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不滅の愛【加筆2:2ナタリアルート】

この台本は2:2の台本です。加筆しています

ジョセフ♂:

ナタリア♀:

リカオン♀:

ヨハネ♀:


0:ボイストランド用に加工しています


0:ジョセフ/♂ヴェラリオ戦線司令官。軍人。メリーという女性と結婚している。


0:ナタリア/♀ジョセフの護衛。人間兵器だった。ジョセフに恩を感じている。


0:ヨハネ/♂ 10代ほど。呪われてしまった。ただの心優しい少年だったのに。


0:リカオン/♀ヴァルツヘルゲン特殊工作員、ハウンドドッグ所属。夫と娘を亡くしている。



0:____________________________


0:<<取調室、ナタリアと検察官が対面で座っている>>



ナタリア:……なぜ、ですか?

ナタリア:……そうですね。私も同じ立場ならその言葉を投げかけるでしょう。

ナタリア:私はあの人に従った。引き金を引いた。それは揺るがぬ事実です。

ナタリア:それでもあの人は、不滅の愛を誓ってくれた。

ナタリア:寄る辺 (よるべ)のない私に手を差し伸べた。

ナタリア:ならばまだ終わるべきではない。私の愛は滅んでなどいない。

ナタリア:戦争を続けましょう。

ナタリア:祖国に仇なす敵国に、呪われたルスラムに復讐を。

ナタリア:忌まわしい天使どもに鉄槌を。

ナタリア:わたしの最愛に……っ

ナタリア:親愛なるジョセフベルベットに……不滅の愛を。



0:<<ルスラム国境沿い>>

0:<<リカオン、数人の兵隊を暗殺している>>


リカオン:(息を吐く)……クリア。


ヨハネ:相変わらず見事な手際ですね、ヴァングレイドの兵隊をいとも簡単に。


リカオン:猟犬の嗜みさね。主人に手間取らせるまでもない。ヴァルツヘルゲンの人狼は──


ヨハネ:よく躾けてある、ですね?ご褒美を用意しなければ。


リカオン:(微笑み)この手の冗談にあんたが乗るとは珍しいね。いいことでもあったのかい。


ヨハネ:気分が良いのです。とびきりを用意しましょう。


リカオン:言うじゃないか。さ、行くよ。この先の拠点を潰し鉄道に潜り込む。意見はあるかい。


ヨハネ:祈りを。…よろしいですか。


リカオン:時間がない、我慢しな。と言ったところでアンタは聞きゃしないんだろう?


ヨハネ:ふふ、あなたはいつも甘やかしてくれる。いつか手料理も食べさせてくださいね。


リカオン:その話はなしだ。ババアを働かせ過ぎるんじゃないよ。魔銃と銀弾はハーゲンまで保たせなきゃならないんだ。


ヨハネ:オオカミ女の切り札が銀の弾丸だなんて、いつ聞いてもおかしいですね。


リカオン:皮肉なら聞かないよ。こいつで死ぬのは呪われた人間だけさね。


ヨハネ:それ、痛いから嫌いです。


リカオン:…酷い冗談さ。あたしがアンタに使うためにあるんだからね


ヨハネ:ふふ、傷ついてくれるんですね。


リカオン:手早く済ませな。


ヨハネ:ええ。(跪く)……ルスラムの天使の名の下に、あなたたちの死が呪いのくびきから逃れんことを。

ヨハネ:──これが救いにならずとも、ひととき罪を忘れる罰を。 


0:<<場面転換>>

0:<<ヴェラリオ城砦>>


ナタリア:ふう……。あら、ジョー。


ジョセフ:ナタリア、調子はどうだ


ナタリア:ジョー。……まあまあよ


ジョセフ:お前の「まあまあ」はあまり信用できないな。(カップを差し出す)……ほら、飲んで。


ナタリア:まあ、ミルクティー?


ジョセフ:ロベルトが茶葉を送ってくれたんだ。終わったのか、その…彼らの介錯は。


ナタリア:あと少し。今は休憩中。シルバーバレット、すごいのね。呪われた彼らみんな、何をしても死ななかったのに。


ジョセフ:敵国ルスラムに巣食う、天使とやらを殺す銃弾らしい。


ナタリア:なにそれ?


ジョセフ:手配書を読んでいないな?天使を名乗る修道士と人狼の二人組が方々で暴れ回ってるんだと


ナタリア:修道士……忌まわしい響きだ。


ジョセフ:ロジェールか。残念だった。


ナタリア:……気にしないで。それで、銀弾がなんだっけ?


