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2018年3月5日 違和感からの解放

この日は、先日親知らずを抜歯した箇所の抜糸のために、半ばトラウマとなっている病院へと赴いた。


口内に糸がある状態だと、ただでさえ気になるのに加え、万が一にでも糸が外れてしまったら、再度あの絶望的な激痛に襲われるのかと考えると、全く食事が楽しめなかったため、抜糸できるこの日が心の底から待ち遠しかった。


その期待感から比較的憂鬱にならずに病院で受付まで終えたのだが、ベンチに座って診察室に呼ばれるまでの時間で懸念が頭をよぎる。




(抜糸のときもまた激痛を私が襲うのでは…?)




一度それを疑い出すと私の脳内は半ばパニック状態となり、とはいえ病院内なので大っぴらにスマホで検索するわけにもいかず、まさか抜歯ほどの痛みはないだろうと冷静になりながら待機していた。




診察室に名前が呼ばれた。


私が座っていたベンチから診察室までの距離はせいぜい10mほどだったが、その道のりは非常に遠く険しく感じられるほど気が重かった。


一説によると、ネガティブな感情を抱きながら施術すると痛みが増幅して感じられるというのを聞いたことがあったため、無理にでも作り笑顔で医師のもとに向かった。


私の笑顔を前に医師はちょっと引いていた。




抜糸の流れについて説明を受けた。


「なぁに、簡単な内容ですよ」と半笑いで医師が言っているのを聞いて、何をそんなにヘラヘラしているのかと怒りが込み上げる。


半信半疑のまま診察用の椅子に座り、抜糸開始。


このときの私の発汗量は3月のそれではなかったが、もちろん医師の手は止まらない。




抜糸箇所に医師の手が伸びる。チクチクとした痛みはあったが、それほどでもない。


というか、冷静に考えたら抜歯であの痛みを経験したのだ。いまやどんな痛みでも耐えられる。


あっという間に抜糸が終わり、病院を後にした。




病院を出た私は幸福感に満ちていた。


これでやっと好きなものを食べられる。


この時点で体重は手術前と比較すると、1週間で5キロ減っていた。ほぼうどんしか食べていなかったためである。




とりあえず、抜歯した日に本当は食べたかった「かつや」でゆっくりカツ丼を食した。


このときのカツ丼が今までの人生の中で最もうまいカツ丼の1つであった。


やはり、美味しいものを食べてこその人生である。




口内の懸念事項が解消し、いよいよ翌日から訪れる就活13連戦に向けた準備を整えた。


そして、最初の相手はあの因縁の企業、V社である。




-----2024年3月5日の私より-----


本当にこの日のカツ丼は美味しかったです。


当然抜糸したとて口内に穴はある状態なので、そこに食べ物は詰まりますが、それ以外は何も気にしなくて良くなったのは大きかったですね。


いよいよ翌日以降は本格的な就活編に突入します。

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