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真田丸を作ろう

作者: さきら天悟
掲載日:2016/12/11

「何か面白い企画はないのか」

CEOはため息交じりに呟いた。

怒鳴りたいが、パワハラと言われかねない時代である。


会議が始まってから2時間が経ち、

各部署からのプレゼンは出尽くされた。

円卓に座る各部の責任者は神妙の顔をし、

その後ろに立つ、部下らは伏し目がちだった。

でも、風通しの会社だった。

企画をすべての社員から募った。

その企画が採用されれば、プロジェクトリーダーになれるのだ。

そのせいか、出遅れた感のあるSNS開発会社だが、急成長している。

人員は急激に増え、会議室も手狭だった。


スーツを着ていない青年が手を上げた。声を上げた。

「派遣社員でもいいですか」

彼はプレゼンの補助でこの場にいた。


CEOが頷く。


「ブームに乗らない手はないです」

青年は言った。


「ブーム?」

CEOは渋い顔をした。

嫌な顔をしたのを反省するように一度首を振り、

「言ってみろ」と続けさせた。


「真田丸を作りましょう」

青年の透き通る声で言った。


周りは失笑した。


CEOは咳払いをした。

「どこにだ?」


「やっぱり、お台場でしょう」


「どうしてだ?」


「戦と言えば、お台場でしょう」

お台場とは、江戸末期、黒船を打ち払う砲台が配備された台場が由来である。


「続けろ」とCEOが言うと、青年は企画を説明した。


青年の説明が終わった。




「面白い。採用だ」

CEOはピンと来るものがあった。






半年が経った。

お台場に真田丸が完成したのだった。

メディアで話題になった。

CEOはテレビの取材で答えた。

「企業はライバル会社と常に戦をしているようなものです。

ですから、その戦の最前線となるお台場に出城の真田丸を作りました。

本丸(本社)は八王子ですから、ししゃ、いや出城が欲しかったのです」


そう、青年の提案は支社をお台場に作るというモノだった。

支社というとつまらないので、ブームにあやかり真田丸と言ったのだ。

でも、本質的な機能は同じだ。

ライバルに勝つための最前線基地。

背中は海に守られ、半円形の・・・

そこまでできないので半円形に木を植えたのだった。


正社員らはバカにした。

名前を変えただけのしょうもない企画だと。

しかし、CEOは違った。

面白いヤツだと思った。

ドローンで撮影された半円形の真田丸(支社)の映像は各テレビ局で流れた。

その宣伝費は数億円にあたるのだ。

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