ジョセフ:呪いを断つ弾丸だ、天使は呪われているらしい。大事に使ってくれ。


ナタリア:あは、全部使っちゃった。助からないならせめて早く殺してあげたい。


ジョセフ:……すまないな、こんな仕事を任せてしまって。


ナタリア:いいの。……呪いを受けた人間の介錯だなんて、「魔眼のハーゲン」にぴったりの仕事じゃない。


ジョセフ:そんなことは!……そんなことはない。お前は昔とは違う。変わったんだよ。


ナタリア:変わらないわジョセフ、少なくともこの戦場では私はいまだ魔眼のハーゲン。先祖代々受け継いだこの眼は、塞ぐことを許されていない。そういう契約、してくれたでしょ。


ジョセフ:……すまない。


ナタリア:謝らないで。こう見えて私ね、嬉しいの。だってあなたのおかげで今回限りよ!

ナタリア:生まれてからずっと人を殺すことを強いられてた。少し先の未来が見える、ハーゲンの魔眼。この眼に振り回されてばかりだったけど、やっと私は、私として生きられる。


ジョセフ:だけど、それでも──。


ナタリア:もういいの!この戦場から帰ったら、食卓に招待してくれるんでしょ?妹やメリーに会うのも久々。軍服以外に袖を通す機会なんてないと思ってた。


ジョセフ:(苦笑)……素敵なドレスを期待してる。


ナタリア:そうこなくちゃ!明日?明後日?いずれにしろ帰ったらすぐだよ〜?


ジョセフ:わかった、わかったよ。


ナタリア:ふふ。それじゃあ私、仕事に戻るよ。


ジョセフ:待てナタリア、気分の良くない仕事なのは確かだろう。あとは任せて休むんだ。


ナタリア:あら……(目を伏せる)どうして?忌人(いみびと)を殺すことに、私は何も感じない。


ジョセフ:……ナタリア、本気で言ってるのか?


ナタリア:私はずっと本気。かわいそうだけど、だれも虫を踏んだことに気を病まない。


ジョセフ(M):──そう、恐ろしくはあった。


ナタリア:そう……彼らは違う、違うのよ。ここは差別大国ヴァングレイドよ


ジョセフ(M):人生の多くを戦場と人殺しに捧げた彼の精神は、ヴァングレイドに培われた差別心によって保たれている。


ナタリア:彼らは私たちと違うから、死なず苦しみ続ける忌み人になった。……そのはず、なのに。


ジョセフ(M):今まで手にかけた呪われた同胞が、


ナタリア:さっき殺したロジェールが言うの。フィア、フィア愛してるって。


ジョセフ(M):その実私たちと変わりない、ただの人間だったと知った時、


ナタリア:ねえこれは……いや、いいや。彼らは忌むべき人よ。そうでないといけない。そうじゃなきゃ……


ジョセフ(M):彼は耐えられるのだろうか。


ナタリア:私が殺したのは、誰だったの…?



0:<<場面転換>>



リカオン(M):愛が不滅でないことを、あたしはよく知っている。


ヨハネ:天にましますわれらの父よ。


リカオン(M):もう動かない旦那を抱きしめたときに。ベッドの上で日々痩せていく娘の手をとったときに。


ヨハネ:願わくは御名の尊まれんことを、呪いをもたらさんことを。


リカオン(M):愛は儚く滅ぶのだと知った。


ヨハネ:御心みこころの天に行わるる如く地にも行われんことを。われら積年の恨みを、今日こんにち晴らし給え。


リカオン(M):いずれ、あの子たちに愛されたあたしもこの戦場に滅ぶ。……天国でなら、愛は滅びないのだろうか。


ヨハネ:われらが人を裁くごとく、われらの罪を裁きたまえ。

ヨハネ:われらが人を呪うごとく、われらの生を呪いたまえ。


リカオン(M):そう考えて、あたしはまず地獄行きだろうと笑った。


ヨハネ:われらの父よ、この命をもって──


リカオン(M):ああヨハネ、叶うなら。


ヨハネ:われらを悪より救い給え……。


リカオン(M):また愛させておくれ。


ヨハネ:Amenエイメン



0:<<場面転換>>

0:<<ヴェラリオ戦線、鉄道に近いヴァングレイド兵の拠点が壊滅。ヨハネ、死んだように倒れている>>



リカオン:エンゼルフォール確認。敵拠点制圧。列車への潜入準備が整った。


ヨハネ:ぅ……あ……。


リカオン:(ため息)……教会の天使の死で起こる呪いの爆発、ねぇ。(手に持つ銃を見る)痛みには、慣れたつもりだったんだが


0:<<ヨハネ、蘇生している>>


ヨハネ:私は、生き返るから、いいではないですか……。


リカオン:お目覚めかい、坊や。


ヨハネ:ええ、ミセス。少し痛かったですよ。


リカオン:(苦しく)すまないね……あんたのわがままはなんでも聞いてやりたかったのに。


ヨハネ:そんな苦しそうな顔をしないでください。ちゃんと生き返りましたから。


リカオン:顔に、出てたかい……もうあんたを殺したくないよ。


ヨハネ:安心してください、今ので打ち止めです。次のエンゼルフォールは私が真に死ぬ時でしょう。


リカオン:馬鹿なこと言うんじゃない、来させるものかねそんな時。


ヨハネ:まるで誰かを亡くしたみたいな顔でしたよ?まあ私は一度死んだので間違いではありませんがね。


リカオン:っ……。


ヨハネ:……笑ってくださいよ。


リカオン:……すまなかった。


ヨハネ:も〜。


リカオン:ご機嫌なのは良いがあんた、ここは戦場だよ?


