2018年2月26日 失神しかけの地獄の一日
この日は下の親知らずの抜歯という恐怖感漂うイベントを迎えようとしていた。
そして、既にこの時抜歯するのに最悪な環境が生まれているにも関わらず、それに拍車をかけてしまった和田。
それは一体どういうことか。
話は昨年10月にまで遡る。
昨年10月。下の奥歯が痛くなったり治まったりを繰り返していたので、歯列矯正のために通っている医院でレントゲンを撮ることに。
レントゲンの結果、親知らずが虫歯になっていることが判明する。
この時既に虫歯の進行は進んでおり、委任状を書くからなるべく早く抜歯しろと言われた。
私はすぐさま歯科大学に予約の電話をする。
すると、「最短で来年1月末の抜歯になりますね」と宣告された。これが地獄の始まりだった。
そして1月末。一度抜歯前の検診を済ませた際、レントゲンを撮ると、虫歯はさすがにかなり進行しきっていた。
更に悪いことに、抜歯の予約が全く取れず、結局この日にまで先延ばしになってしまったのである。
早く抜歯しろと言われてから4か月。
ただでさえ良いとはいえない状況に加え、抜歯前日の私はアルコールを飲むという愚行に出てしまった。
なんか健康診断と同列に考えていたのだ。抜歯は昼過ぎだから、前日に飲む分には構わないだろう、と。
さあ、地獄のカーニバルの始まりだ。
病院に到着。
手続きを済ませ、待ち時間を経ていざ抜歯。
まずは口腔麻酔注射。一度麻酔注射はしたことがあるが、そのときは全く痛みを感じなくなったので、今回も同様だと考えていたのだ…
確かに最初は何ともなかった。
しかし、途中から確かに痛みを感じるようになり、その痛みは徐々に増していった。
痛みを感じたら手を挙げて、と言われていたが、ある程度は許容するものだと思っていた。
しかし、痛みはその許容の範囲を軽々と超えるものとなっていった。
痛みがあることを告げると、麻酔を追加した。
しかし、全く痛みが消えない。感覚が確かに残っている。
その後も感覚が無くなるまで麻酔を投入したのだが、合計6本もの麻酔を打っても全く痛みは消えなかった。
7本目の麻酔の刺しどころが良かったのか、感覚が消えたので、抜歯を続行。
これで安心…と思ったのも束の間だった。
いよいよ本腰入れて歯を抜くために医者が力を入れる度、眼前が真っ白になるような痛みに襲われた。
というか、目は閉じているのに目の前が真っ白になった。
いや死ぬだろこれ、と思ったし、その痛みは医者にも通じたのだろう。
しかしこれ以上麻酔の効果は望めないらしく、医者が内線で他の医者のヘルプを求めていたのを記憶している。
痛みのピークがこれか…と思っていたが、抜歯はそんなに甘くない。
もしかしたら麻酔が効いてないのかもしれない、という旨の説明を受ける。
いや、効いてないと思うよ、俺も。
念のため、もう1回だけ麻酔します。とのこと。
もはや全身麻酔してほしかった。
そしてここからが本当の地獄だった。
最後の麻酔は効かなかった。
「痛みのピーク」だと思っていたのと同様の痛みが、医者が力を入れる度に襲う。
その回数は1回ではなく、6,7回はあっただろうか。
そのたびに死を覚悟するレベルの痛みが私を襲い、これが拷問か…とか思っていた。
なんとか抜歯が完了。
終わってからは全く痛みを感じなくなった。
抜けた歯を見てみると、原型を留めていないほどにボロボロ。
虫歯は相当進行していた。これが麻酔が効かなかった理由の1つらしい。
二度と抜歯はしないと心に誓い、術後の痛みを想像して憂鬱な気持ちになりながら帰宅した。
しかし幸いなことに、術後の痛みや腫れは全くなかった。
まるで術中の痛みが嘘だったかのように。
生きていることに感謝しつつ、翌日起きたら痛みが再発していないことを祈りながら早々に就寝したのだった。
-----2024年2月26日の私より-----
人生で間違いなく一番痛かったです。
これから抜歯をするという人には必ずこのときのエピソードを話し、嫌な顔をされます。
「目の前が真っ白になった…」というのがポケモンだけの話でないことが痛いほどわかりました。
実はもう1本親知らずがありますが、抜歯しなくて良いとのことだったので抜いていません。




