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迷い込む

 30分位経っただろうか。俺は走るのを止め辺りを見渡した。



「……ここどこだ」


 適当に走っていたら、変なところに来てしまっていた。



 俺の倍(173cm)以上はあるだろう木が辺り一面を覆っており、昼間と言うのに薄暗い。さらに、木以外に生えている植物が、食虫植物を大きくした様な物ばかりであり、薄暗さと重なって不気味さを醸し出している。



 しかも、気のせいだとは思いたいが、マス○ッパの様な口をした食虫植物の口内に血の様な物が見えてる気が……。



「うぅ……早く抜けよう」



 そんな早く抜けれるか解らないが。と、自分にツッコみつつ、ここからは歩いて進む。



 フシュー、フシューと、明らか毒のような物をまき散らしている、赤と紫の巨大ツブツブキノコを避けながら先に進む。



「……」



 しばらく歩いていると、何か視界の端に見えた。



「あれは……とりあえずいってみよう」


 視界の端に見えた白い何かに進行を変更する。



 気持ち悪い植物達を押しのけ、白い何かに向かう。



 白い何かまでの距離は近かった。



「あれは……学校?」



 目に入ってきたのはよくある小学校だった。凸の形をしており、中心には大きな時計。時刻は4時30分で止まっている。



「しっかしこれまた不気味な事で……」


 以前は白かったのだろう。今は黒い染みが出来ていたり、ツタみたいな植物が校舎に巻き付いていたり、赤い染みや何か解らないが柔らかそうな赤黒い物がこびりついていたりと、白さは見えない。


「……どっかでみたような!?」



 ドォォォォンッ!!



 突如、背後から爆音が響く。



 音がした方向を向くと、『何か』が、木々をなぎ倒しながら此方に向かってくる。



「なんか……やばい気が……」



 そんな事をしている内に、音はどんどん大きくなる。



「どっか隠れ……こん中逃げよう」



 俺は小学校らしき所に入った。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 運良く閉まっていなかった小学校の玄関のドアを開け、中に入る。



 まず、感じたのは臭いだった。



「……うぇ……」



 中には異臭が立ちこめていた。



 なんというか……尿とか、血とか、食べ物みたいのが腐った臭いが混ざったような……。



 そして、辺りを見回す。



 玄関だから、沢山の靴を入れるロッカーがあり、全てが閉まっている。少し先に進み、ロッカーから出る。



 廊下は木で出来ており、少し腐って居るのがこの学校にしばらく誰も入って居ないことが分かる。


 そして、目の前には大きな鏡があり、自分の姿を写している。



 ん?一瞬だけ、鏡の俺が笑ったような……。



 その時、ドンッ!!と、また木が倒れる音がする。



「……何がなんでそうしてるか分かんないけど、今は出ない方がいいかな……」


 とりあえず先に進んでみよう……そう思い、学校の奥深くに入っていった。







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