9/11
こたえ
終わりの朝がやって来た。
そしてあいつがやって来た。
あいつの答えは―――――昨日と変わることなく、否だった。
予想していた通りなので、さほど驚かなかった。
「ほんとにいいの?」
だから、これは最後の確認。
「あぁ」
私は笑った。
けど、私は心で泣いた。
「おまえ、2年前と同じ顔してるぞ…」
…そう、私は自分に蓋をしていた。
2年前と同じように。
見たくないモノ、聞きたくないモノ、知りたくないモノ、感じたくないモノ……挙げたらきりがないけど、私は嫌なこと全てに蓋をした。自分に目隠しをしていた。
そして私は時を止めていた。
なかったことにしたかったから。2年前、壊れた時計のように時を止めていた私に、油を挿し、ぜんまいを巻いてくれたのがあいつだった。
今回も油を挿してくれたのはあいつだ。
けど―――――――
あいつはもう私のぜんまいを巻くことはできない。
だって、あいつは―――――
もう私の日常にはいないのだから。




