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時の城・入口



ギイイィィ~~~~

入口の扉が開き、奥から魔物が出てきた。

その姿は人間に近くとても美しい顔をしていた。

だが、人間には決してついてない翼があった。

蝙蝠のような悪魔を連想させる翼を広げ、人間に近づいて来た。


「こんなところに何の用です?ここは人間が気安く来てもいいところではないですよ」

とても美しい声が響いた。


「あ、あの……あなたは?」

農夫が勇気を出して尋ねた。

しかし人間ごときが自分に物事を尋ねるということは気に入らなかった。


「跪きなさい。私はあなた方人間とは格が違うのですよ」

「はっ、はい!申し訳ありませんでした!」

農夫は慌てて跪いたが娘の方は動かなかった。

「人間の娘、私は跪けと言ったのに何故あなたは跪かないのですか?」

すると娘は敵意の眼差しを向け

「あなたが誰だか分からないからよ。私は自分より下には頭を下げたくないのよ」

と言った。

農夫は慌てて娘の口を塞ぎ謝罪した。

「本当に申し訳ございません!娘は魔界のことをよく知らなくて……」

「いいえ、知ってるわ!人間の敵である野蛮な種族が住むところだってね!」

『野蛮な種族』その言葉を聞き魔物は静かにだが怒りを感じていた。


「野蛮な種族?我々魔物が?何を言ってるのですか?我々から見たら貴方たち人間の方が野蛮ですよ。人間どもは礼儀を知らない。私がこんなに礼儀正しくあなた方の相手をしているのに、あなたは調子に乗り私を敬わない。むしろ格下にしている様な喋り方……全くもって気に入りません」

「格下の様に?それは違うわ。私はあんたを格下にして話しているわ!大体あなたの格ってどんなものなの?お城の門番なんてそんなに高い格じゃないんでしょ?……さぁどうなのあなたの格は?言っておくけど中級魔物程度なら私だって相手できるし、お父さんと一緒なら確実に倒せるわ!」

娘は高らかに宣言したが、魔物は大笑いしていた。


「ハーハッハッハッハ!!ええ、ええ確かにそうですね。他の魔王が住む城の門番は大抵は下級魔物ですね。よく御存じだ。アハハ、これは面白いですね。……フム、確かにあなたには魔力がありますね。中級魔法が使える位には。嘘はついて無い様ですね、これは私も危ないかもしれませんね」

娘は少し引いたがすぐに勢いを取り戻した。

「ほ、ほら早くあなたの格を答えなさいよ。下級?中級?門番をしている魔物が上級魔物なわけがないわ!」

「ええ、私は上級魔物ではございませんよ」

「なら、名乗りなさいよ。私が聞いてあげるから!」


すると魔物は大きく羽を広げ名乗った。

「私の名はパイモン!確かに私は上級魔物ではない。だが下級でも、中級でもない!最上級魔物の中でもさらに上のクラス……魔王クラスの魔物である!その昔、この地の王であるクロウ様に助けられその時からクロウ様に忠誠を誓っている魔物だ!!」


これを聞いた娘は動揺していた。

「……っえ、嘘でしょ?だって門番を……ちょっと待って。魔王クラスってそんな訳が……それじゃあ私って…っえ!もしかして私って………………………殺される?」

それはそうだ。魔物は総じてプライドが高い。格が上である魔物は特にそうだ。

下級は中級に逆らってはいけない。中級は上級に逆らってはいけない。

この様に魔界は完全な縦社会になっているのだ。

なのにこの娘は自分は中級魔物と同じくらいだと公言し、あまつさえ魔王クラスの魔物を侮辱していたのだ。

普通は死より恐ろしい罰が与えられる。その責め苦に人間が耐えられるはずがない。


だが、娘は気丈に振舞った。

「あ、あなたが魔王クラスの魔物?とてもそうは見えないわ。嘘をついて私を騙そうたってそうはいかないわ!門番がそんなにすごいわけないじゃない!絶対そうよ!」

自分に言い聞かせる様に叫んでいたが、パイモンは余裕の笑みを浮かべて

「それなら試してみます?一発でも攻撃を当てられたらあなたの勝ちです。今までの無礼を許してあげましょう」

「いいわ、その勝負のったわ!化けの皮を剥がしてやるんだから!」

娘は叫んだがパイモンは冷たく微笑み

「しかし、負けたらそれ相応の罰をうけてもらうよ」

と言った。

これを聞いた農夫は慌ててパイモンの前に跪いた。

「なんです。邪魔ですよ」

「許して下さい。お願いします。私の娘は今まで負けというのを知らないで生きてきたのです。なので礼儀がなっていない無礼な娘です。しかし、こんな娘でも私の愛する娘なんです。だから、命だけは……」

農夫は泣きながら訴えたがパイモンは微笑み


「負けを知らない…ですか。なら私が教えてあげましょう!負けることの絶望を!

さぁ娘よ!あなたの全力を私にぶつけてみなさい!」


娘は詠唱を始めた。

強さの物差し

下級魔物……人間10人程度を一度に相手できる

中級魔物……下級魔物を一度に30人相手できる

上級魔物……中級魔物を一度に50人相手できる

最上級魔物……上級魔物を一度に100人相手できる

魔王クラス……最上級魔物の力に加えて何かを操る能力を持っている


最上級魔物以上の魔物は魔界に100人程度しかいない。

魔物は全体で100億人程度いる。


強さにインフレが起きているような気がしますがそこは気にしない方向で……(汗

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