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2018年3月20日 第7回煮卵福島遠征第1夜

いよいよ、池田・川口・山中・渡辺・和田の5人による第7回煮卵福島遠征がスタートした。


皆勤賞であった西田が初の不参加ということもあり、いよいよ煮卵遠征の意義について考えなくてはいけない状況となった中での本遠征であるが、深くは考えないこととした。

和田は選考が重なってしまうという痛恨のミスの影響で、一人新幹線で途中合流するという流れとなった。


前日の3月19日の出来事から話をしていこう。

この日の朝は早かった。最初に動きを見せたのは渡辺だ。

「本当に嫌だから」という自身の気持ちに対して忠実に、この日のバイトの予定をブチ消す。

深夜2時32分という常軌を逸した時間帯にそれを可能にしてしまうバイト先に大きな不安を感じたのは私だけだろうか。


13時49分。

選考前日14時まで許されている選考の予約時間変更のためのキャンセル待ちを試みる。

和田だって選考なんぞで遠征の半分潰すのは「本当に嫌」なので、およそ10分にわたって予約フォームでF5連打をし続けた。

しかし、努力は報われず。予約変更できないまま、時計の針は14時を指してしまった。

和田の指と企業のホームページに負荷が掛かっただけで、この瞬間和田の途中参加が確定した。


21時。

いよいよ遠征へ向けて、今回の参加者が松戸に集合する。


この日の就活を終えた和田も松戸駅に到着。

エイサイハラマスコイ踊りをしながら駅にて待つという和田のコメントを真に受けた山中が、本当に踊れよと脅迫。

私は本当に踊ったが池田に制止される。

和田のエイサイハラマスコイが止められて間もなく、渡辺、山中が到着。

川口は松戸に集まらなかった。池田が強引に呼ぼうとしていたが、川口が応じることはなかった。

このとき和田はスーツ姿。


そう、和田は遠征のスタートとして恒例であるプレイボール動画を撮るためだけに松戸へ来ていたのだ。


飯を松戸で食うことになっていたため、空腹で早く夕飯が食いたい山中と、できるだけ長く松戸でみんなと話がしたい和田の思惑が不一致したことにより、いつ山中が幼女に手を出すか分からない険悪なムードの中、プレイボール動画を撮影。


割と本気で不機嫌になってきた山中に押し出されるような形で、和田は松戸駅を後にした。(退場処分)


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ここから和田が遠征に再合流するまでは、あえて和田視点での遠征記を綴ろうと思う。


逐一事件が起きる度に報告するように松戸組に伝え、何か起こればいいなと思いつつ京成線に揺られていた私であるが、そこで舞い込んでくる事件のペースは私の想像を遥かに凌駕していた。あまりにも量が多すぎるので、箇条書きにしてみようと思う。

①渡辺、陰茎を失くす

②池田、知人の彼氏の前で彼女をナンパ

③渡辺、一人でティラミスを爆食い

④池田、知人の彼氏の彼女と共に密会を開催


池田の密会に下心丸出しで乱入する山中、乱入せずに狂ったようにティラミスを食う渡辺の姿はまさに煮卵らしく、未来永劫不変なのだろうと感じた。

一方、現在の池田の暴走っぷりを初期・救西会時代の池田に見せたら何を想うのだろう。きっと失神では済まないだろうな。


2018年3月20日。

この日のテーマはスピード感である。

如何に早く選考を終わらせて新幹線に乗り込むか。

新幹線の乗車券を事前に買っておくという選択肢がなぜこの日まで思いつかなかったのかが疑問だが、それは今やどうでもよいのだ。

松戸組及び川口に、寝坊などによる遅刻が無いかどうかを確認し、松戸組が寝坊したという報せを聞いて安堵した私は、選考の準備を進めた。


10時。

選考を40分前に控えた私は、まだ東京都にすら辿り着いていなかった。

原因は私の予定に20分ほどのズレが生じてしまったことだ。

では、なぜそんなことになったのか。

煮卵には「ババアを見たら注意しろ、奴らは何をしでかすか分からない」という教訓があったはずだ。

しかし、遠征に合流していないという和田の危機感の欠如が黒部のババアの呪いを生み出し、千葉のババアの思考回路を狂わせてしまった。(※黒部のババア事件については過去の煮卵遠征議事録を参照)

