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2018年5月17日 男子校の罪~後編~

この日も前回に引き続き、山中が我々に与えた3日間を使って男子校の闇についてお伝えしようと思う。


今回はその後編である。




高校最後の年。高校3年生。


受験勉強が本格化し、いよいよ数式やアルファベットに対して欲情するモンスターが複数現れる。


これでは勉強しかしてこなかったために、全く異性と無縁だった小学生時代と同じ失敗を繰り返してしまう。


まだ小学生なら良いが、我々はもう高校生。


男子校の生徒の基本的認識では、共学に通う生徒らはほぼ全員付き合っている人がおり、異性の扱いに対する最低限のマナーも持ち合わせている。


大きく後れを取り、もはやこれまでと思いきや、塾通いの級友らが一条の光を見出す。


そう、塾には異性がいるではないか。




大学受験よりも恋愛の道を志す者も一定数おり、塾は効率的な出会いの場、という自論をかまして異性にアタック。


同じ空間にいる以上、挨拶やちょっとした会話程度までは話が進むようなのだが、男子校の生徒は、そのちょっとした会話に尾びれを付けまくり、ほぼ原形がないくらいの成果として学校に報告を行う。


この報告は二次被害を生む。


中には、塾に通っていない級友もいたのだが、何も出会いの場は塾だけではない。


行きつけのマクドナルドの女子高校生アルバイトに目を付ける。


「スマイルください」という痛い注文を試みるのだが、ここでサービス精神旺盛に期待に応えてしまった女子高校生バイトを見つけるや否や、「あのバイトは俺に気がある」などと言いふらし、その日の学校帰り、当該店舗に級友が殺到してちょっとしたパニックになる。


全員「スマイルください」と注文するので、女子高校生バイトにとっても大変迷惑な話である。




たまにSNSで、男子校出身の童貞は基本的に恋愛面で人畜無害なので、浮気の心配が無くむしろ優良物件であるという投稿を目にすることがあるが、この考えは男子校出身の私からすると大きな間違いである。


彼らは自ら檻の中に閉じこもっている肉食動物であり、ひとたびこの異性にはマウントが取れると思われたら、すごい距離感かつ高い湿度でアプローチをかけてくる。


しかも勇気と自信はないので個人ではなく集団で。


私自身、異性に対する距離感が全く掴めずに苦労した経験があるので、彼らも決して悪気があるわけではないということは記しておく。


ただし、自身の大学生時代の行動を振り返っても、級友の異性と接している姿を見ても、まあ普通にキモい。




つまり、キモい童貞対策として、ナメられないように派手な格好をするという女子の行動は大正解である。


そのような異性に話しかける勇気などあるわけないのだから。




話が逸れてしまったが、そんなこんなで恋愛面で周りに迷惑をかけまくる害悪集団と化した我々は卒業を迎える。


男子校の闇は、異性が間近にいる場合において表面化し、男子校の罪と化す。


大学生活が始まると、異性に挨拶されただけで好きになってしまう、異性と目を合わせて話せない、清楚っぽい女子大学生がチャラい先輩に抱かれているという話を聞いて日本の道徳教育の敗北を知る、などの苦難が待ち受けている。


それは人によっては改善するのだが、我が校のOBの50%が生涯独身(内、更に50%は生涯童貞?)という同窓会調べの悲しきデータが証明している通り、なかなか治るものではない。




そう、これこそが男子校の罪である。


そう思うと、5月14日に山中があのような発言に達してしまったのも、決して山中だけが悪いわけではないということが分かるだろう。


ただし、これを放置しておくわけにはいかない。


山中もまた、救われるべき存在である。


3日間の熟考の末、私は比較的ではあるがまともな池田とこの状況を共有、意志確認し、山中を救うプロジェクトを発足。


この活動は2024年現在でも続いているのである。




-----2024年5月17日の私より------


めちゃくちゃボロクソに書きましたが、私は我が校が好きです。


男子校という制度にも賛成派です。だって楽しいから。


たまに他人に迷惑をかけてしまう部分があるのでそこは嫌なところですが。


仮に私に息子ができたら男子校に入れたいと思っています。

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