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2018年4月1日 春は別れの大ジャンプ

春は別れの季節というが、この日は春から高校生となるアルバイト先の塾の生徒の送別会のために、千葉みなとのレストランへと来ていた。


毎年送別会の会場となるオーシャンテーブルという店は、そのオシャレな外観と立地、そして料理の美味さにより、千葉に住む女性陣に絶大な人気を誇るスポットである。


日曜ともなれば午前8時頃から列ができ始めるので、確実に席を確保するために、講師陣は8時に列に並ぶ仕事を要請されるのだ。


いつもはオーシャンテーブルの近くに住んでいる人が並んでくれるのだが、普通に申し訳なかったので自転車で朝7時45分目安に到着するように家を出た。


しかし、天性の方向音痴である私は当然のように道に迷い、地図アプリを使用したことで電池の半分近くを消費するまで迷ってしまった。


結局講師の集合時間ギリギリの8時45分に到着。


道中、「8時に来るという話はどうなったのか」「いまどこにいるのか」などといったクレームが講師陣から寄せられたため、「ハワイにいる」「海を割って歩いてくる」などと意味不明な供述をして事なきを得た。




無事に他のメンバーが先頭に並んでくれたので、講師陣としての仕事は果たしたことになる。


果たしたといっても私は何もしていないが。


続々と集まってくる生徒陣にどうぶつタワーバトルを布教し、席に案内されるまで対戦していた。


送別会といっても、特別塾長などが感動の台詞を述べるわけでもなく、ただ単に大食いを強要される。


生徒講師共にノルマを勝手に課される。その量は平均的な昼食の2倍くらいであろうか。


私はとりあえずカレーを食べまくることで塾長の期待に応えた。


食事中は生徒に話しかけに行ったりして、塾での思い出を語り合ったりした。




食事が終わると、海辺で記念撮影が行われる。


まずは普通に写真を撮ったあと、私の提案で、ジャンプして浮いてる風の写真を撮ろうということに。


よくリア充がやってるアレである。


私は千葉のどっかの山で浮いてる風の写真を撮った実績があるため、生徒に上手い飛び方を伝授。


彼らにとって、私の最後の授業である。


渾身の指導の結果、なんともいえない絶妙に微妙なクオリティの写真が完成し、「そういうとこも含めて和田ちゃんっぽいよね」と謎の上から目線で言われた。(この代の生徒からは”和田ちゃん”と呼ばれている)




思えば私が初めて塾でバイトをしたとき、彼らは中2だった。


この2年でみんな劇的に背が伸びたし、特に中3で精神的に成長する人はかなり成長したし、成長しなかった人は成長しなかった。


別にそれはそれでいいと思う。ただ学力は伸ばしてほしかった。




しかしまあ、多くの生徒は希望通りの高校に通えることになったので、みんなの別れ際の顔は明るかったと思う。


改めて、教育に携わる喜びを噛みしめた一日だった。




-----2024年4月1日の私より-----


勉強と聞くとなかなか良いイメージを持たない人が多いと思います。私もそうです。


ただこの勉強もやり方や教え方ひとつで劇的に面白くなったりするので、なにかそういうきっかけを与えたいというのが私のモットーでした。


アルバイト風情ですが、かなり自由にやらせてもらったし、生徒もよく付いてきてくれたと思います。

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