終わった段階でケガはなくなるけど。



「コウジュン殿の獅子奮迅の働き、誠に見事でした。それに配下の者たちも良い動きをされていた。逆に我が隊の者たちが足を引っ張った形になってしまい申し訳ない」



「それは私の隊も同様です」



「私もだ。どのようにしてあの兵たちはあそこまで強くなられたのでしょうか?」



3人の騎士爵が理由を知りたいと詰め寄ってきた。さすがに今は戦争中だから詳細は終わった後にということにしたが、簡単に説明した。



まだ正規兵は無理だが、非正規の兵なら行けるという判断で領に帰ったら、すぐにでも予算編成して対応したいと3人とも言っていた。



こういった動きを国全体がしていけば、弱小国でもまだまだ強くなれるかもしれないな。そうなるためにも、まずはうちの領でしっかりと土台を作らないとな。






隊もある程度落ち着いてきたので、中央軍と左翼が見える位置にまで移動し、戦況を見る。



中央軍と右翼がきちんと挟撃しながら敵中央軍を圧倒していっている。2000の差など感じさせない動きだ。



それと敵左翼と相対している時にも感じたが、敵は数は確かにうちよりも多いが、一人一人の練度は高くない。むしろ低すぎるといっても過言ではない。



それに対して、うちの中央軍はきちんと練兵ができている。同じ辺境伯なのにこんなにも違うものなんだな。



中央軍はこのままいけば問題なさそうだ。ここで下手にオレたちが動くべきではないな。



そして左翼は・・・と。



押されているな・・・これはまずい・・・か。いくら中央軍が有利に進めているといっても、左翼が抜かれれば形勢は一気に逆転される。



こっちはダイレクトに2000の差が出てるってことだろう。だが、今から向かって間に合うか?こっちには馬はいない・・・・




その時、周囲を見回すと、敵軍が乗っていた馬たちが残っていた。



そうか・・・あくまでも退場者は本人たちのみ。装備品や馬はそのままだ・・・・なら。




兵たちに人数分の馬を確保するよう命令した。兵たちはすぐに動き、騎士爵軍50人分の馬の準備ができた。



「この戦の勝利を確実にするために、オレたちはこのまま中央軍を抜け、味方左翼の援軍へ向かう。徒歩なら間に合わないが、ここから騎乗すればギリギリ間に合う!行くぞ!」



「「「オウッ!」」」



たった50人ぽっちだが、いるのといないのでは大きく違う。特にあの戦いを生き抜いたこの50人は強い部類だ。










~味方左翼視点~



「死守だー!なんとしてもここを守り通せ!一人たりとも抜かさせるな!」



「アリオン伯爵!敵軍、再度突撃してきます!」



「怯むな!跳ね返せ!中央に行かせるな!スキル《堅牢堅固》」



《堅牢堅固》

自陣の防御力が20%上昇する。




オオオオッ!






「伯爵!一部の壁が抜かれます!」



「まずい!至急100人を増援に向かわせろ!」



「ダメです。既に予備隊がおりません!」



「クッ、ここで抜かれてしまっては・・・」



「突破されます・・・」




~敵右翼~


「よし!突破したぞ!続けー!中央軍の横っ腹を叩き潰すんだ!」



「隊長!前方より50人ほどの騎馬隊が向かってきてます!」



「たかだか50人で何が出来る!突っ込んで蹴散らせ!」



ドガンッ!



しかし蹴散らされたのはこちらだった・・・



「なっ!?なんだこいつらは!?」



いくらこちらの突破した人数が少ないとはいえ、それでも100人はいたぞ。それを半分の人数で潰されるだと。





~プロヴァンス国、左翼視点~



「伯爵!50騎ほどが援軍にきて抜けた敵を迎撃してくれた模様です!」



「どこの部隊だ!?」



助かった。これで負けたら顔向けでき無くなるところだった。



「あれは・・・・右翼の騎士爵軍です。先頭は・・・前回の戦で騎士爵になったばかりの・・・」



「コウジュン騎士爵か!?・・・まったく・・・大した奴だ・・・」




右翼から来たということは中央は問題ないということか。



「右翼から援軍がきた!このまま防ぎきれば我らの勝利だ!全員奮起せよ!」



「オオオオオオゥ!」





それから2時間ほどが経った頃・・・待ちに待った歓声が中央から聞こえてきた。



プロヴァンス軍の勝利だ。

本話を最後まで読んでいただきありがとうございます。


「面白い」「次話も楽しみ」など思っていただけたら、とても励みになるので、


【評価】&【ブックマーク】登録をよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