2018年2月24日 地獄のグルディスと運命的な慶應生との出会い
この日は、そこそこ日本で知名度のあるスマホアプリ系ゲーム会社の選考に向かった。
六本木ヒルズの一角にあるその企業は、典型的な成功をおさめたベンチャー企業らしく、伝統を全く感じさせない『オシャレオフィス』の教科書のような内装であった。
しかし選考会場の部屋に進んでみると雰囲気は一変。
アプリに登場してくるアニメキャラクターの絵が等身大以上の大きさで描かれており、まるでスーパーエリートオタクの部屋のような内装となっていた。
フロントとのギャップに軽くドン引きしながら待機していると、続々と学生が集まってきた。
今回の選考の参加者は15名とかなりの少人数であり、話してみて分かったが、多くはエンジニア志望の理系の学生だった。
そして全員アニメ好き。
選考の前に軽い企業説明会が始まり、V社を彷彿とさせる熱い社長自慢でウンザリしたところで選考がスタート。
形式はグループディスカッションであり、お題は「年間課金額上位100位のアプリの特徴を考え、課金したくなる理由を挙げよ」というものであった。
ちなみに私はゲームが苦手なので(嫌いではない)、上位100位に入っているアプリでさえ殆ど知らないというディスアドバンテージがあった。
今回のグループメンバーもなかなかの曲者揃いであった。
出身地のディスり合いから男2人が口喧嘩を始めるという訳の分からない状況、推しのキャラクターの良さについて長々と語り始めてしまう腐女子、そしてそもそもアプリゲームに興味がないことに途中で気が付いてしまった俺と、地獄のようなディスカッションが続き、唯一まともだった慶応大の男性が気の毒でしょうがなかった。
結果的にグループ内で意見がまとまるわけもなく、慶応生が何とか頑張って意見をまとめてくれた。本当に感謝している。
しかしその意見も選考官に一蹴され、「和田君はあれだね、スマホアプリを何も知らないね」と分かりきったことを言われた。
後日、もちろん結果は不合格。
しかし慶応生のおかげでグループディスカッションでの立ち振る舞い方を学べたことが最大の収穫であった。
※これも縁なのかもしれないが、この慶応生とは、今後同じ企業で働くことになる。
グループメンバーと共に最寄り駅まで歩いている最中、腐女子が「今日のディスカッション、すごく話しやすかった!私たち結構相性良いのかもね!」などと意味不明な供述をしており、背筋が震えたのを記憶している。
互いの就活の健闘を誓い合い、この腐女子とは二度と選考会場で会わないことを祈りつつ千葉へと帰ったのである。
-----2024年2月24日の私より-----
グルディスにおいて、まとまらないメンバーをどのようにまとめていくかというスキルは非常に大事だと思います。
当時の私は出身地でディスり合いを始めた2人と腐女子のことを、議論が苦手な人として捉えていましたが、実際に働いてみると、そんな人はたくさんいるということに気付いたからです。
もちろん私もディスカッションが得意な人間ではないので大それたことは言えませんが…