そうでなければ、チャージ金不足で入れないICカードで複数ある改札を完封するという愚行などしないはずだ。


なんとか快速への乗り換えがうまくいき、選考開始5分前には辿り着けそうな計算になったため、煮卵LINEで遠征の進捗をチェックする。

煮卵遠征における移動時間は、新たな遊びの発明の場となる傾向にあるため、会津若松まで鈍行で向かっていれば、さぞかし面白い遊びが生まれるだろうと期待していた。

そんな中での池田の回答は、「電車に揺られてる。特に何もしていない」とのことだった。

「何もしていない」というのが言葉の綾で、実際は何かしらしているが、特筆すべきことは起きていないという認識だったが、池田の後日談によるとマジで何もしていなかったらしい。


11時。

選考よりも煮卵遠征の沈黙の方が不安になった私は選考会場であるお茶の水に到着。

すごい勢いで遠征用の荷物をロッカーに入れに行き、いざ会場へ。

この日、私のグルディスでの気合の入り方は、これまでの選考とは一線を画していた。

貴重な遠征の時間を削られてまで選考に参加しているのだ。

ここで落とされたら馬鹿みたいじゃないか。

いつも通り、某首相級の噛み噛みの発表を遂行し、勝利を確信して選考を終了させる。

しかし、私の本当の闘いはこれからなのだ。


11時53分。東京駅競馬場第1競走。

総武線東京駅から東京駅新幹線口までのコース。

人混みを考えると馬場状態は最悪といったところだろうか。

私に課せられた勝利条件は、以下の通りである。

①「普通に歩けば15分」(出典:知恵袋)の道のりを走破すること

②新幹線のチケットを滞りなく買うこと

③改札から新幹線のホームまでの階段を走破すること

④以上を合わせて12分以内で遂行すること


この挑戦への失敗が意味するものとは、2時間に及ぶ東京駅での足止めと、3時間に及ぶ合流の遅延である。

お茶の水から総武線で東京駅へ向かっていた私の鼓動は、「まもなく東京」というアナウンスで益々早く、強くなっていく。

そして、ついに電車が東京駅に到着。

ゲートが開かれた。出走である。

正直、私の脚力をもってすれば、12分以内の乗り換えは容易い。

しかし、これは競馬である。強者には当然ハンデがある。


それは、遠征の荷物と天才的な方向音痴である。

私は道を間違えた。同じ通路をグルグル回ってしまった。

この時の私に対して、現在の私が一言。

「4回連続左に90°曲がり続けると、結局同じところに戻るんだぞ。」

大幅な時間ロスの影響か、チケット売り場に辿り着いたとき、12分の制限時間のうち9分を消費していた。

しかし、この窮地を救ったのが、東京駅新幹線口のチケット販売員の佐藤氏である。

チケットの買い方など知らない和田。いきなり「会津若松に行きたいのですが」とアバウトな願望を佐藤氏に伝える。

それに対して佐藤は、「自由席ですね?」と勝手に決めつけ(大正解)、一切の無駄のない動きでチケットを発行。

これに対して私も、お釣りのないように現金を差し出す。

さながら社交ダンスを踊っているようなチケットの購入であった。

佐藤氏から領収書を受け取り、新幹線のホームに向けて再度走り出す。

この時制限時間までは残り60秒もなかった。

勘で階段を駆け上がり、ロクに確認もせずに新幹線に飛び乗る。

新幹線が発車した後に、乗った新幹線が正しかったことを確認。


私は勝利したのだ。

席に座り、受け取った領収書の向きとは正反対に、佐藤氏のシャチハタが押されていることに気が付く。

これは「逆境に打ち勝て」という佐藤氏からのメッセージだったのだろう。正しく彼はプロであった。


勝利の報告を煮卵に送信。領収書の宛名に「煮卵組西田和史最高幹部」と書いていたら、隣の婦人に目を逸らされる。

Twitterの更新などをしているうちに、「郡山まであと30分」というアナウンスを耳にする。

鈍行組は今どこなのだろうと尋ねてみると、「いま郡山」ということだった。

最大3時間離れていた差が30分にまで縮まっていたのだ。新幹線って速い。


そして30分後、郡山に到着したはいいものの、乗り換えが1時間という現実を目の当たりにすることになる。

自撮りを投稿して遊んでいたら、「キモ」とかいう山中の投稿と共に、山中の自撮りが送られてきた。

和田家に代々伝わる「新幹線に乗ったらポッキーかトッポを食べる」という訓えにならい、トッポを食べているうちに、会津若松へと向かう電車が出発。


いよいよ合流である。


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14時55分 和田、会津若松駅に到着。

その頃先着していた鈍行組は、車で猪苗代湖へと向かっていた。


鳥の写真を撮ったり、山中が自撮りを撮ったり、渡辺が氷で滑って脛を強打したりしていたらしい。


そして15時12分、和田が合流。すぐさま昼飯を食いにいくことに。

会津若松といえば喜多方ラーメンでしょ、とのことで喜多方ラーメンを食べることになったのだが、何故か自然な流れで配席が山中1人と山中以外全員(共にテーブル席)となり、店員苦笑。

