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2018年5月16日 男子校の罪~中編~

この日も前回に引き続き、山中が我々に与えた3日間を使って男子校の闇についてお伝えしようと思う。


今回はその中編である。




性癖の歪みが蔓延した高校1年を経て、我々は高校2年生になった。


我々の性知識はひどく偏っているので、世の中の共学に通う高校生は、全員初体験を済ませている年齢だと思っている。


故に、当然のように彼女すらできるはずのない我々は焦り始める。




中には、自身のサブメールアドレスの登録名を女子の名前にし、自身のメインメールアドレスに向けてメールを送信することで、俺にはメールを交換できる女子がいるということを執拗にアピールする悲しき輩まで現れる。


そんな我々にとって唯一の異性と交流できるイベント、それが学校行事である記念祭である。




この記念祭で我々の童貞力が爆発する。


異性が間近にいるという異常事態を眼前にし、多くの級友が鼻息を荒くしながらナンパを試みる。


とはいえ、スマートなナンパではできない。


集団で女子の近くまで行き、「お前いけよ!」「え?俺?いやお前いけよ!」みたいな、あと6年若ければ初々しく微笑ましいやり取りを経た後のナンパであり、だいぶ湿度が高い。




ナンパを決行する人を、「はじめてのおつかい」のような体制で複数人で見守る。


勇者が女子に声を掛ける。ここまでできたら上等である。


その後に続いた一言は悲惨なものだった。


「ちょっといい?俺イケメンでしょ?」


女子に逃げられる。


追いかける。


悲鳴をあげられる。


そりゃそうだ。




結局、誰一人彼女をつくることはできない。


ナンパに成功するのは他校の男子高校生のみ。


大学生になった我が校のOBですら撃沈している様子も散見される。


むしろ年齢差が生じている分、犯罪性が高くなってしまっている。


記念祭の後の打ち上げでは、異性に道案内などで声を掛けられた回数を「逆ナンされた回数」と虚偽申告し、この世で最も醜いマウントの取り合いが始まる。




高校3年生ともなるといよいよまた大学受験に向けてお勉強に励まなくてはいけなくなるので、ここが最後のチャンスと言っても過言ではなかったのに。


そんな悲壮感に学年中が包まれる。


遂には、「女子高校生は実は存在しておらず、駅などで見かけるセーラー服を着た女性は、アニメで登場する女子高校生のコスプレイヤーなのではないか」という意味不明な説が多数の支持を得てしまう。


支持を受けたことに快感を覚えた級友が、将来的に政治家として出馬する意向を示すなど、国政の未来にとっても明るくないニュースが生まれてしまう。




そして運命の高校最後の年を迎えるのであった。


後編に続く。




------2024年5月16日の私より------


うーん、ノーコメントです。

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