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クソ美人な教授に目をつけられて俺の単位はもう終わりかもしれない。  

作者: 丑上ゆゆ

 世に伝わる勇者パーティが世界を救ってもう数年が経つ。

 

 邪神討滅の知らせを聞いた時は純粋無垢な高校生だった俺は、気づけば大学四回生の崖っぷちに立っていた。

 

 

 

 そう、単位が足りないのである。

 

 

 

 まだ留年確定という訳でもない。この一年全力で頑張れば卒業はできるだろう。

 

 季節は春。温かい春風と日々の狂った寒暖差に見舞われながら、世界で最も優れた魔法使いの教授様と出会ったのはそんな季節だった。






 

 「マジかよ、小林先生のゼミ、ハズれたわ」



 小林先生とは、俺が三回生の時のゼミの先生である。


 一言で言うと優しいおじいちゃん。実態はイカれた魔道士で、生徒を実験台にすることで有名である。


 小林先生は遅れた提出期限を笑ってくれて、休み過ぎた欠席をレポートに変えてくれて、出来の悪い提出物を実験の被験体になることで良をつけてくれた恩師である。ガバガバとも言う。


 小林先生は魔道学部の教授陣営で一番の当たりであり、倍率も高い。


 「落ちこぼれ生徒はいらねぇってか……?」


 ぐうの音も出ない、まさに正論である。

 誰がどのゼミに入るかは、大学運営が決めることである。


 たかだか一生徒の要望などミジンコにすら劣る扱いなのであった。


 倍率の高いゼミには生徒を選ぶ権利があり、受講態度や専門分野によってドラフトピックされてゆく。


 受講態度:C (小林先生の寛容)

 レポート評価:A (実験台の産物)

 

 専門分野に関しては去年そのゼミにいたんだから問題はないだろう


 何にせよ、俺は小林先生に選ばれなかった男に過ぎない。


 悲しいかな、実験台もバイト代が出たし、楽しかった。

 何よりなんとか単位をくれた先生と別れを告げることになるとは、マジで全く思いも寄らなかった。



 敗北者である。卒論を落とせば問答無用でコンテニュー、つまり留年だ。


 で、そんな俺が今年入るゼミはと言うと……



 『現代魔術論理: Sophie Xceed Anderson 』


 …………誰?






 現代魔術論理、古臭いカビた魔術論理をまとめてゴミ箱にぶち込み、一から土台を積むことで不死鳥の如く蘇った現代最先端の学問である。


 古い魔術は揃ってゴミである。意味のない身振り手振り、格式張った口述、無駄な詠唱。魔法陣は手書きのみ可。


 そんなクソ魔術をクソ未満であると言い張ったのが現代魔術論理である。


 魔法陣はコピーしてペースト。3Dソフトで設計を行い、詠唱は省略。あっても一工程。

 寝っ転がって魔術を行使し、それでいて全てを焼き尽くす。


 発電、施工、害獣駆除からお部屋のリフォームまで何でもできる、今をときめく最先端。


 ちなみに権威ある魔術協会からは非難轟々である。


 俺は寝っ転がって魔術を使うのが大好きである。

 よって魔術協会もクソである


 ちなみにうちの大学は歴史こそあるものの古腐った魔術が主流であり、去年にこんな項目は無かったと記憶している。


 ついでに教授の名前にも覚えが無い。



 ソフィーア・エクシード・アンダーソン

 シラバスを見ても顔写真は載ってない。


 それどころか講義内容すら満足に書かれていない、まあ四回生のやることなんて就活と卒論だと相場は決まっているが。



 名前からして女の教授だろう、美人だとやる気も出るって言うものだが

 

 端末の画面を閉じ、講義への興味をなくす。


 何故ならば春休みは後少ししか無いからだ、クソのカスほどの意欲の湧かない大学より、ゲームと少しの就活に性を出すのが今の俺である。


 大学のことを記憶の隅に押しやり、俺はパソコンの電源をつけた……!


 こうして俺は、所謂「春休みの宿題」と呼ばれるお知らせに目を通すことなく、その春休みを終えた。





————————————————————————-


「貴方だけですよ、提出期限を過ぎていたのは」


「ハイ、スミマセン」


「なんと言いましたか?もっとハキハキと話してください」


「サーセン」



 凍えそうなほど真っ青な瞳でこちらを叱責するのはソフィーア教授。

 

 年齢25歳、職業教授、特技は魔法、好きなものも魔法、あと猫。


 そして何より、かの勇者パーティの一員でもあったらしい

 名実共に史上最強、この世で最も優れた魔法使いである。


 何故こんなしみったれた大学で教鞭を振るっているのかは不明である。


 そしてなによりも不思議なのは、このゼミの生徒は俺以外全員が真面目に課題を提出し、それなりの成果物を出していたということだ。


 「それにこの論文、去年のものと差異がほぼ無いようですが」


 「ソッスネ、チョットイソガシクテ」


 「もっと大声で言いなさい」


 「ハァイ!」



 イントロダクションが終わり、いそいそと帰ろうとしたところを教授に捕まった。平々凡々な一生徒には教授の要請に拒否権などないのだ。


 サボタージュはするが


 そうして今、直々に叱責を受けている。

 



