あまずっぱい
掲載日:2026/10/31
みかん畑をみおろせる
緑の丘にやってきた
「そらがたかくてあかるい青だね」
なぜあらためて?とくちにもせず
かるく眼で訊きそっぽ向く
そんなに冷たいくしないでよ
あたしのくちよ、だまっていろよ
「いそいではしって、ころばないでよ」
ガキじゃないんだからさ、と
なのに
おおごえあげてはしりおり
田舎の野道にふたりきり
ふたりのほかはだれひとり
ただのひとりもいないなぁ
ってただばくぜんとかんがえてると、
かれもあたしと同じこと
おもってたようはしるのをやめ
たちどまってはふりかえり
あたしをまって、てをのばし
あたしのあたまを撫でながら
「オマエが、好きだぁーッ!」
って大声で。
そりゃ、ま、ちょっとは嬉しいけどさ、
「お、おまえって……
ちゃんとなまえがあるでしょう?」
(ちーちゃんがすきです……)
こえ、ちいさすぎ。
ていおうとしていたくちびるを
やさしくくちびるでふさぐって、
やるじゃん、
大好きだよ。




