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2018年1月7日 競馬の必勝法を教えます

前日ディズニーのゲームで池田に完膚なきまでボコボコにされ、夢とは何かを考えながら就寝した私であったが、この日はまた違ったタイプの夢を見るために、中山競馬場へと向かうことになっていた。




池田が近日中に松戸から大森へと引っ越すため、おそらく松戸池田家と最後になるだろう別れを惜しみつつ、大学の友人、田辺が待つ競馬場へと向かった。




私の競馬予想のコンセプトは、考えないことである。


何故なら、過去の戦績などのデータなど正確に読み取る能力は無いし、血統理論についても微塵も知識が無いからである。




私にとっての考えることの無意味さは、かつて4ヶ月に渡って馬券が外れ続けた時期に、思い切ってあみだくじで馬券の買い目を決めて、14万馬券が的中したという経験が裏付けている。




この日は、完全にあみだくじで買い目を決めるのではなく、パドックで馬の目を見て、やる気があるかないかを判別した上で、条件を満たした馬からあみだくじで買い目を決めるという、オカルティックな馬券術を採用した。




一見破滅の予感しかしない予想方法ではあるが、しかしこれが功を奏した。順調に勝ちを重ねていく。


破産を心配した池田から、ちょくちょくラインが飛んできたが、池田のラインが来る度に私の勝ち分は増えていった。




私は特に騎手の好き嫌いはない。


しかし、因縁のある騎手はいる。大野ジョッキーだ。


彼は、私が買いたいと思う馬に高確率で騎乗している。


そして負ける。1番人気でもだ。


そして、大野騎乗以外の馬に賭けた時は、大野が勝つ。




この日、6000円の勝ちを積み重ねていた私は、9レースで大野に勝ち分を全賭け。


複勝を購入したので3着以内に入れば良いのだが、1番人気の彼の馬は、私の勝ち分と共に馬群に沈んだ。




もちろんここで私は諦めない。


二度と大野には賭けないと決意し、収支プラマイ0で迎えた運命の第10レース。


私が間違いなく走ると見込んだ馬の騎手は、大野だった。




もうこれ運命でしょ。と悟り、最後の晩餐と称してミスタードーナツを頬張る。


大野との決別から20分後。私が手にした馬券は、大野騎乗の馬の単勝1万円。




そして迎えた第10レース。


ゲートが開くと同時に大野の馬が先頭に立つ。


その後、ペースを完全に握り続け、後続を離して先頭のまま最後の直線に。


完全に勝ちパターンでしょこれ。などと思っていたら、一頭の差し馬が凄い末脚で追い込んできた。


ゴール直前、どちらが勝ったのかかなり際どいタイミングで、場内に写真判定の放送が流れる。


私と同じく大野の馬券を買っていたらしい、隣にいた歴戦の猛者のような風貌の老人の「こりゃ差されたわ」の一言で私は敗北をほぼ確信していた。




そして写真判定の結果が出た。


恐る恐る結果を見る。


1着は大野の馬だった。粘っていた。馬体は相手の方が前だったが、頭だけは先に入線していた。


私は大野と和解した。15000円の大勝利。


メインレースで大野アゲインに失敗し、5000円負けたため、総計は10000円の勝ちとなった。




帰りの電車で、田辺に焼肉にでも行かないかと提案したが、田辺はまさかの拒否。


彼は今日の競馬全レースを真剣に予想していたようだ。


その結果、睡眠時間は30分ほどだったらしく眠気のピークが来ているとのこと。


しかも4万も負けていた。




やっぱり競馬は予想ではなく、運命である。




-----2024年1月7日の私より-----


当時の私はスランプのあまりこのような競馬の購入方法をしていました。


この年あたりから本格的に予想理論を勉強し始め、ようやく2021年にスタイルを確立。


今では立派に年間回収率70%台を安定して叩き出しています。


やっぱり競馬は理論ではなく運命です。

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