ヨハネ:ふふ、すみません。身を案じられたのは初めてだったもので。


リカオン:ハッハ、教会の天使様がご冗談を。


ヨハネ:(微笑む)……残念ながら、いいえ。今回の私は、そもそも我ら教会の天使たちは、帰還を想定されていません。


リカオン:なに……?


ヨハネ:前回の作戦が奇跡的でした。あなた方ハウンドドッグの優秀さは司祭様すら見通せなかったようです。


リカオン:それじゃ、それじゃああんたは……っ(言い淀む)


ヨハネ:死ぬために生きているのか、ですか?


リカオン:……忘れとくれ、ババアの妄言だ。


ヨハネ:いいのです。……あなたはルスラムの聖書を読んだことがありますか?


リカオン:いや、ないね。


ヨハネ:……『苦しみに代わるものは別の苦しみである』


リカオン:なに?


ヨハネ:聖書の、初めの言葉です。


リカオン:……それが呪いかい。


ヨハネ:ええ。…我々にとって、呪いとは信仰なのですよ。呪われることをこそ良しとしたのです。人を思うことそのものが呪いだとうそぶいて。それが本当になってしまった。


リカオン:これが救いにならずとも……。


ヨハネ:ええ、ひととき罪を忘れる罰を。それが呪いです。


リカオン:……


ヨハネ:私たち天使は、あまねく人々に苦しみをもたらすべく産まれました。聖書の、新たなページを綴るために。産まれてからずっと思われ、呪われてきた。


リカオン:そんなものを身に引き受け、挙句兵器にされたのか。年若い少女を数多の呪いに浸すことが神の御意志とやらなのかい。


ヨハネ:……ええ。


リカオン:呪いのるつぼにされ、戦場で爆ぜることを強いられて、なんのために生きているのかわからないじゃないか……!


ヨハネ:…私のために、怒ってくださるのですね。……ええ、そんなあなただから私は嬉しいのです。


リカオン:ふざけたこと言ってるんじゃないよ。あたしゃあんたの犬だがね、それでもあんたを傷つけた連中となんら変わりない加害者なんだ。


ヨハネ:お優しいのですね(微笑む)……あなたが家族ならどれだけ幸せだったのでしょう


リカオン:っ、ヨハネ……。(意図せずこぼれた名前)


ヨハネ:(目を伏せて)…ヨハネ。そう、ヨハネなのでしょう?私の名前なのでしょう。

ヨハネ:名前だけの一致。けれどもあなたは、見過ごせなかったのですよね。


リカオン:……!


ヨハネ:あなたのご子息は、亡くなったヨハネは。こんなにも優しく呪われている。


リカオン:なぜ、その名を。


ヨハネ:言ったでしょう?人を思うことそのものが呪いなのだと。身に引き受けた呪いがなんなのか、私には手に取るようにわかります。


リカオン:……そう、だったのか。それはそれは……うるさかったろう?


ヨハネ:いいえ、私は嬉しいです。呪われた私を、娘のように扱ってくれた。石ころのように死ぬことさえできない私を。


リカオン:……。


ヨハネ:あなたの呪いは、生まれてから一番心地が良かった。


リカオン:やめて、おくれよ。……別れの言葉に聞こえるんだ。娘も…ありがとうと言って死んだ。


ヨハネ:いつ死ぬとも知れないのですよ?私はまだまだ話し足りません。


リカオン:いやだよ、死ぬなんて、冗談でも言わないで。


ヨハネ:ふふふ、夢の話や花の話はまた今度ですね。いつかきっと、私の懺悔も聞いてください。


リカオン:死ぬ準備だなんて、もうやめておくれ


ヨハネ:いいえ、それでも。これだけは聞いてください。私は嬉しいのです。こんなにもキラキラした呪いをかけてくれたことが。

ヨハネ:私の人生は呪われたものだったけれど、それでも最期は輝いている。それが、嬉しいのです。



0:<<列車の中>>.



ナタリア:殺されるならあなたがいい


ジョセフ:え?


