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初めての村

 さて。



 やけに俺にくっついていたカグツチを引っ剥がしながら、立ち上がる。



 固まった身体を軽くほぐしながら、ちょっと考えてみる。


 ……こうも歴史が違うものなのか?



 恐竜の色がピンクやら、模様が水玉やら色々あるのはまぁ、いいだろう。実際、未来でも解らないんだからな。しかし、人が居るというのはどうだろうか。まだ、聞いた話だから分からないが、一応『神』が言っているんだし?間違いはないだろう。だから、こうも違うのは何だろうな。


 うんうん悩みながら適当にストレッチをしていると、カグツチが起きてきた。


「お、起きたか。じゃあ、早速行こうか」



 そういって、カグツチは洞窟から出て行く。



「ちょ!待てよ!」


 俺もカグツチを追いかけていった。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 カグツチの後ろを歩く。おっさんに見えるカグツチだが、筋肉隆々というやつで、しかも背も俺よりはるかに高いため俺の歩くスピードは早足になる。



 そして、事がおきたのは、俺とカグツチの話すネタが無くなってきた時の事だった。



 ドッカァァァァァァァァァンッ!!



 突然の爆音に、身体を強張らせる俺達。



 カグツチが真剣な眼差しで言った。



「ここの人間達にはこんな音出せないはず……まさか彼奴が……いや、まさかな。……おい柚木!お前はここで待ってろ!何があるかわからないからな!!」



 カグ%


 うんうん悩みながら適当にストレッチをしていると、カグツチが起きてきた。


「お、起きたか。じゃあ、早速行こうか」



 そういって、カグツチは洞窟から出て行く。



「ちょ!待てよ!」


 俺もカグツチを追いかけていった。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 カグツチの後ろを歩く。おっさんに見えるカグツチだが、筋肉隆々というやつで、しかも背も俺よりはるかに高いため俺の歩くスピードは早足になる。



 そして、事がおきたのは、俺とカグツチの話すネタが無くなってきた時の事だった。



 ドッカァァァァァァァァァンッ!!



 突然の爆音に、身体を強張らせる俺達。



 カグツチが真剣な眼差しで言った。



「ここの人間達にはこんな音出せないはず……まさか彼奴が……いや、まさかな。……おい柚木!お前はここで待ってろ!何があるかわからないからな!!」



 カグツチの顔が焦ったように見えるのは気のせいだろうか。



 ……よし。



「俺も行くよ。多少なら、戦いとかの経験あるし、死にはしないさ」



「それでも……いや、この際はいい。じゃあ、ついてこい!!」



 俺は走り出したカグツチのおっさんについて行った。






 暫く走っていた。すると、突然。



「キャァァァァァァァァァァ!?」



「アァァアアァァァァァァァ!?火が!!黒い火が!!」



「嫌だ!!嫌だ嫌だ嫌だ!!死にたくなァァァァァァァァァ!?」


 人の悲鳴が聞こえてきた。



 その声を聞いた途端、カグツチの顔が更にキツくなった。


「黒い火……畜生!!何でアンリ・マンユが居るんだ!!」



 アンリ・マンユ。最も最悪な神と言われてる奴だっけか?たしか、配下にアジ・ダハーカ?が居るんだっけ?よくわからないな。



「畜生!!早くしないと!!」



 カグツチの足が更に早くなる。



 俺もやっとの事でついて行く。すると、カグツチが悔しそうな顔をして止まった。



「……遅かったか」


「おい!まて……ッ!?」



 目の前には、地獄に行ったらこんな光景なんだろう光景が広がっていた。



 正に、地獄絵図。黒い火がメラメラと、人々、動物、建物を飲み込んでいき、その火は緩まる様子も無い。



 そのせいで、辺りには肉の焦げたにおいが濃く漂っている。



「う…………あ……」



 尋常じゃない光景に吐き気がこみ上げてくる。



 と、一人の男性がこちらに走ってくる。


 何かを叫んでいるのだが、言葉になく、殆ど解らない。



「え……?」



 しかし、一つだけ。「逃げろ」。その言葉だけ聞こえた。


 そして、男性が俺達がいる所まであと五メートルといった所で。










 頭が胴体から離された。



「……ッ!?」



 普通人間ならば、頭を落とされたのなら普通血が溢れ出る。



 しかし、その男から出たのは血では無かった。



「ガァァァァァァァァァァァッ!!」



 男の首から「何か」の生物が出てくる。その姿は、何と行ったらいいか解らない。



 姿は、全身どす黒みが掛かった筋肉で覆われておりその筋肉が各々動いている。そして、頭と思われる所には充血した目玉が3つ。



 明らかにこの世の生物でない「化け物」が現れた。



「う……お……がっ……」


 「化け物」の姿を直視し俺は気分が悪くなり、吐いた。



「うっ……げほっげほっ!!」



「柚木、少し目をつぶっていろ」



 カグツチが吐き続けている俺の背中をさすりながら言った。



 吐き続けている俺は返事ができないので、必死に頷く。



「よし…………ふん!」



 バンッ!!という音の後に一瞬だけ。辺りの温度が上昇したような気がした。



 吐き気も収まり、恐る恐る目を開ける。



「な……!?」



 辺りには何も無かった。いや、辺りと言うより、地獄絵図の光景だった場所が丸ごと無くなっていた。



 何があったんだ……と、カグツチをみると、俺の背中をさすっていない左手を地獄絵図の場所に向けていた。手からは、小さな火が出ている。



「げほっ……か、カグツチ。お前がやったのか?」



 カグツチは、何もない一点を見つめながら、無言で頷く。


「おい!なんかしゃべ――」



「アハハハハ!!やっぱ面白いなぁ!!……生き物ぶっ壊すのはよぉ!!」



 突然として、そんな声が。狂気のこもった声が響きわたった。









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