2018年5月13日 自己アピールは強引にするもの
この日は、私が実質的に所属している野球部の公式戦が行われていた。
地域の下位リーグに所属している我々野球部の最大の使命は、上位リーグへの昇格である。
そのためには、いま所属しているリーグでの優勝、そしてリーグ入替戦での勝利という2つの関門がある。
この日は、その1つ目の関門、リーグ優勝がかかった一戦となった。
采配を振るうのはもちろん学生監督の岡田。
正直地力では頭一つ抜けているが、何があるか分からないのが野球。
常にベストな状態で戦うため、岡田は野球部の悪しき伝統をいくつか取り払った。
その1つが年功序列制の廃止である。
学生監督が指揮を振るう我々野球部では、監督より学年では上の選手が所属していることもあり、暗黙の了解でその選手を起用しなければならなかったのだが、岡田は成績次第で高学年だろうとベンチに追いやった。
また、かつて好成績を残した選手も、現時点での調子が良くなければ容赦なくベンチに落とした。
この成果がこの試合でも出ており、下級生が泥臭いプレーで得点を重ねた結果、何とか1点差で勝利をもぎ取り、優勝を決めた。
我々野球部の目標は達成されたわけではないが、これで目標達成への道が開いた。
監督の岡田は勝利の余韻に浸ることなく、そのまま就職活動へと急いだのである。
岡田は試合会場から面接会場へ直行したため、大荷物で面接を受けたきたようだ。
しかしこの面接官はその荷物に一切触れることなく面接を終了させようとしたらしい。
そこで岡田は、特に聞かれてもないのに「今日うちの野球部優勝したんすよwww」と勝手に自己アピールしてきたらしい。
帰り際に、優勝監督というあだ名を付けられたらしいので、岡田のアピールは成功といえるだろう。
就職活動を終えてお疲れの岡田は、もはや当然のように私の家へ帰ってきたので祝勝会を開いた。
ここで私は、昨日の面接会場で借りたシャーペンをそのまま自宅へ持って帰ってきてしまったことに気が付く。
間違いなく面接に落ちた上に窃盗までしてしまった。
これには岡田も呆れていたが、酒を飲んで忘れたのであった。
-----2024年5月13日の私より-----
確かこのシャーペンは後日返却しました。
岡田の面接は日曜日に行われたということもあり、別に受かってもそんな企業いきたくないよね、みたいな話をしたのを覚えています。
この回想日記は6月に私が就活を終了させた時点で一区切りしようと思います。
そのときまでに野球部の結末も書ければ良いのですが、時系列が微妙ですね。