ナタリア:ね、ジョー。私、怖いのよ。


ジョセフ:なんだ、お前らしくもない


ナタリア:だって怖いのよ。名前の知らない誰かに殺されるのがこんなにも怖い。


ジョセフ:……。


ナタリア:私ね、名前の知らない誰かをたくさん殺したわ。顔も知らない誰かをたくさん殺した。おんなじように、きっと小石を蹴飛ばすように殺されるんでしょうね


ジョセフ:……そんなことはない。お前は死なないよ。


ナタリア:……そうかもしれない。でもそうじゃないかもしれないでしょ?私ね、こんな私でもね、ジョー。怖いのよ。

ナタリア:だから、だからね。

ナタリア:私、殺されるならあなたがいい。


ジョセフ:………戦争は嫌だな


ナタリア:どういうこと?


ジョセフ:私もおんなじことを思ったことがある。戦争はな、みんながみんな大層な正義なんて振りかざしていない。そこに立つ一人ひとりはみんな、誰かの復讐をしたいだけなんだ。そしてそれはとても恐ろしい。


ナタリア:私はもう嫌よ、ジョー。


ジョセフ:……手のかかる子だ。


ナタリア:なら──


ジョセフ:だけどねナタリア。それはここで死ぬ時の話だろう?それなら考えなくていい。この戦場から帰ったら私の家で、みんなとディナーなんだから。


ナタリア:真面目な話なのに…。


ジョセフ:はは、いつものじゃじゃ馬はどこに行ったんだ


ナタリア:……ねえジョー。フィアって、ロジェールの子供よね。だってあの人、子供の自慢ばかりしてた。


ジョセフ:…ええ、今年で6歳になる。


ナタリア:今際の際に、愛してるだなんて。私は言える自信がない。


ジョセフ:……私もだ。


ナタリア:ロジェールに、手を差し伸べてあげればよかったの。手をとって、嘘でもいいから何かいってあげればよかった……?私にはもうわからない……。


ジョセフ:ナタリア……


ナタリア:ロジェール、誓ってたのかな。不滅の愛を。私に殺されるまで。忌人に成り果てても。


ジョセフ:……お前が背負わなくてもいい、ナタリア。

ジョセフ:お前が戦場に来たのは国の意向で、お前の行いは私の指示よ。お前の罪は私にある。


ナタリア:それでも、殺したのはわたしだった……。


ジョセフ:こんなに弱った姿をみるのは初めてだな


ナタリア:真面目な話って言ってるのに……もう。


ジョセフ:はは、すまない。でもねナタリア、それでもやっぱりお前の罪は私のものなんだ。戦場では命じる者が責任を負う。昔教えただろう?


ナタリア:ジョー……。


ジョセフ:怖がらなくてもいい、怯えなくてもいい。神様は、きっと君をみている。


ナタリア:ふふ……神は死んだの。あなたが見てて。


ジョセフ:(微笑み)罰当たり。そうだ、歌を教えてやろう。怖いものなんかなくなる魔法の歌だ。


ナタリア:ふふふ、こんなところで歌う気?


ジョセフ:悪くないだろう?


ナタリア:少なくとも戦場で歌う歌じゃない。


ジョセフ:ははは、それもそうだ。帰ったらにしよう。


ナタリア:それが良い。楽しみが増える。


ジョセフ:食卓で歌ってやろう。


ナタリア:ふふ、奥さんの前で?


ジョセフ:メリーとの仲直りのためだ。ああ、許してくれるかな。


ナタリア:(笑う)そのための歌なんでしょ。楽しみにしてる。


ジョセフ:メリーの好きな歌なんだ、私も楽しだよ

ジョセフ:……なあ、きいてくれ。ナタリア──



0:<<場面転換>>



ナタリア(M):不滅の愛を誓おう、と。ジョセフが言った。


リカオン:坊や、舞台が整った。


ジョセフ(M):ナタリアめ、口を開けておどろいている。この子には支えてくれる誰かが必要だ。それが私なら、こんなに誇らしいことはない。


ヨハネ:ええ。ヴェラリオ戦線の主要人物が2名、無防備です。


ナタリア(M):子供を授かった時、神の前で誓う言葉。私がついぞ聞けなかった言葉。笑顔を見せようと思ったのに、涙がこぼれてしまう。


リカオン:死ぬんじゃないよ、坊や。


ヨハネ:(微笑み)ええ、リカオン。生きて帰りましょう。


ジョセフ(M):この子にはもう、これ以上の運命を強いてはならない。恐怖も、血に染まった手も、日常に風化されるべきだ。ああ、ナタリア。何度だって言おう。不滅の愛を──


リカオン:(被せ)いいやいいや、ベルベット。不滅の愛などこの世にはない。



0:<<場面転換>>



リカオン:あたしたちの命乞いを聞いてもらうよ。


ジョセフ:何者だ!


