2018年4月5日 和田の最終面接に"圧力"が動いた
この日、某デザイン系会社の最終面接が幕を開けた。
ぶっちゃけこんなに早期に最終面接のステージへと上がれると思ってなかったので、ここでしっかりと内定を貰いにいくのが今後のことを考えても最善だろう。
私は決戦の地、白銀高輪へと降り立った。
先ほど「今後のこと」と綴った通り、正直この企業は第1志望ではない。
しかし、インターンや面接を経るごとに間違いなく志望度が上がっていった会社であることは確かで、入社できたら嬉しいと思えることも事実だった。
先日の食事会にて、社長は面接中にソッポを向いたり、欠伸をしたり、スマホをいじったりして興味が無い体を装うのが通例らしい。
その行為には社長なりの何らかの意図があるようなのだが、とにかく聞いてないフリして聞いてるので油断しないように、とのアドバイスを受けた。
運命の最終面接。
社長と取締役との2対1。
ビル最上階にあるオフィスに向けて、エレベーターの前で深呼吸。
よし、行こう!と思ったタイミングでエレベーターのスイッチを押し…
押し…
…
おかしい。
エレベーターのボタンが反応しない。
どういうこっちゃと思うと、そのビルの人がこう言った。
『今、このあたりの建物全部停電しちゃったらしいよ』
俺の内定が何らかの政治的な圧力で阻止されようとしていた。
私は階段で9階まで移動した。
だってそれ以外方法が無いから。
まだ4月なのに大粒の汗をかいてオフィスに到着。
人事からそのガッツを褒められ、麦茶を差し入れてもらった。
そして人事にこう告げられた。
『今、この通り停電しちゃっていて、パソコンとかも全部ダウンしちゃったので、面接で使う履歴書とか資料も用意できない状態になっているので、実施するかしないかも含めて協議しますので、しばらくお待ちください。』
なんてこった。
ここまで来て延期か?とマジで思った。
しかも最悪なことに、パソコンがダウンして仕事が何もできなくなった社員が、隣の部屋に大挙して私の面接に聞き耳を立てようとしていた。
予定されていた時刻から30分くらい待っただろうか。人事がやってきた。
『お待たせしました。予定通り、これから面接を行います。すぐに社長が来ますので、ちゃんと挨拶してくださいね。』とのこと。
予定通りとはいったいなんのことだと思う間もなく、本当に入れ替わるようにして社長と取締役がやってきた。
取締役にまずは一言謝罪されてから、運命の面接開始。
まずはオーソドックスな質問をされる。
ここはいつも通り。落ち着いて自分をアピール。
社長は噂通り、一言も話すことなくスマホを見たりしていた。
私は社長の方にも目線を向けることを意識して、聞けよ、とアピール。
しっかり視線を奪えたのでここまでは作戦通りである。
しかし、次に社長のターンとなったところで私のプランは崩れ始める。
『もう君についてはこれまでの面接でよく知ることができた。君の能力や経歴については人事の評価を信頼している。ということで、今日は君から我々に対して質問してもらおうかな。』
正直このパターンは予想はしていたが、悪い予感が当たってしまったという感じだった。
私は逆質問が大の苦手である。
それは就活最初期のインターンでのOB訪問でも露呈されたのだが、私は逆質問形式に対する王道の進行を事前に対策しきれていなかった。
オーソドックスな質問はできる。
しかし、ネタが切れる。
有り得ないくらいしょうもない質問をする。
『カープの中で一番一緒に働きたいと思える選手は誰ですか?』
面接が終了した。
今までのこの企業での面接が嘘かのように手応えが無かった。
不採用の場合は連絡はしません。という非常に冷酷なシステムのために、私はその後来る日も来る日も電話を待ち続けることになるのだ。
もちろん結果は不合格。(人事が気を遣って1か月後くらいに連絡をしてきてくれた)
逆質問で入社に対する熱意が全く伝えられなかったことが明らかな敗因である。
それで無理して入社しても、という「そもそも論」から考えればむしろ落ちて良かったのだろうと思うが、明らかに今後に課題を残す面接となった。
-----2024年4月5日の私より-----
今でこそ、少し考えればもっとマシな逆質問がわんさか思いつきますが、当時はとにかく視野が狭かったですね。
とにかく企業のことをよく知ろうと思う気持ちがあればいくらでも質問が湧きます。
逆質問という形式は、就活生の志望度を測るのにはかなり効果的だと思いますね。
今後何回か最終面接は行いますが、逆質問は必ずされました。
このときの教訓が生きて良かったと思います。




