表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダイバージェンス・フィーネ  作者: 黒陽 光
Chapter-02『金色の姫騎士』
PR
48/137

第二章:ムーンライト・デュエル/01

 第二章:ムーンライト・デュエル



 ――――しかし、突然の出来事は真夜中に起こった。

 午前二時を少し過ぎた頃、草木も眠る丑三つ時のこと。203号室に突如として鳴り響いたけたたましい緊急アラートが、穏やかな寝息を立てていた二人を叩き起こした。

「ッ……!」

「何事だっ!?」

 ビーッ、ビーッとわめき散らすアラート音を聞いた瞬間、二人がバッと飛び起きる。

 フィーネが先にベッドから飛び降りて、隣のベッド――物置と化しているフィーネ用のそこから、二つ折りの大きな通信機を引っ張り出す。

 これがやかましいアラート音の発生源だ。この音が示すのは緊急の呼び出し、それもかなり差し迫った事態の時にしか鳴らないものだ。

 戻ってきたフィーネが元のベッドの上でパカッと通信機を開けば、すぐに灯ったモニタの光が薄暗い部屋をぱあっと照らす。

 暗闇に慣れた目には少しばかり刺激が強かったが、でもすぐに慣れてきて……そのモニタに映ったニール・ビショップの顔が、すぐに二人の目に飛び込んでくる。

 いつも通りのぼさぼさ頭の赤髪と不精ひげが二人を出迎えたが、しかしその面持ちはかなり深刻な様子。それを見てウェインもフィーネもただごとではないと察し、真剣な面持ちでモニタ越しの彼をじっと見つめる。

「どうしたニール、一体何事だ!?」

「おいおっさん、何があったってんだよ!?」

『――――緊急事態だ、コードDが発生した』

 コードDが、発生した。

 その短い一言を告げられた二人が、ただでさえ真剣だった表情を更に強張らせる。

 …………コードD、それは次元災害を示す単語だ。

 それが発生したということは、即ちどこかにワームホールが発生し――――超次元帝国ゲイザーの尖兵が、現れたということだ。かつてフィーネが家族を、妹を奪われた……あの夜のように。

『海軍がDビーストの出現を確認している、スレイプニールにも出動要請が出た。こんな夜中に悪いが……二人とも、すぐに出てくれ』

「言われんでもそのつもりだ! Dビーストが相手なら……俺たちしか対処できねえんだからな!」

「五分で寮を出る! ニール、合流地点を教えてくれ!」

『場所はポイント2‐6、そこでヘリにピックアップさせる。場所は……分かってるよな?』

 敢えて確認じみたことを言うニールに「あたぼうよ!」とウェインは即答する。

「私たちはとりあえず寮を出てピックアップの場所に向かう、詳しいブリーフィングはまた後で聞く!」

 続けてフィーネは言うと、ニールの返事も聞かずに通信機をバタンと閉じて……隣に座るウェインと見合う。

 ウェインの顔色はまだ眠たそうな様子だったが、しかし緊急事態だから仕方ない。スレイプニールに……この二人に緊急出動の要請が出るということは、即ちそれだけ切羽詰まった状況ということなのだから。

「ったく、ンな真夜中に出なくたっていいのによ。こちとら寝不足確定だぜ」

「だが、対処できるのは我々をおいて他にない。……行くぞウェイン、遅れるな!」

「あいよ!」

 ベッドから飛び降りて、素早く制服に着替えた二人はそのまま寮の部屋を飛び出していく。

 草木も眠る丑三つ時、静かな月明かりが見守る真夜中に……しかし状況は穏やかな眠りを許さずに。ウェイン・スカイナイトとフィーネ・エクスクルード、二人のエージェントの戦いが今、人知れず始まろうとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