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かくしたもの
あいつはきっと私の隠していた事実に気がついただろう。
「そんなことは出来ない」
そういうと思ってた。
だって、私、そんなとこが――――――
「そういうと思ってた。でも、ほんとにいいの?」
私はあいつの目を真っ直ぐに見た。あいつの目は揺らいでいた。
「あぁ。そんなことしていいはずがない」
「していいのなら、いいんだ?」
私は意地悪を言った。
迷っている気がしたから。
「……」
答えないあいつを見るかわりに、空を仰いだ。
綺麗だ。空は私のことなんて関係なく、どこまでも澄んで、そして美しい。
「……ごめん。また、明日来る」
――――明日。
良くも悪くも明日で終わる。
私とあいつの関係も…。
もう、崩れ始めてはいるけれど。




