6/11
あさ
気がついたら朝になっていた。
昨日のあいつの表情が頭から離れなかった。
結局あいつはあのまま何も言わずに屋上から去って行った。
このまま、あいつのいないどこかに行ってしまおうか。
そうしたら、苦しむことなんてないのに。
…いや、どこに行っても意識がある限り、苦しむのだろう。
たとえ、死んだとしても。
こうして意識がある限りは。
自分の考えに集中していたため、屋上に侵入してきた者に気付くことができなかった。
「昨日は悪かった」
なので、突然声が振ってきたことに驚いてしまい、動揺してしまった。
「えっ!?」
おもいっきりバランスを崩し、あいつに突っ込んでしまった。
文字通り、突っ込んで、通り抜けた。
その時のあいつの顔が、―――――私の頭に焼き付いた。
終わりはもう、近いのかもしれない。