そこそこうまいラーメンを食した後は、特に観光することなく旅館へと向かうことに。


道中、前回遠征時の「べといん」案件のような突発的ネタの発生に期待していたが、いかんせん会津若松自体が観光地計画に頓挫した結果、中途半端に観光地風なくせして廃れている地域であったため、特に面白いものがあるわけでもなかった。

面白そうなものといえば、射的屋があったので、これは後で行こうということに。


予約した旅館の近くに、今にも崩壊しそうな旅館があり、「これじゃないよな…?」とか言ってるうちに旅館に到着。

ちなみにその崩壊しそうな旅館は、遠征から帰ってきてすぐに地域問題としてニュースになっていた。


『原瀧』という品の良さそうな旅館に入る前、我々は当然緊張していた。

黒部のババアを忘れてはいけない。

旅館に入る前の油断が無ければ黒部のババアにあそこまで苦戦することはなかったのだ。

今回はどんな強敵が現れるのか。

身構えるようにして我々を出迎えたのは、普通に優しそうなおじさんであった。


部屋割りを決めた我々は、とりあえず一度休憩してから射的屋へと向かうことに。

いつもは想像通り、想像以上に休憩が長くなってしまい計画が破綻するため、気持ち早めに行動開始。

射的屋に着くと、さすが田舎。店主は不在であった。山中が店長代理を務めることに。

「料金はこの箱に入れてください」と書かれた紙が貼り付けられている箱の中には小銭が十数枚入っており、日本のこういう光景は失われてはいけないと思いつつ、その箱に次々と紙幣を投入する我々。


ぶっちゃけ何を獲得しても射的代の元は取れないので、せっかくなら大物を狙おうということで我々が目を付けたのは「チップスター」である。

このチップスター、弾の素材が軽すぎるせいで、クリティカルヒットしても倒れそうにない。

撃沈していく池田の弾丸を見つつ、和田が閃く。

「全員で集中砲火浴びせれば倒れるんじゃね?」

店長山中、撮影班和田を除く、池田、川口、渡辺の3人が一斉にチップスター目掛けて発砲する作戦は、これまでの射的の概念を覆すものとなった。

全員が同じ標的に狙いを定め、池田の号令で同時に発砲する。誰一人としてミスは許されないその光景は、まさに戦争であった。

そしてみんなの想いと弾3発(計210円)が強敵・チップスターを倒した瞬間、射的屋は歓喜の渦に巻き込まれた。


せっかくだからチップスター全部倒していこうぜ、と2,000円くらいかけてチップスター4個を奪取。

帰り道のあの充実感は、広島遠征のボトルキャップゴルフを想起させた。

完全に煮卵全員で掴んだ勝利である。


そしてここがこの遠征のピークとなる。


射的を終え、温泉へ。中風呂1つ、露天風呂1つとバリエーションは無いが、良いお湯だった。

温泉の後は夕食。

コースとバイキングの両方が楽しめた。日本酒も美味であった。

岸本がいれば喜んだだろうにという声も挙がった。


夕食後、麻雀やボードゲームをやるも長続きせず、ワンナイト人狼を行うことに。

川口の常識を覆す斬新な策略がハマったりハマらなかったり、和田の「嘘を吐くとボロが出る」というイメージを逆手に取った話術で激戦となった。

結果は30ポイントで和田が優勝。

以下、池田(27ポイント)山中(24ポイント)渡辺(19ポイント)川口(15ポイント)と続いた。

そのまま風呂に入りに行き、就寝。


遠征1日目が終了した。




-----2024年3月20日の私より-----


煮卵はこれまで年に1回のペースで遠征を行っていました。


そのときの議事録は、いずれみなさんにお見せできる内容に編集してから公開しようと思っています。


特に何があったわけでもないですが楽しかったですね。


この遠征が、本当の意味でハチャメチャな旅行ができた最後の遠征かもしれません。

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