 「貴方の論文は拝読しました、効率化に重点が敷かれており、良い論文であると私は判断しました」


 ソフィーア教授は美人である。長い黒髪に整った目鼻立ち。組んでいる足も長い。黒いストッキングだ。


 「小林教授からもお話を伺いました。近年の学生にしては興味関心に余念がなく、熱心に取り組んでいるとも」


 そして宝石のような青い瞳が目立つ、暗闇でも光りそうだ


 「何故ですか?去年の論文とこの論文、修正箇所はありますが結論・内容・調査も何一つ変わり映えがありませんが」


 「時間的な余裕がないとすれば、私は力になれます。何か困っていることがあるのではありませんか?」


 胸もでかい


 「聞いていますか?」


 「ハイ」


 聞いてなかった、何て言ってたんだろ。


 ソフィーア教授の深ーーいため息が教室に木霊する。

 教授は何かを考えるかのような素振りをし、沈黙が続く。


 「いいでしょう、しかし課題は再提出です。一週間後に進捗を提出すること」


 「はい、わかりました」


 なんとか乗り切ったようだ、早く帰ってゲームがしたい。


 「…………」


 背中越しにじとっとした目線が突き刺さっている気がした。



—————————————————————————


 翌日、大学に行き講義を受ける。

 単位がギッリギリの崖っぷちの為、出席をする必要がある。


 講義が終わり、帰宅。パソコンをつけてFPSをする。

 ブロンズからアイアンに落ちる、睡眠。



 二日目、大学に行き講義を受ける

 今日は一限からだ、萎え落ちしたため睡眠時間はたっぷりあった。


 講義が終わり、帰宅。パソコンをつけて格ゲーをする。

 スーパーブロンズからシルバーに昇格、俺には才能があるのかもしれない。



 三日目、課題が脳裏によぎる。

 まだあと四日もある、土日で何かすればいいだろう。


 講義が終わり、サークルへ。今日は飲み会があった。



 四日目、今日は金曜日。頭が痛い、飲み過ぎた。

 講義が終わり、図書館へ。使えそうな本を何冊か借りる。

 明日読もう。



 五日目、土曜日。昼過ぎまで寝てた。

 何故ならば昨日は朝までゲームしてたからだ、体が怠い。

 明日頑張ろう。朝までゲームをした。


 六日目、日曜日、流石にまずいかも。

 なんとか早起きして本を読む。知り合いの妖精に電話をかける。いい助言をもらう。

 テンション上げて論文を書く、机上の空論だが筋は通ってる。ちょろいものだ。ついでに大学に申請して実験室の予約もしておく、これで来週末に試験できる。


 誤字脱字を仕上げて提出、教授も満足することだろう、我ながら出来がいい。






 「クソ……、いいえ、トイレットペーパー並ですね」


 は?????テメェの目が節穴なんだが???


 


 「実験は済ませていないようですね、典型的な机上の空論です」


 教授の目が先週よりも冷たくなってる、何というか、怒気を孕んでる。


 「いや、あの、その、いけると思うんですけどね……」


 「実用性のない魔術論理に存在価値はありません。貴方はそれをよく理解していると思っていたのですがね」


 先週同様、講義終わりに呼び出され叱責を受けている。

 そしてこのクソ教授は論文を一目見ただけで、体裁だけ取り繕った詭弁魔術であることを見破ったのだった。

 

 「この後の講義は?」


 なんか嫌な予感


 「貴方はこの後、講義は入っていますか?」


 「ないです」


 先週も今週もクソ長い説教をしておいて何を言っているのか疑問でならない


 教授は青い瞳を輝かせて、高らかに宣言した。


 「実験室へ向かいます。何故この論理が不可能なのか、原因を把握すれば研究は進みます」


 彼女は自信げな笑みを浮かべ、こちらをじっと見つめた


 そういうことになった。



————————————————————————-


 「なんかいけてますね」


 「えぇ……?でも……、あれぇ?なんで?いけて、いけ、いけて……る?」


 勝ったッッッ!第三部完ッッッ!


 実験を始めて一発目、教授の言ってることはよくわからんが実験は成功していた。


 邪智暴虐な教授の鼻っ面を明かして、ついに俺の正しさが証明された時が来たのだ。


 「えー?なんで?意味わかんないだってこんなはずないじゃん絶対おかしいってこれ」


 「教授、とりあえず論文はこの方向で進めますね」


 「?????????????????????」


 「先帰りますね」


 混乱状態に陥った教授を実験室に置いて、俺は帰路に着く。


 サンキューマイフレンド妖精クン!君の助言のおかげでついに邪神教授ソフィーア・エクシード・なんとやらはついに討滅されたのだ!


