第三章:……私はお前の剣であり、盾なのだから/01
第三章:……私はお前の剣であり、盾なのだから
「なあフレイア、ウェインとフィーネちゃんってどうしたのよ?」
「さあ……? 私は何も聞いていませんけれど」
――――二人がそんな激闘を繰り広げていたことなんてつゆ知らず、エーリス魔術学院では……風牙とフレイアが朝のホームルームの時間を過ごしていた。
そんなホームルームの最中、ウェインたちが居ないことに気付いた風牙の発言がこれだった。席の近いフレイアにぼそぼそと小声で囁いてみるが、首を傾げた彼女もどうやら知らない様子。
「あのー、すんませんちょーっと良いっすか?」
だから風牙は声を上げると、教壇に立つエイジに……担任教師のエイジ・モルガーナに訊いてみることにした。
「はい、どうしました?」
「ウェインの野郎とフィーネちゃんが居ないんすけど、なんか聞いてません?」
するとエイジは「お二人のことですか?」と反応した後、
「お二人なら、どうやら今日は欠席のようですね」
と、端的に答えてくれた。
「休みっすか?」
「二人揃って……ですか。なんだか変ですね」
その答えを受けて、風牙とフレイアは揃ってきょとんと首を傾げる。
実際、中々に不思議な話だ。あの二人が同時に欠席とは……単なる風邪とも思えないし、何か特別な事情でもあったのだろうか。
「えっとですね、どうやら転入前のところで手続きに不備があったみたいで、その辺りの処理のために今日は帝都エルドラゴンに行かれているそうです」
そんな不思議そうに首を傾げた二人に、エイジはまた端的に答えてくれる。
「私も直接聞いたわけではありませんが、保護者の方から連絡があったみたいです。ですから今日はお二人ともお休みということで」
無論、こんなのは適当にでっち上げた欠席理由だ。
まさかスレイプニールの緊急任務のために出掛けた……なんて口が裂けても言えるはずがないから、理事長を通してニールが連絡しておいたのだ。
「へえー、エルドラゴンにねえ。大変だなあ二人とも」
「帝都ですか、ここからだと距離がありますし……放課後までには間に合いませんものね」
だが当然それを知るよしもない風牙とフレイアはすんなり納得した様子で、こんな風に各々の反応を見せている。
ということで、どうやら今日のところは二人の居ない一日になるようだった。
「……さて、では連絡事項を続けましょうか」
答えて、質問してきた二人が納得したのを見て……エイジはこほんと咳払いをしながら話題を切り替えると、ホームルームの続きを粛々と進めていくのだった。