ナタリア:警備は何をして(ヨハネに気付く)──修道女か貴様。


ヨハネ:はい。ヨハネと申します。


ナタリア:死んで。


0:<<ヨハネ、ナイフを抜き投擲>>

0:<<リカオン、それを防ぐ>>


リカオン:遊びたいならよそでやりな、ヴァングレイドの犬め。


ナタリア:おや、獣憑き。


リカオン:どれ、躾直してやろう。


ナタリア:どきな。その男の首をロジェールの墓に供えてやる。


ジョセフ:ナタリア待て。貴様ら何者だ。


ヨハネ:ヨハネです。こちらはリカオン。どうか我々の命乞いを聞いてください。


ジョセフ:くそ、手配書と一致する。アサシンどもか。


ヨハネ:おや?顔がバレていますね。一人残らず祝福したはずですが?


リカオン:誰か死体に埋もれてたのかね。


ナタリア:魔眼の許可を。5秒で殺す。


ジョセフ:許可する。確実に仕留めろ。


リカオン:あんた、命乞いすら聞かないのかい。


ナタリア:遺言なら聞くわよ、大人しく死ね


0:<<ナタリア、魔眼を発動。5秒後の未来を視る>>


ヨハネ:パルデンス条約に反してますね、ふふ。


リカオン:プランBからCに移る。


ナタリア:な、に…!


ジョセフ:ナタリア…?何が見えた。


ヨハネ:おや、「頼んだぞヨハネ」と言ってくれればいいのに。


ナタリア:これは……!?


リカオン:とっととやりな坊や。


ヨハネ:これは手厳しい。それじゃあ、死なないで。


ナタリア:ジョー!早く逃げ──


ヨハネ:(被せて手を叩く)ハレルヤ


0:<<ナタリア、体が一瞬ぶれ、かき消える>>


ジョセフ:なっ…!


ヨハネ:失礼、サーベルベット。ごゆっくり。(手を叩く)


0:<<ヨハネ、かき消える>>

0:<<一瞬の間>>


ジョセフ:なにをした…!貴様!


リカオン:呪いさね。我々の常識を覆すからこそ忌み嫌われる。

リカオン:ヴァラリオ戦線の司令官はあんただね、ベルベット


ジョセフ:くそ、人狼の相手だと…!


リカオン:あたしの名はリカオン。ヴァルツヘルゲン特殊工作部隊、ハウンドドッグに所属している。

リカオン:あたしたちの命乞いを、聞いてもらうよ。



0:<<場面転換>>

0:<<別の車両、ナタリアとヨハネ、対面する>>


ナタリア:(舌打ち)随分なご挨拶ね。


ヨハネ:改めまして、魔眼のハーゲン。ルスラムの天使が一騎、ヨハネです。


ナタリア:忌人に名乗る名はない。


ヨハネ:不要です。存じておりますから。


ナタリア:そう、話が早いわ天使サマ。石ころみたいに殺してあげる。


ヨハネ:はは、素敵な死に様ですね。勇ましきレディ・ハーゲン、我らの神があなたをお招きです。


ナタリア:……神は死んだ。



0:<<場面転換>>

0:<<ジョセフ、懐の拳銃にそっと手を伸ばす>>



リカオン:ババアだと舐めてそいつを抜いてみな、あんたの国の銃は何世代遅れてると思う?


ジョセフ:……だが当たれば死ぬ。


リカオン:話にならんね。ベルベット

リカオン:狩人のいない村人がただひとり人狼に歯向かうって?


ジョセフ:(舌打ち)


リカオン:良い子だね。長生きするよ。


ジョセフ:ナタリアは。


リカオン:隣の車両に移った。坊やが失敗していなければね。


ジョセフ:転移の外法(げほう)か…


リカオン:似て非なる。コツは消えてしまいたいと思うことらしい。


ジョセフ:なんだと…?


リカオン:あの子の名はヨハネ。年端もいかない少年が、こんな戦場で天使を名乗らされている。


ジョセフ:貴様、何を言っている。


リカオン:あの子は毎日胸を灼く痛みで目を覚ますんだ。うなされて、飛び起きる。そしてあたしをみて笑顔を作って、おはようと言うんだ。あの子は悪夢を見続けている。

リカオン:数多の呪いを押し付けられ、それでもなお天国を夢見、こんな戦場に身を落とした。


ジョセフ:……?


リカオン:呪いとは、誰かを想うことらしい。

リカオン:あたしはあの子を呪っちまったんだよ。そんなあたしに、坊やは言うのさ。あなたの呪いは、今までで一番心地いいと。


ジョセフ:何を言っているんだ、さっきから。


リカオン:命乞いだ。何度も言わせるんじゃないよ。

リカオン:どうかあの子を殺さないでいてほしい。見逃してほしい。あんたたちを殺さないでやるから、この国境を越えることを許して欲しい。



0:<<場面転換>>

0:<<ヨハネ、瀕死ながら傷が塞がっていく>>



ヨハネ:あ……ぅあ、もう、少し…やさしく、殺せないのですか


ナタリア:お前たちに呪われたロジェールは、その程度の苦しみで喚かなかった。


ヨハネ:(苦痛に耐える息)ご立派です。呪いと、介錯に耐えるなど。きっと天国に召されたことでしょう。


ナタリア:まだ侮辱する気か…!