 ついでに卒論もこれで安泰だろう。

 胸の奥にしまっていた錘が一つ取れた、今日は祝杯をあげて勝利の美酒に酔いしれようではないか!


 ハァーーーッハッハッハーーーーーーーァッッッ!

 げふっげふっ




———————————————————————



 『学籍番号M475———、魔導学科四回の———、至急アンダーソン研究室に——————-』


 翌日、大学に行き講義を受ける。

 単位がギッリギリの崖っぷちの為、出席をする必要がある。


 思ったが、単位の為なので致し方ないが週五で講義を受けるのは割と大変かもしれない。もう後悔の方が強い。



 『学籍番号M475———、魔導学科四回の———、至急アンダーソン研究室に——————-』



 講義を終えて、帰路に着く。

 ざわざわ、となんだか騒がしい。

 門に何やら人だかりができてる。大道芸人でも来てるのかもしれない。

 玉乗りとお手玉には興味がある。


 「やあ、待っていたよ」


 ゲェッ!教授!


 「非道いじゃあないですか、昨日はせっかく二人きりだったのに、私を置いて帰っちゃうだなんて」


 なんか危ないことを言っている。目もギンギンだ、隈がすごい。

 服装も乱れており、獲物を狩るような姿勢でこちらに対峙している。


 「実験室へ向かいます、何故この原理が可能なのか、原因を調べれば研究は進みます」


 彼女は悪魔のような笑みを浮かべ、こちらを見つめた。


 「いいですね?」


 上述したように、たかだか一生徒の要望などミジンコにすら劣る扱いなのであった。


 そういうことになった。


————————————————————————-


 翌日、実験。


 二日目、実験。


 三日目、実験、風呂に入る。


 四日目、実験。


 五日目、実験。


 六日目、七日目、八日目、九日目……



 もう限界だ、ついにキレた。

 ついでにゼミ生もキレている。ソフィーア教授は実験室から出てこないので講義は休みになったらしい。熱心なことだ。


 「仮眠はもう十分でしょう、実験を再開します」


 恐ろしい、とにかくなんかもう恐ろしい。逃げようと思った瞬間足が凍りつくし、実用性ってこういうことかよ。



 「仮説の半分は検証が終わりました。あと仮説は三倍に変更したことをお伝えします」


 知らん、もう帰りたい、FPSと格ゲーがしたい、もうフラスコと計算と設計だけの生活なんて嫌だ。


 「素晴らしいですね、素晴らしいです。これが完成すればどうなるのか私にもわかりませんよ、少なくとも邪神はイチコロです」


 邪神討滅を果たした勇者パーティの元メンバーが言うと洒落にならない。


 そう、彼女はソフィーア・エクシード・アンダーソン。

 世界を救った勇者一行の一員であり、世界最高の魔法使い。


 「爆裂ッッッ!雷轟ッッッ!あの日々を思い出します!これほど歓喜したのは彼女の才能を一目見た時以来でしょうか!!!」


 そして優れた魔法使いというものは、総じて頭がイカれてるのであった。


 俺は逃げた。


 しかし回り込まれた。


 「実験を再開します」


 そういうことになった。



————————————————————————


 それから、少しの日々が過ぎた。


 気温がだんだんと上がり、春も終わりに近づいてきた頃、教授の暴走は一旦鳴りを潜めた。


 「先ずは謝罪を、無理な実験に付き合わせて、申し訳ありませんでした」


 「いや、いいですけど、それより実験はどうなったんですか?」


 俺が一日で組み上げたガバガバな魔法理論は奇跡によって成功し、それはこの世で一番魔法に詳しい魔法使いの手によってガッチガチに補強され、一応の実用化を見せた。


 「しかしまだまだ運用には程遠いです、道のりは遠いですよ」


 「まだクソ以下ってことですね」


 「そういうことです」

 


 実験は佳境を終えてひと段落し、俺も帰宅ぐらいはできるようになった。


 成果が出たことで少しは頭が冷えたのか、教授もまともなことを言うようになってきた。


 

 いつか見た悪魔の笑顔とは打って変わって、花が咲いたような笑顔を見せる教授

 一緒に実験をしていくうちに、彼女の人となりもわかってきた

 

 曰く、魔術王。邪神の軍勢を一人で蒸発させた魔法使い。

 

 そんな評価も間違ってはいないが、それなりの優しさを持ち、一応の礼儀を知っているのがソフィーア教授である。

 

 年齢も意外と近かった。

 

 勇者パーティの話は興味深く、深淵の旅の話には心が踊った。

 

