第一話「初恋散る」
初投稿です。文章に若干変な箇所があるかもしれません。
俺様はノラな黒猫。名前はクロジロウ、生まれた場所は忘れた。
俺様はだだっ広い星岡市のとある広い裏路地に住んでいる。ここは椅子や机やドラム缶やたくさんの粗大ゴミが大量に置いてあるから俺様の住処にふさわしいんだぜ。
今日は俺様の幼馴染の"みゃこ"とデートの日だ。ついにみゃことラブラブになる日がやって来たんだ。
毛の手入れはよし、歯磨きよし、香水よし、あとは…プレゼントもよし、全てカンペキだ。
そろそろ待ち合わせの場所の星岡公園に行くとするか。
あそこまでは10分程だ。他の猫どもはせいぜい30分はかかるが、俺様にはよいルートがある。それはマンホールだ。ここのマンホールの入り口は俺様がゴミ箱で隠している。ちなみに星岡市のマンホールのルートはほぼマスターしている。
んじゃ、早速行きますか。
突入!!
しかし、いつもながらマンホールってとこは暗いし臭い。ここをはじめて通ったときは道に迷って一生出られないかと思っていたぜ。だが、通り始めてから数年の月日が経つ俺様にとってはこんな道、目がなくても進めるわ。
さて、そろそろ着いたな。
星岡公園の近くの出口は5箇所あるが、そのうちの一箇所はドブから繋がっている。
俺様はその出口の前に行き、お得意のジャンプで穴に飛び込み、ドブの中に入った。そしてドブの中を歩くとドブのフタがアルミのフタになっている場所を見つけた。クク、あとは人間にここから出してもらうのさ。
こうやってな、
「みゃ〜」
「ん?」
お、早速近くの若いサラリーマンが気づいた。
「みゃ〜あ」
「こっから出して欲しいんだな、ほら」
おお、サラリーマンがフタを掴んだ。
「みゃ〜ん」
フタがはずれた。今だ!!
「わっ!!」
俺様はフタが外れた瞬間高速でダッシュしてその場を離れた。まえに同じ手口で開けてもらったときにそのまま保護施設に連れて行かれそうになった頃があってな、それ以来この手口を使うときはすぐに捕まらないようにフタが外れた瞬間すぐにその場から逃げることにしたのさ。
さて、ここまで来れば安全だな。
お、グッドタイミング。みゃこが目の前で待っているぜ。
白い毛で覆われた君はいつ見ても美しい。
俺様はみゃこの元に走りだした。
「みゃこ〜」
「クロジロウ〜」
時間には何とか間に合った。
「遅刻料払って」
「えぇ〜!?」
間に合ってなかった。
「って、まだ五分前じゃないか。約束は十時だろう?」
「男は三十分前に来るものよ」
「そんな人間くさいことは知らないぞ」
「どこの世界でも常識よ」
「そんなぁ〜」
「わかった」
「はーい」
「わかればよろしい」
「ヘイヘイ」
いきなり説教かよ。
「あ、そうだ」
「何?」
「プレゼントを持って来たんだ、受け取ってくれ」
「どれどれ…」
みゃこは俺様が持って来たプレゼントをみる。ふふ、俺様のプレゼントアッタクで好感度をUPさせ…、
「…何これ?」
みゃこの反応は意外だった。
「何って…、サンマだよ。お前、大好きだろ?」
「これいらない、この前食べた。それよりも散歩しよう」
「そうか…、そうだな」
やっぱりダメだったか…。だよな…、気付いてみれば俺様、何度もみゃこにサンマをあげていたよな…。
しかし、まだチャンスがある。散歩で逆転アッタクしてやるぜ!
…でも、その前に。
「みゃこ、俺様ちょっとトイレに行ってきていい?」
「デートの途中でトイレ?ありえない!!…でもいって来ていいよ」
「ごめん」
あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
なんてことをしちまったんだ、俺様は!!
今の時点で好感度がまた下がったじゃねーか!!
あと一回下げたら確実に嫌われる!!
どうしよう〜!!
あ…、それよりも今はトイレ、トイレ。
俺様は人間に見られないように草むらで用を済ませた。
「う〜、スッキリした」
思った以上に時間がかかった。早くみゃこの元に行かなければ…。
「あれ、みゃこはどこだ?」
さっきの場所に戻ってみると、みゃこが居なくなった。
探しに行こうと思った次の瞬間…、
「クロジロウ〜。じゃあね。」
「えっ、みゃこ!?」
何とみゃこは近くに駐車していた人間の黒いクルマに乗って窓から手をふっていた。
「私、この人に一目惚れをしたから」
みゃこの隣にはオレンジ…っというか、黄色?…とにかくそれっぽい色をした猫がいた。
「みゃこぉ、それはないでしょ」
「いいえ、この猫の飼い主はお金持ちで、私にごちそうをおごってくれるっていうから、じゃあね。」
「みゃこぉおおおおおおおおお!」
クルマは走りだし、あっという間に道路の向こうに消えていった。
「くっそぉおおお!!」
俺様は地面に手を叩きつけた。
「みゃこは俺様の幼馴染なのに…、みゃこは俺様が一番好きだったハズなのに…。うぅ、うわぁぁぁぁぁぁん!!」
俺様は思いっきり泣いた。情けない姿だ。
そのあと泣き疲れて寝てしまい、起きるといつの間にか夕方になっていた。
俺様は空が焼けるなか、歩道をしょんぼり歩いて家に帰った。