ヨハネ:あなたにとって、その人は特別なのですね。

ヨハネ:例えば、そう……ただひとり、普通の子として扱ってくれたとか。


ナタリア:……!


ヨハネ:想い人ですか?ああ、いえこれは…。これはきっとそう、初恋とすら呼べない。その方は、あなたの憧れだったのですね。


ナタリア:どうして、それを。


ヨハネ:ああ、あなたも私と一緒なのですね。

ヨハネ:望まぬ力に縛られている。……自分の罪から目を逸らせずに。

ヨハネ:愛されたかったのですよね。ただの子供みたいに。

ヨハネ:ああ。でも、やはり……その方の介錯を悔やんでいる。


ナタリア:(息を呑む)


ヨハネ:だからこそ、あなたに慈悲を。主の導きを。

ヨハネ:たとえ救いにならずとも、ひととき罪を忘れる罰を。


ナタリア:結構よ、死んで。あなたは呪われた忌人で、私は望んであなたを殺す。あなたはなす術もなく死に、私はジョセフを助けに戻る。私はあなたと違う。


ヨハネ:同じです。私は神に、あなたは血に呪われている。選ばれたと思わなければやっていられなかったのですよね?

ヨハネ:それでもきっと私たちの役目は、誰が演じても変わらなかった。


ナタリア:黙れ


ヨハネ:私たちは答えが欲しいんじゃないんです。


ナタリア:黙れ…!


ヨハネ:ただそばにいて、泣きたくなったら遊んで欲しい。夢の話をしたい、天気の話も。今日あったことや、花の話をしたい。


ナタリア:黙って神の御許みもとに行け (武器を構える)


ヨハネ:私の懺悔を聞きなさい



0:<<場面転換>>

0:<<リカオン、一歩詰め寄る>>


リカオン:あたしらはただ生きたいんだ。

リカオン:家族を失い、国に捨てられた。作戦もなにも、もはやどうでも良い。


ジョセフ:お前達は人を殺しすぎてる。


リカオン:承知の上だ。きっとあたしらは地獄行きさ。だがそれまではせめて、二人で静かに生きていたい。


ジョセフ:……家族なのか


リカオン:…一言では足りんね、あんたたちと似てる。


ジョセフ:(ため息)複雑だな、お互いに。


リカオン:ああ。


ジョセフ:協力はしたい。


リカオン:そうかい。


ジョセフ:だが信用できない。


リカオン:ハッ、だろうと思った、よ!


0:<<リカオン、ジョセフを撃つ>>


ジョセフ:ああっ…!?


リカオン:──ハッ、あんたに堪え性があるようには見えなかったがねぇ。

リカオン:未来でも見たかい?魔眼のハーゲン。


0:<<ナタリア、ヨハネを引きずりながら登場。リカオン達からナタリアはよく見えていない>>


ナタリア:よくも私にジョセフを殺させたな……!


リカオン:ハッ、そりゃああんたが見た未来の話だろう?


ナタリア:黙れ黙れ黙れ!


リカオン:くくく。当ててやろうか?あんたの投げたナイフがベルベットを射止めたんだろ?あたしがこいつを盾にする未来はどうやっても変えられなかった。それでのこのこ出てきたと。愉快だね、その顔を見るのは。


ナタリア:殺してやる。二度と笑えないように


リカオン:言ったろう?躾け直してやると。


ジョセフ:ぐ、ああ……!く、血が…!


ナタリア:ジョセフ…!


リカオン:急所は外した。次はないよ。


ナタリア:犬畜生が指図とは。


リカオン:坊やを離しな。


ナタリア:哀れな子だったわよ。くれてやる。


0:<<ナタリア、ヨハネをリカオンの方へ放り投げる。明らかな致命傷がいくつもある>>


リカオン:……!


ナタリア:急所を何度か突いた。次があるといいけど。


リカオン:坊や、死ぬのかい……。


0:<<リカオン、ジョセフの拘束をやめゆっくりヨハネに近づく>>


ジョセフ:……ぐっ…!(止血している)


リカオン:いつか、あたしの手料理が食べたいと、いっていただろう……あれはどうするんだい。


ナタリア:そんな顔ができるなら、なぜロジェールを──っ(未来を見て顔をしかめる)


リカオン:花の話も、夢の話も、おまえの懺悔も、あたしは聞いてやれなかったんだね……。

リカオン:──すぐに行くよ。待っててね。


0:<<銃声>>


ジョセフ:なっ!貴様どこに銃を!


