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恐竜時代

 恐竜に追われ、走りつづけている俺、高柳柚木。



 しかし回り込まれてしまった!



「くそぅ……」



 気がついたら後ろは大きな石の崖。後先考えずに逃げたらこうなった。



「グギャォォォォォォォォォ!!」



 勝ち誇ったように恐竜は――ピンク色のティラノザウルスはほうこうを上げた。



 ……もう終わりかよ……過去っぽいとこ来て30分。もう死ぬのか……?



 ティラノが大きな口を開け俺を飲み込む――そう思った時だった。










「クゥゥゥ……」



 べロンッ!!



 と。俺を舐めた。


「……は?」



 俺は、訳が分からず漠然とする。



 恐竜が……俺を舐めた?



「ヘッヘッヘッ!」


 一方のティラノは、尻尾をブンブン振りながら俺を見ている。



 すると、有り得ない考えが頭をよぎった。



 ……有り得ないし、ありえてほしくないが。



 そこで、俺は恐竜に向け手を恐る恐る伸ばしてみる。



 するとなんと!恐竜は、ティラノは自分から俺の手にすり寄って来るではないか!



「う、う、嘘だろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」



 俺の叫びで始祖鳥達が飛び立った。



-----------



 有り得ない事が現実になり、有り得る事になった時から約20分。俺の目の前は凄いことになっていた。


 ……なんと、目の前が恐竜パラダイスになっていた。



 種類は……ティラノサウルス、ブラキオザウルス、トリケラトプス、ステゴ(?)ザウルス。パラサウロロプス……あとは、よく解らない奴とラプトル?とか言う奴とコンピー?とか言う奴だ。



 ……ちゃんと勉強しとくべきだったな……よくわからん。


 それで、話を戻すとどうゆうことか解らないが恐竜達が俺にすり寄って来ると言う話だ。



 種類関係なくすり寄って来るのを見ると、俺になんかあるのだろうか?



 そんでもって、ここは恐竜のいる、ジュラ紀とか、なんとかでいいのか?そうだったら、あの馬鹿幼女呪うがな。


『馬鹿幼女って何よ!!』



「どわぁ!?」



 いきなり声が聞こえて、変な声を上げて尻餅をついてしまう。すると、恐竜達は、びっくりして何処かへ行ってしまった。……案外、臆病なのか?



『ちょっと!!話聞いてる?』



「聞いてない」



『そんなズバッと言わなくてもいいじゃない!?』



「だって本当にだし」



『あっそ!!もう良いわ!!プンッ!!』



 よくわからないやり取りをしたらそっぽを向いたような幼女。姿が見えないからなんとも違うかもしれないが。



「ていうか、俺に話しかけたならなんか用があったんじゃないのか?」


『そうよそうよ!!全く!!あんたが話を反らすから!!』



 反らすと言うよりも最初から話なんかしてない……と、言うのをめんどくさくなったので言うのを止め、素直に「へいへい。すいませんでしたー」と謝っといた。テキトーに。



『わかればいいのよ!!』



 と、胸を反らせ威張っている姿が容易に想像できる口調で言ってきた。



『じゃ、本題ね!!言わなくても解ると思うけど、ここは恐竜達のいる時代よ。過去に転生させたらそこになったわ。それで、あなたには「どんな生物からでも愛される能力」与えておいたわ!!それと……あなたには過去の監視役をやってもらうから不老の力を与えておいたわ……以上ね。じゃあよろしくお願いね!!』



 最後にブツッ!という何かが切れる音が鳴り幼女の声が消えた。



「……はぁ」



 恐竜達の声しか聞こえなくなった密林で、一人ため息を付く。



 ……しかし、面倒事を押し付けられちゃったなぁ。過去の監視役だっけか?



「……まぁ、不老だって言うし。楽しんでいくか」



 そう呟き、適当に歩いて行った。



-----------



 ここは、神殿。読んで如く、神のすむ場所。何時もは静かに鳥の囁く音が聞こえる所だったが、今日は違った。



「この馬鹿!!馬鹿!!馬鹿!!」



 神殿の中央部。白く飾られた名称『神の間』で、一人の幼女が正座をしていた。



「だからさっきから誤って……」



「謝れば良いって言う問題じゃない!!」


「すいません……」


 正座をしている幼女……天照を怒っていたのは、かの有名な伊邪那岐だった。


 伊邪那岐は……まぁ、言うならイケメンと言う奴だ。しかし、整った顔のなかで目だけは異様な雰囲気があったが。



 天照は……何時も道理の格好で、伊邪那岐は、現代の地球から取ってきたのか、黒パーカーに、黒ジーパンだった。



「かってに人を導いちゃダメと言っただろうが!!なんでだ!!」



 伊邪那岐が怒る。とにかく大声量で。


「う……ひ、暇だったから……」



「暇でそんな事したのか!!まだ、ロクに転生させることも出来ないのに!!ただから高柳柚木は過去の『異世界』に行ったんだぞ!!」



「はい……」



 天照の目に涙が浮かぶ。



「罰としてお前の大好きな地球のゲーム、漫画、ラノベ(以下略)は一年禁止!と言うか、消す!!……もし地球に取りいったら……分かっているな?」



「!!は、はい!!」



 何をされるかは知った事じゃないが、天照の顔がやけに怯えているのを見るとそうとうな事だと分かる。



「わかればいい。……あ、天照にも高柳柚木探し、手伝って貰うからな?」



「えー?何で?」



「お前が飛ばしたんだし!!お前が飛ばした先解らないとか言うからだ!!……断っても……な?」



 伊邪那岐が目で天照を殺している。



「こうして、のちに神全体で行われるの高柳柚木探しが始まったのだった」



「あんた誰だよ!!」


 うぉぅ。語り手が伊邪那岐にツッコまれたぜ。神って恐い。

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