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プロローグ

梅雨も明け、朝ですら夏の暑さを感じるようになってきたある休日の冬夜の一言から始まった


「おーい、夏樹〜せっかくの休日なんだし春菜連れてってどっか遊びにいかねーか?」

「いいですね〜、どこに行きますか?」

「え、パパどこかに連れてってくれるの〜?」

「どこでもいいぞー、パパに任せろどこにでも連れてってやるぞ!」

「ならねー春菜ねー公園に行きたいな!あの大きな滑り台がある公園に行きたい!」

「そんなところでいいのか?もっと遠くでもいいんだぞ?」

「んー大丈夫!春菜公園でいい!」

「そうか、なら公園に行ってパパと遊ぶか!」

「遊ぶ!!滑り台してー、ボールしてーあと追いかけごっこもするー!」

「では、私はお昼のご飯を作るので冬夜さんは春菜と一緒に準備をしててくださいな、1時間ほどで私も準備を終わらせますので」

「了解了解、よし、春菜服を着替えるぞー!」

「あーパパ待ってよ〜」

そして、三人が慌ただしく準備を終わらせ

「夏樹どうする?車使う程の距離でもないし歩いて行くか?」

「そうですね〜?春菜、歩いて行きたい?それとも車で行きたい?」

「春菜、歩いて行きたい!!」

「よし、なら歩いて行くか!」

「出発「「「しんこー」」」

元気な掛け声と共に三人は家を出た。

住宅街を進み交差点を左に抜け大通りに出てしばらく道なりに進んでから信号を渡ったら、"冬桜自然園"に到着である。すると交差点を曲がったところで春菜がぶーぶー言い出した。

「ねーねー、まだ着かないの〜?」

「もう少しだから頑張りなさい」

「えーママー抱っこして〜」

「おーい、春菜抱っこならパパがしてあげるぞー」

と、冬夜が言うとさっきまでの笑顔はどこに行ったのかスっと笑顔が消え

「え、パパは嫌。」

「おいおい、さっきまでの笑顔はどこにやったんだよ...」

「ねーママ抱っこー」

「仕方ないですね〜」

夏樹に抱っこされたのがそんなにも嬉しかったのか、春菜は満面の笑みで夏樹の腕の中で笑っている。

真顔で愛娘に断られた冬夜は半泣きでとても羨ましそうに夏樹のことをガン見していた。

そんなこともありながら、三人仲良く歩いていると春菜が、公園前の信号近くにあるビルの入り口前の日陰でくつろいでいる猫を見つけ夏樹の腕の中から飛び出し猫のもとへ走っていく。

「ママ、ねこちゃんがいるよ~春菜みてくるねー」

「あ、そんな走っていったら猫が逃げますよ」

夏樹の注意も聞かずに走っていった春菜にびっくりした猫は案の定逃げていく

「あ、まって、ねこちゃん」

逃げだした猫を追いかけて春菜も走り出す、走り出した先は信号が赤に変わった道路だ

とっさに春菜の方へ駆け寄り夏樹が手をつかむ、その瞬間目の前を乗用車が通り過ぎていく。

「大丈夫?はる「キキィィィィィィィィ」

飛び出していった猫を避けるようにハンドルをきったタンクローリーが夏樹と春菜がいるところに突っ込んで来る。とっさのことに動けなくなっていた冬夜の腕の中に春菜が飛び込んで来る。冬夜が顔を上げると、

「...は?」

タンクローリーが夏樹を巻き込み目の前を通り過ぎ、そのままけたたまし音をあげビルに突っ込んだ。

それなりの朝早い時間からの外出だったため、人通りは少なく近くで散歩をしていた人たちは特に巻き込まれることもなく突然聞こえた轟音「何事かと」集まってきている。

「おい、夏樹、聞こえてるなら返事をしてくれ!」

大声で叫んでみるが返事は聞こえてこない。

「ねぇ、パパ、ママはだいじょうぶなの?」

「どうだろな、でもママなら大丈夫だよすぐに戻ってくるよ。でも、救急車呼ばないとな」

冬夜は精一杯顔に笑顔を貼り付け、春菜に心配をかけないようにする。

それから数分後には救急車が到着し、そのすぐ後に警察がやってきた。その場を慌ただしく整備し立ち入り監視区域にしている。一通り作業が終わったのか一人の警察官がやってきた。

「大丈夫でしたか?」

「...はい。私と娘は大丈夫なのですが嫁が巻き込まれてしまったのですが嫁は無事なんですか!?」

最初の方は弱かった口調も最後には強く荒い口調になってしまっていてさらに警察官の肩を力いっぱい握ってしまっていた。

「あ...すみません...」

「いえ、気にしないでください」

確認をするために妻の近くによって見てみると、それはもう、無残な形になっておりとても春菜に見せられるものではなかった。足は本来曲がることのない方向を向いていたりと見るに堪えない姿になっていた。

しかし顔は安心した顔をしていて、自分の代わりに生きてくれた春菜に向けたもののようだった。

「おい、夏樹、返事をしてくれよ...おいってば、なんで黙ってんだよ」

俺にこの日の記憶はここまでしか残っていない。後から聞いた話ではその場で倒れたあと三日間のあいだ寝ていたらしい。その間に葬式の準備が進められており、再度実感した。

-妻、夏樹が死んだのだと-

はじめての小説投稿です。お見苦しところがあると思いますが、生暖かい目で見守ってください。

誤字などは、指摘してもらえると嬉しいです!!

11月14日誤字訂正

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