21部
「よかったんですか?」
竹中に追いついた今川が聞く。竹中は携帯でメールを打ちながら、
「今のところ、あの焼死体については、なんにも情報がない感じや。
あいつらを利用して、何かが動くのを待つのも悪くないかと思ってな。」
「犯人が身元が判明したことで、行動を起こすということですか?」
大谷が聞くと、竹中は肩をすくめて、
「どうやろうな。
動くのが犯人だけとも限らへんからな。
佐和田を狙ってた奴とか佐和田を助けようとしてた奴とか、例えば上層部に対して佐和田のことを聞いてきた奴とかいたら、そいつが手掛かりになると思わんか?」
「政治家専門のブラックジャーナリストなら、政治家が圧力をかけてくる、そこから佐和田の情報をつかもうってことですか?」
今川が確認すると、竹中はニヤリと笑って
「うまくいくとええなぁ~」
「でもあの編集長が記事にしますか?」
大谷が聞き、今川が
「自分達でつかんだ久しぶりのネタなんだから記事にしたいんじゃないかな。」
「そうやで、あの雑誌は今、いや、あの編集長は今佐和田の記事を載せたことを隠すためにも、目をそらさせるための大きなネタを欲しがっとった。
確実に記事にしてくれるやろ。」
「でも、いいんですか、山本さんとか黒田さんに確認取らなくて?」
今川が聞き、竹中は携帯を指さして
「今、報告したから大丈夫やろ。」
今川と大谷は顔を見合わせ、お互いに考えていることは同じそうだった。大谷が
「大丈夫ではないはずですよね?」
「まあ、山本さんは竹中さん中心で捜査しろって言ってたから大丈夫なのかもしれないけど、黒田さんがどうかだよね。」
「まあ、なるようになるやろ。それより、印刷会社行くで。
犯人が差し替えた記事がどうやって送られてきたんかがわかれば、住所とか郵便局の防犯カメラとかから犯人特定できるかもしれんしな。」
「わかりました。
今川と大谷は返事をした。竹中は意気揚々と歩きながら、
「さあ、どんな大物が釣れるやろな。」
と呟き、ニヤリと笑った。