リカオン:……猟犬の嗜みさね。主人に手間取らせるまでもない。


ジョセフ:ナタリア、見えていたか


ナタリア:…ああ、でも……あれは介錯だった。私には、到底止められない。


リカオン:この子の不死は呪いだ。銀弾でなければ死なない。だがアレでは蘇ることも無かっただろう。


ジョセフ:ただの忌人ではないな、何者だ。


リカオン:名乗ったよ、この子は。あたしの天使だ。呪いを押し付けられ、それでも誰も恨まなかった頑固でかわいいただの子供さ。


ナタリア:なぜロジェールを呪ったの。


リカオン:あんた、坊やを殺したのは何故かあたしに聞いて欲しいのかい。


ナタリア:……そうか。これが、戦争なのね。


リカオン:ベルベット、これをくれてやる。


0:<<リカオン、銀弾の入った銃を放る>>


リカオン:ヴァルツヘルゲンの銀弾だ。あたしにゃもう、こんなものは必要ない。


ジョセフ:……そうか。


リカオン:ベルベット、あたしはあんたにだけは感謝しているんだ。

リカオン:あたしらを家族と呼んだね。暗殺者の人狼と呪われた天使の2人をだ。

リカオン:あんたみたいなやつはきっとどこの国を巡っても出会えない…

リカオン:──だからね、ベルベット。お前には選ばせてやろう。

リカオン:呪いの唯一の障害物は人間だ。故にこそ、救いたい奴がもしも近くにいたのなら、迷わず覆い被さるんだよ。

リカオン:……子を失う痛みなぞ、本来誰も知るべきではないのさ。


ジョセフ:なに?


0:<<ナタリア、未来を見る>>


ナタリア:え、え…?


リカオン:ベルベット、次があるなら覚えておきな。

リカオン:あたしのような暗殺者が悠長に話を続ける理由はね、時間稼ぎ以外にないんだよ。


ナタリア:これは…!ジョセフ!!


0:<<ヨハネ、血を吐きながら祈りを捧げる>>


ヨハネ:天に、まします……我らが父よ………


ジョセフ:そんな!奴は、介錯を…!


ヨハネ:あなたの御心に、私の全てを委ねます……。


リカオン:これが呪いさ。我々の常識を覆すからこそ忌み嫌われる。


ナタリア:ジョセフ!逃げるわよ、早く!魔力が膨張している!呪いを帯びた恐ろしい量の魔力が!


ヨハネ:われらが、人を裁く如く、われらの罪を裁きたまえ……


リカオン:逃げるがいいさ、どこへなりともね。あたしのヨハネは文字通り、死んでも使命を全うする。


0:<<ジョセフ、ナタリア、逃げる>>


ヨハネ:我らの、ルスラムよ……ごふっ、この命をもって、われらを……悪より救い給え……


0:<<リカオン、ヨハネの隣に腰掛ける>>


リカオン:悪かったね。最後まで、あんたを付き合わせちまった。


ヨハネ:……謝らないで、ください。わたしこそ、結局、あなたにあげるご褒美、なにひとつ……。


リカオン:いいや坊や、もうもらっているんだよ。


ヨハネ:……?


リカオン:この旅路が……あんたに捧げ、そしてもらったこの呪いが。あたしの救いそのものだった。


ヨハネ:ああ、ふふ……誰かを苦しめずに、人を救ったのは初めてです。


リカオン:誇っておくれ、あんたはあたしの天使だ。


ヨハネ:ねえミセス?私、夢を見たんです。泣きそうな顔で私に縋る、あなたの夢を。思えばあれはあなたの介錯だった。


リカオン:……!


ヨハネ:私、スイセンの花が好きです。


リカオン:ああ、あたしも好きだよ。


ヨハネ:夢によくあなたが出ます。幸せな夢にだけ、あなたが。


リカオン:あんたを想っていたからかね。


ヨハネ:……叶うなら。きっとあなたを呪ってしまうけど、私は、あなたの息子になりたかった。


リカオン:今更構うもんかね。好きに呪いな、ヨハネ。


ヨハネ:ふ、ふふ。最後まで、甘やかしてくれるのですね。

ヨハネ:

リカオン:……懺悔するとね。あたしはあんたを、息子と重ねていたんだよ。


ヨハネ:…ええ、気づいていましたよ、ジョアンナ。天国で、私も家族に迎えてくださいね。


リカオン:ふふ……あたしもあんたも、地獄行きだよ。


ヨハネ:なら、地獄で。二人で。


リカオン:わがままな子だねぇ。


ヨハネ:ねえ、言ってくれないのですか?


リカオン:(微笑み)ああ、ヨハネ。不滅の愛を誓おう


ヨハネ:(微笑みながら)ええ、ジョアンナ。不滅の愛を、地獄で。

ヨハネ:──Amen(エイメン)


0:<<堕天>>

0:<<場面転換>>


ナタリア(M):恐ろしくはあった。

ナタリア(M):もしも、ジョセフが呪われたなら?


