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05 お弁当

先ほどランキングを確認したら、日間ランキングにこの作品が載っていました!ブックマーク・感想・評価などしていただいた方々本当にありがとうございます。これからも精一杯頑張っていきますのでよろしくお願いいたします。

俺が一つの結論に達した翌日の朝、目を覚ました俺は朝食を食べるために一階へ降りていた。

一段一段階段を降りていくにつれて大きくなっていくはなし声、どうやら今日も朝から典史が家にきているらしい。いつもなら朝からあいつがいるだけでリビングに入っるのがおっくうになるが今日は違う。なぜなら昨日俺は伊佐敷が典史のことを好きだという衝撃の事実に気づいてしまったからである。そしてその事実を受け伊佐敷の恋を成就させるために誠に勝手だが陰ながら二人のことをサポートすることを決めたからである。なのでこの好機をの逃すわけにはいかないと考え典史が伊佐敷のことをどう思っているのか探りを入れることにした。

「おお恍、やっと降りてきたか。おはよう」

「典史おはよう。少し聞きたいことがあるんだがいいか?」

「どうした、そんな改まって。で、聞きたいことってなんだよ」

「ああ。いきなりでわるいんだけどよ、お前伊佐敷のことどう思ってる?」

「はぁ?本当にいきなりだな・・・。うーん。どう思ってるかっていわれてもなぁ・・・。まあ外見は抜群にいいし性格もいいから彼氏になれる奴は幸せもんだなとは思うかな」

「おお!そうかそうか!てことは伊佐敷と付き合えたらうれしいんだな?」

「まあそういうことになるかな。てか伊佐敷と付き合えてうれしくなく思うやつなんているのかよ」

「まあ確かに、そういわれればそうだな。まあいいや参考になったよありがとな」

「おお。なんの参考かわからんが・・・。それならよかったよ」

「わるいないきなり変なこと聞いて。大したことじゃないんだ気にしないでくれ」(喜べ伊佐敷!典史はお前の恋は思った以上に簡単に成就しそうだぞ!)


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そんな会話をしていた朝から数時間たった現在。今は昼休みである。伊佐敷は昼休みが始まるやいなや慌ただしく教室を出ていった。しばらく伊佐敷からの連絡を待っていたが来そうになかったので、俺の方から連絡しようとスマホを取り出そうとしたら、ポケットに入れていたスマホが振動した。どうやら伊佐敷から連絡がきたようだ。

[井上君!教室でお弁当渡すの恥ずかしいからテニスコート近くのベンチに来てくれない?]

俺は伊佐敷からのメッセージに[了解]と返信し教室を出て行った。

出ていくときに典史が、どこにいくのかと聞いてきたが横にいた遠藤が素早く典史を羽交い絞めにし俺に向かって頷いてきたので俺も頷き返し典史には深く追及されず教室を出ることができた。昨日今日の遠藤の動きを見るにどうやら遠藤は伊佐敷の恋愛事情を知っていて伊佐敷のことを手助けしているようだ。



遠藤が伊佐敷の恋愛をサポートしていることに気が付いた俺は遠藤と協力して伊佐敷の恋をサポートしようという結論に至り、どうやって遠藤と連絡先を交換するか考えていた。しばらくすると指定されていたテニスコートのベンチが見えて来た。目を凝らすと伊佐敷らしき人物がこちらに手を振ってきたので後ろを確認して俺に対し手を振っていることを確認したあと手を振り返した。会話ができる程度の距離に近づくと伊佐敷が話しかけてきた。

「ごめんね、こんなとこに呼び出しちゃって」

「いや別に大丈夫だぞ。伊佐敷の気持ちはわかるからな」

「そっか・・・。ありがと」俺の言葉を聞き嬉しそうな表情をした。そして、

「じゃあ、時間もないし。お弁当です。はい!どうぞ!」そう言って水色のスプライト柄の風呂敷に包まれたお弁当を差し出してきた。初めて女の子から弁当を受け取った俺は軽く感激しつつ包みを開き弁当を開けた。開けた瞬間に目に飛び込んできたのは卵焼きやウインナーなどの王道の具からミニハンバーグや筑前煮などの手の込んだ教理など普段料理していなければ作れないクオリティーのお弁当だった。とりあえず驚いている暇はないと思い俺は手近にあったミニハンバーグを食べてみることにした。半分に切り分け口に運ぶ、食べてみた正直な感想はめちゃくちゃ美味かった!この一言に尽きる。その後も食べる料理食べる料理全てに感動しながら一瞬で平らげた。食べ終わると

「すげーうまかったよ!」と思わず柄にもない大声で伊佐敷に言った。伊佐敷は

「どれが一番おいしかった?」と嬉しそうに尋ねてきた。

「うーんそうだな。どれも甲乙つけがたいがやっぱりミニハンバーグかな!冷えてても肉汁が噛む度あふれ出てきて絶品だった!」

「そっかそっか!よかったー。それはね今朝早起きして自分でこねてつくったからそういってもらえるとすごくうれしいよ!作ったかいがあったよ!」

「そうなのか・・・。すごいな、尊敬するよ」

「えへへ、ありがと」

「それにこの味付けだったら典史も喜んで食べると思うぞ」

「えっ?なんで関口君が喜ぶの?」

「なんでって」"そりゃあ俺が味見役だからだろ"と答えようとした瞬間[キーンコーンカーンコーン]と午後の授業開始の予鈴が鳴り響き俺の声はかき消された。


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その日の夜、俺が自分の部屋で課題をしていると横に置いてあったスマホが振るえた。何の通知が来たのか確認してみると、伊佐敷からメッセージが届いていた。

[今日は、私のわがままに付き合ってくれてありがとう。お弁当あんなにおいしいおいしいって言ってもらえてすごく嬉しかった!]

[それでなんだけど・・・もし井上君がよかったらでいいんだけど、これからもお弁当つくってきてもいいかな?]

予想外すぎるメッセージに俺は自分の目を疑った。しかし、何度見てもメッセージは変わらなかったので返事くらいはせねばと思い返信した。

[こちらこそあんなおいしいお弁当をありがとう。何度も言うけどお弁当は本当においしかったです]

[俺でよければぜひお願いします。けど、一方的にもらってばっかりだと申し訳ないのでお返しって形でなにかほしいものがあったら言ってください。]

するとすぐに返信がかえってきて、

[じゃあこれからもお弁当つくらせてもらうね!それとお返しの件なんだけど、二駅先にあるアウトレットモールに一緒にお出かけしたいんだけど・・・だめかな?]

完全に予想外の返信に俺は椅子から転げ落ちた。しかしその衝撃によってか冷静になりじっくりそのメッセージにこめられた意味を考えることができた。そして・・・(なんで伊佐敷が俺にデートまがいのことを頼んできたのかわかった!それは・・・俺に典史とのデートの予行練習の相手役をしてもらいたいからだ!)と突拍子もない勘違いをした。


その後デートの予定は俺がメッセージで行けると返信したことでとんとん拍子にすすみ今週の日曜日に行くこととなった。

最後まで読んでいただきありがとうございます。次話は、明日か明後日には投稿できると思われます。

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