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2018年3月10日 S英社の筆記試験を受けた話

この日は出版業界では難関として知られるS英社の筆記試験を受けに、水道橋までやってきた。


さすがに超人気企業ということもあり、受験生の人数もエラいことになってたのだが、全員が過酷なES戦争を勝ち抜いた精鋭達である。


ここの筆記試験を通過することが一つの大きな自信となるはずだ。




受験層を考えても、時事問題や常識問題では正直勝てる気がしないので、作文で勝負をかけるという作戦になるのは自明だった。


作文は毎年、三題噺が出題される傾向にあるようだ。


三題噺とは、ざっくり言うと、『車・正義・ジャイロボール』のような何の関係もない3つの単語を活用してオチのあるストーリーを作れ、というものだ。


よくありがちな作戦は、予め自分の中で面白いストーリーを用意しておいて当日出たお題を適当に入れてアレンジする、といったものだ。


ここで私は、煮卵で実際にあった爆笑ストーリーをベースにしようと考えていたのだが、オチがド下ネタであることだけが唯一の懸念点だった。




筆記試験は、マーク式問題・漢字・一問一答式問題と、作文問題の2パートに分かれる。


まずはマーク式の問題から。


前半は4つの選択肢から答えを選んでいく形式なのだが、まあ問題が普通ではない。


『以下4組のお笑いコンビの写真のうち、ツッコミとボケの立ち位置が他3組と異なるものを選べ』


『以下のインスタグラムの投稿の内、ハッシュタグの内容と写真の内容が異なるものを選べ』


みたいな今までに見たことのないタイプの問題がバンバン出てくる。


解いていて確信した。


これ選択肢問題ではあんまり差が付かないやつだ、と。




次に漢字問題。


出版社の漢字の問題は死ぬほど難しいという就活体験記をよく目にしていたのでビビッていたが、実際は漢検2級レベルの漢字であり、そこまで難しいわけではなかった。




最後に一問一答。


大谷翔平が所属しているメジャーリーグの球団はどこか?という、私にとっては超サービス問題に、『エンゼルス』なのか『エンジェルス』なのかで迷いが生じたのが汚点。




そんなこんなで、まあ正答率5割も無いだろ、という感じで前半が終了。


でもこれでいい。


勝負は後半の作文問題なのだから。




作文問題開始。


お題は『なぜ私は〇〇するのか』の〇〇に単語を入れ、実話を基にした話を書け、というもの。


三題噺じゃないんかいっ!とウッカリ声に出しそうになるほどの衝撃があったが、むしろこの不意打ちは私にとって好都合だった。


というのも、一瞬でストーリーが頭に浮かんだから。




私は、『なぜ私は人一倍グラウンド整備をするのか』というテーマで文章を書いていく。


「甲子園で有名なのが阪神園芸なら、我が大学で有名なのは和田園芸だ」


「不動の4番でチームの精神的支柱だった井口さんが、グラウンド不良が原因で怪我をし引退する」


といったストーリーを書いていく。


実話を基にするという条件があったが、これは実話を基にしていると言ってもギリギリ許される範囲のはずだ。


完全にビッグウェーブに乗り、快調に書き進め、多くの時間を残して書き終えた。


誤字脱字を確認し、会場一番乗りで提出して颯爽と退室。


終わり良ければ総て良し、といった良い感触で筆記試験を終えることができた。




結果は合格。


これでやっと1次面接への進出が決まった。


まだまだ道は長い。




勝利した旨を煮卵に報告しようとしたら、池田がトラブルに巻き込まれていた。


池田は卒業旅行として、4名でミステリーツアーに参加していた。


しかし、そのうち2名が痛恨の遅刻。


ミステリツアーで遅刻はマジでやっちゃいけないやつ。


2名を合流させるために、池田にのみ主催者側から筆談で行き先が伝えられ、池田にとってのミステリーが虚無へと変化してしまった。


「ミステ」リーだけに「見捨て」ちゃえば?という渾身のクソギャグを華麗にスルーするくらい池田も大変だった。


行き先は諏訪湖だったらしく、諏訪といえば第1回煮卵遠征だよな、という思い出話に。


「もう1回諏訪湖に行きたい」という話の2秒後に「サンフランシスコ行きたい」という話になるなど色々ぶっ飛んでいたが、こうして充実した1日が終了した。






-----2024年3月10日の私より-----


この日の筆記試験はよく覚えています。


非常に問題を解いてて面白かったのが印象的ですね。


帰り際、出口の場所が分からず、同じく早めに退室してきた受験生の方ともお話をしましたが、その方は浪人受験したとのこと。


さすがS英社といったところでしょうか。

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