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2018年3月19日 S英社1次面接体験記

この日の私は緊張していた。


というのも、就職活動を始めてから初となる個人面接に臨むためだ。


先日筆記試験を合格したS英社の1次面接のために、私は学士会館に来ていた。


会場に辿り着くと、一人一枚の紙が渡される。


そこには「面接官に聞いてほしいことを最大3つ書きなさい」と書いており、これが超名門企業の余裕なのかと驚愕した。


私はそれに対し、「あなたが編集者になったらどんなマンガを作りたいか」という質問を要求した。


私の、それほどメジャーでもない趣味にマウンテンバイクがある。


私はこの質問に対し、マウンテンバイクを題材にした漫画の面白さをアピールしていく作戦に出たわけである。




学士会館には、筆記試験を勝ち抜いた数多くの猛者が、重々しい空気の中ひたすら順番を待っていた。


喋っていいのか悪いのか、喋ることが選考に悪影響を及ぼすのでは、という心理戦が行われるなか、私は前方の席にインターンで知り合ってラインを交換した戦友を発見。当然声を掛ける。


戦友もすごく緊張している様子で、「自己PRで言おうとしたことを緊張で忘れてしまった、どうしよう?」とアドバイスを求めてきた。


「下手に台本を用意するよりは、出たとこ勝負の方が相手に気持ちが伝わると思うよ。」


かなり早口で言った覚えもあるが、完璧なアドバイスができたと自負している。


戦友から感謝されているうちに、戦友の面接の順番が巡ってきた。


「頑張ってくるね!」と戦友は最高の笑顔を私に向けた。


これは俺に対して完全に惚れていたんだと思う。




そんな余計なことを考えている間に自分の番に。


私はこの面接で圧迫に近い面接を受ける。


紙に書いた通り、「どんなマンガ作りたいの?」と聞かれたので、マウンテンバイクを題材にしたストーリーのあらすじを展開。


すると、面接官は「それ全然面白くなさそうなんだけど、もっと面白くしろって言われたらできる?」と、今考えればごもっともなことを言ってきた。


マウンテンバイクの面白さを自分なりに説明すると、「いやぁ~、ますます面白くねぇなぁ」と暴言を吐かれた。


『一見面白くなさそうなものの中の、「おっ、これ面白いな」を見つけるのが私たちの仕事です。』と、この会社の人事は言っていた。


つまりこの考えが社内に浸透しているのなら、私の発案には面白さの要素が皆無だったことになる。


その後も会話は弾まず、散々な面接となった。


全てが空回りのこの面接の結果はもちろん不合格。


S英社への夢はここで絶たれることとなった。




しかしここでしょげてはいられない。


この日はもう1つ、個人面接があるのだ。


白銀高輪に移動。


そう、あの寸劇でグループ発表を行わせてきたデザイン系の企業である。(2月15日、3月13日の回想日記を参照)


ここの企業には本当に好印象しか抱いていないので、是非とも勝ち上がりたいところだ。


この日は1次面接である。


面接官は、うちの大学のOBだった。


1次面接では人柄を判断するタイプの面接だったのだろう。


緩~い雑談のような形式で面接は進行していき、まるでS英社とは雰囲気が180度異なっていた。


あまりにも雰囲気が緩いので、他社の選考状況は?という質問に対し、「午前はS英社の面接で酷い目に遭ったんですよ」などと口を滑らせる始末。


「S英社はウチの大事な取引先なんだけどね…」という返答に笑いで返したが、内心冷や冷やだったことは言うまでもない。


失言という反省材料が多かったこの面接だったが、結果は合格。




この日の2回の面接で完全に個人面接のコツを掴んだことが収穫だった。




-----2024年3月19日の私より-----


本当にS英社に入りたかったのであれば、もっと早く就活を開始してもっと早く面接のコツを掴むべきでしたね。


私の場合、ここが第一目標ではなかったので良いですが、もし第一目標だったら悔いが残ると思います。


とにかくS英社での失敗体験と、他では味わえない恐怖感が逆に自信となりました。

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