0:そんなこと万に一つも起こらないに決まっている。

0:そう言い聞かせるたびにロジェールの最期を思い出す。

0:誇り高いロジェール、ヴァングレイドの勇士。

0:彼は呪いに蝕まれ、狂い、死を望み、その最期に最愛の娘の名を呼ぶ。


0:満足そうな笑みで、やっと会えたと。この私を、娘と見間違えたまま。


0:<<場面転換>>

0:<<破壊された列車の外>>


ナタリア:くっ……!ジョセフ!ジョセフしっかりして!そんな、ああ、なんで庇ったりなんか……!


ジョセフ:(苦しみながら)うっ……はは、ばかめ、不滅の愛を、誓っただろう?


ナタリア:喋らないで…!何か、まだ手があるはず…


ジョセフ:いいや、もう助からない。何度も見てきた。これが呪いか。


ナタリア:冗談でもそんなこと言わないで…!


ジョセフ:なあ、ナタリア。私もなんだ。私も、殺されるならお前がいい。

ジョセフ:こんなことを願うのも頼むのも、おこがましいとわかっているが……やはり石ころみたいに死にたくないんだ。お前が殺してくれ。


ナタリア:ああ、そんな、ジョー


ジョセフ:こんなところで死ぬなんて、メリーに笑われてしまうかな……。あ、ああ(苦しみ出す)


ナタリア:ジョー、だめ、だめよ……!メリーに謝るんでしょ?私を食卓に、招いてくれるんでしょ…?ねえ、だめ、だめ……死なないで……。


ジョセフ:う、ぐ……メリー?メリー、いるのか……?


ナタリア:(呪いを悟る)…ああ、そんな、ロジェールと同じ……!私を、メリーと……


ジョセフ:君に、謝りたかった、家を出てから……ずっと……。メリー、返事をしてくれ、お願いだ。


ナタリア:……ここに、ここにいるわ。ジョセフ。


ジョセフ:ああ、メリー。よかった……なあ、メリー…歌を、歌ってくれないか。怖いんだ、ここは暗くて、寒い。


ナタリア:(青ざめる)歌……怖いものなんてなくなる、魔法の……


ジョセフ:ああ……怖いんだ、怖い。君が見えない……あの歌がききたいんだ、頼む……。


ナタリア:っ…!…ええ。……帰ったら、帰ったらいくらでも歌うわ。ね、だから……そのとき一緒に歌いましょう。


ジョセフ:帰ったら……ああ、いいな……。きっと、ロベルトが待ってる。……君のアップルパイが、食べたいよ。


ナタリア:ええ、ええ。帰りましょう。あなたの、好きなもの。全部作るから……。


ジョセフ:ああ……楽しみだよ。メリー、ナタリアを、見てないか。……家族に、迎え入れたいんだ。不滅の愛を誓った。


ナタリア:……!


ジョセフ:勝手をした、許してくれ。これで最後にするから……


ナタリア:……っ、もちろん、もちろんよ、ジョー……!


ジョセフ:ああ、彼女も喜ぶよ……。


ナタリア:……ええ、もちろん。……だからお願い、死なないで……私を置いていかないで……。


ジョセフ:は、はは……置いていったりなんか、しないとも。だが……すこし、眠くなって……。


ナタリア:そんな、そんな!ジョー、起きて。私まだあなたに抱きしめてもらえてない。まだ恩返しもできてないのに。


ジョセフ:メリー………すまなかった……


ナタリア:…!


ジョセフ:君に乱暴なことをした……。メリー、どうか……許してくれないか。


ナタリア:……ええ、ええ。許すわ。許す……あなたは、私の誇りよ。


ジョセフ:………ありがとう、メリー。愛して、いるよ……。


ナタリア:私も、わたしもっ……あなたを愛してる……!


0:<<ジョセフ、動かなくなる>>

0:<<ナタリア、静かに泣いている>>


ナタリア:……あなたは……あなたは、あのイカれたルスラムなんかに、顔のない暗殺者なんかに殺されてはいない。安心して。あなたは……っ、あなたの命は、私の手で……。

ナタリア:<<間>>

ナタリア:──おやすみなさい、ジョー。


0:<<銃声>>


0:<<取調室、ナタリアと検察官が対面で座っている>>


ナタリア:……なぜ、ですか?

ナタリア:……そうですね。私も同じ立場ならその言葉を投げかけるでしょう。

ナタリア:私はあの人に従った。引き金を引いた。それは揺るがぬ事実です。

ナタリア:それでもあの人は、不滅の愛を誓ってくれた。

ナタリア:寄る辺 (よるべ)のない私に手を差し伸べた。

ナタリア:ならばまだ終わるべきではない。私の愛は滅んでなどいない。

ナタリア:戦争を続けましょう。

ナタリア:祖国に仇なす敵国に、呪われたルスラムに復讐を。

ナタリア:忌まわしい天使どもに鉄槌を。

ナタリア:わたしの最愛に……っ


ナタリア:親愛なるジョセフベルベットに……不滅の愛を。


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