 ソフィーア教授は優れた魔法使いであったが、純粋な魔法の才能で言うと勇者がずば抜けているらしい。

 

 

 

 

 マッドサイエンティストで、人を巻き込むことに躊躇がなく、ブレーキを地獄の底に置いてきたことにさえ目を瞑れば……

 

 まあ彼女は美人なのである、徹夜続きで目の隈が黒く染まっても、エナドリの飲み過ぎで頭がおかしくなっていても、ドキッとすることは何度かあった。

 

 ふとした優しさを見せる時もあれば、必要であれば叱責もする。

 

 猫を可愛がり、可愛い動物は大体好きらしい。

 

 まあ末期はまさしくゾンビ状態ではあったのだが。

 

 

 今ではそんな風貌はどこへいったのやら、知性を感じる青い瞳で、こちらを不思議そうに見つめている。

 

 

 

 

 「……どうですか?いい提案だと思ったのですが」

 

 うん、全く話を聞いていなかった。

 

 実験中はとにかく実験の再開を要請する言葉を繰り返す機械のような彼女だったので、すっかり教授の言葉を聞き流す癖がついてしまった。

 つまり俺のせいでは無い。

 

 仕方がないので、もう一度聞くしかないだろう。

 

 「もう一回言ってもらってもいいですか?」

 

 「……?実験を再開しましょう、と言いました」

 

 「嫌です」

 

 

 時が止まった。

 

 

------------------------------------------------------------

 

 

 教授は驚いた顔を見せた、まるで俺が断るとは思わなかったかのような顔だ。

 

 口をパクパクとさせて、言葉を絞り出している。

 

 「な、なん、なんでですか?十分にメリットは提示したと思うんですけど……」

 

 多分そのメリットはちょうど聞いてなかったとこだろう。

 多分3食おやつ寝袋付きとかだ。

 

 「研究はもう懲り懲りですよ、就活もしなくちゃいけませんし」

 

 「だからそれはっ……、というか、もう六月に入りますけど、まだ続けるつもりなんですか?」

 

 

 どの口が吐いているのか、さすがに面接に行こうと思ったら足が凍った時はどうしてやろうかと思った。

 

 まあ就職活動より実験が楽しかったのは事実ではあるのだが。



 時刻は午後の六時半頃、陽は落ち始め、冷たく強い風が開いた窓から部屋に入り込む。

 彼女の研究室のデスクの椅子に綺麗に座るソフィーア教授。


 椅子に座っている関係上、教授はこちらを下から覗くように見ている。



 その目は左右に揺れ、しきりに足を組み替えている。



 「わかりました!3食おやつに寝袋もつけます、これでどうですか」


 「結構です」


 「!?!?!?!?!?!?!?!?」


 

 俺は知っている、たまの休み以外に実験は止まらないと言う事を。


 第一もう研究生活は懲り懲りなんだ、教授には悪いが断らせてもらおう。



 「ではそろそろ失礼しますね、お疲れ様です」


 「ちょちょ、ちょーっと待ってください!」



 慌てた様子の教授に呼び止められる、まだ何かあるって言うのか



 「えっとですね、そのですね……」


 やけに歯切れが悪い


 目線をあちこちにやりながら、どこからどう見ても呼び止める内容を今考えているようだ。


 そしてカッと教授の目が開く


 彼女は椅子から勢いよく立ち、こちらに対峙する


 一歩ずつ踏み締める様に近づいてきて、ついに二人の距離は一歩にも満たない


 そして彼女は俺の両手を握り、こう言った



 「貴方は、単位の取得状況が芳しくない様ですね」


 「そして、この1ヶ月は出席していない」



 「今後も実験に参加しないと言うならば公欠扱いにはなりませんが、よろしいのですか?」



 教授の笑顔とは打って変わって、俺の頬は引き攣った


 彼女は微笑みながらじっと俺の顔を見つめている



 悍ましさを感じる提案だ


 第一、彼女こそが嫌がる俺を無理矢理実験室に監禁して出席停止にした張本人だと言うのに

 


 「生徒の情報ぐらい把握していますよ、私は思いやりがあるので」


 

 自信げに言う、どこか誇らしげだ



 俺の両手を掴む彼女の手はとても冷たく、まるで死神の様だ。


 ソフィーア教授の目は蒼く爛々と輝いており、興奮と期待が見てとれる。


 何が彼女をそこまで駆り立てているのか、全く分からない。





 あのデスマーチ実験には二度と参加したくない、かと言って、公欠扱いにならなければ平常点不足で単位が落ちる可能性が増える。



 俺は崖っぷちだ


 そう、単位が足りていないのである。




 「で、どうしますか?」


 期待が止まない幼児の様な笑顔で尋ねる教授。


 俺は苦虫を噛み潰した様な笑顔で返事をした。


数年後なんやかんやあって結婚した。

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