第三話 仲間、、、?
「ただいまー」
五時を少し回ったころ、リビングに甲高い声が響いた。
「おーおかえり、早かったな。」
読んでいた雑誌から目を離さずにナナミが迎える。
「新入りさんが来るって言ってたから、早めに片付けて来たのよ」
リビングには行ってきたのは、すらっとした身長の高い、俗に言う美人と呼ばれるであろう人だった。
おまけに髪が長い。邪魔じゃないか心配になるほど長く、腰よりちょっと下位まで伸びている。
「あーら、あなたが新入りさん?ようこそ、始めまして。」
「あ、お、こ、こちらこそ、、、」
「この人はナギサ、すっごい頭良くって今は塾の講師のバイトをしているのよ、」
丁寧にタカネガ紹介してくれる。にしても講師のバイトって、そんな簡単に帰らしてくれるもんなのか?
「そんな自慢しないでよー、そんなに頭いいわけじゃないし。」
「えー、だってこの前の模試だって、現代文と古典と数学と世界史と化学と物理と英語は満点だったじゃない。」
「あんなテスト、前もって答え配られてるようなもんじゃない。それに倫理96点だったし。」
「ほとんど満点だから良いじゃん、私なんて全教科平均50だったんだよ?」
「タカネ、それはお前が勉強してないだけだろ。」
団長ことナナミが雑誌を読みながら冷静に突っ込む。なにをそんなに読んでるのかと思ったら意外にもスイーツ食べ放題のお店100選みたいなやつ。
見た目とは裏腹に趣味は可愛いらしい。
そのとなりでは、先ほど叩き起こされた鉄拳制裁Tシャツのユウイチが、、、寝てる。
つい先ほどの断末魔の叫びが嘘のようだ。
鉄拳制裁を食らった後、どうにか聞き取れる位の声で自己紹介してもらったわけなんだか、その後すぐにソファで寝てしまった。
「まあいいんじゃない、昨日も遅くまで情報集めてたみたいだし、ちょっとは寝かせてあげれば?」
「情報ってな……」
「にしても一日中寝てるってのもどうかと思うが。」
完全に団長に阻まれた。そういやここに来た理由も聞かされてない。
「今ナギサが言ってた情報って何?そう言えばここに来た目的とかもまだ聞いてなかったんだけど。」
ようやく言えた。
「あー、わるい、まだ話してなかったな。まああと二人、仲間がいるから、そいつらが帰ってきたら改めて話をするよ。」
団長の目が三割増しに目が怖くなった。最初に病院で会ったときの方がまだマシだ。
そんなにヤバい話なのかと思ったら。
「にしてもあいつら、どこで何していやがる。」
単に帰りの遅い仲間を心配してるだけだった。