Prologue
短いです。
次回から3000字以上あります。
生ぬるいような暖かいような。
母親のお腹にいるような安心感。
その当時の記憶なんてないだけど。
とても暖かく浮遊する感覚の中、俺は意識を少しずつ取り戻していった。
なんだろう、少し身体が動かしにくい気がする。
意識があるって事は怪物の踏み潰しを間一髪避けれてて、誰かに助けてもらったとかか?
だけど後遺症が残ってて身体が動かしにくい、そんな感じじゃないか?と俺はあの後の事を考える。
取り敢えずは瞼に当たるこの安心感、………目でも開けてみるか。
目をゆったりと開けてみると、眩しい限りの光。
ああ、お天道様の下。
ていうかここどこだ?
薄っすらと見えるのは太陽のような眩しい光と沢山の緑が成った枝木?
どうなったんだ、俺は………そんな事を思いながら立ち上がろうとする。
あれ?あれ?
体が全く持ち上がらない。
というか腕も足もまともに動かせる気がしない。
「ぁぅ、ぁーぁ」
ちょ、待て………
なんじゃこの声。
まともに発声する事も出来なくなってる。
どうなってるこれ?
目線だけを軽く動かし観察する。
木、緑、……今いるところは木が沢山生えている。それだけはわかる。
森?いやいや何処だ、ここ。
ミシィミシィ―――
なんとも言えない感覚に悩まされていると草木を踏む足音が聞こえた。
次第にその音は大きくなり草を踏む音と共に俺の目の前に止まる。
白髪のおじいさん?てか体でかくね?
とりあえず助けてと。
「ぁぅぁぃぁー」
「なんじゃなんじゃ?赤子がなぜこんな所に捨てられておる?」
そう言っておじいさんは俺を抱き上げた。
それとともにアホみたいな睡魔が襲ってくる。
ヤバイ、耐えれない……おやすみ。