表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

97/110

97 恫喝を交渉と言い張るなら、力尽くで叩き潰すしかない

 白旗をふって近づいてくる政府の使者。

 その姿を見てトモヒロはため息を吐く。

 何の用だと思いながら眺めつつも、その意図をある程度は予想している。

「面倒な連中だ」

 ため息ばかりが増えていく。



 やってきた使者の言い分は思った通りのものだった。

 攻撃をやめるように。

 これ以上の攻撃、殺戮は困る。

 これを尊大に表現し、可能な限りの長文で述べていた。

 言い回しが文語体のようなというか、漢文調というか。

 やたらと分かりにくい言い方をしてるのが鬱陶しい。

 お役所用語とも言うべき言い方に、最初の段階で嫌になった。



 しょうがないので、喋ってる途中で核ミサイルを大量発射していく。

 気分を悪くさせた腹いせだ。

 殺される方はたまったものではないだろう。

 だが、ふざけた態度で接してきた方が悪い。

 罰をしっかり受けてもらわないと困る。

 際限なく図に乗っていくからだ。



 ついでに今回の攻撃の理由も国内に伝えていく。

 とりうる様々な手段を用いて、各攻撃の理由をしらしめていった。

 その上で使者を生きて帰していく。

「こいつらだけが問題じゃないけど、こいつらも含めて適切な処分をしろ」

 この言葉を国内全域にもたらして。



 効果は抜群だった。

 潜伏させてる工作員の働きもあり、多くの者達が動き出していく。

 政府と使者への様々な行動が行われていく。

 トモヒロによる、

「関係者全員を処分しろ。

 出来ないなら俺がまとめて処分する」

という言葉も後押ししていった。



 この結果、トモヒロの迷宮にふざけた態度でやってきた官僚・役人が皆殺しになる。

 その一族郎党、血縁者に友人知人などの関係者も処分されていく。

 指示を出した政治家や、表に出ない黒幕なども処分されていった。

 これらについては、トモヒロが調べ上げた情報の公開も大きく影響している。

 特に言葉が添えられてるわけではなかったが、人々はその意図を正しく理解した。

 こいつらもやらねば、再び核攻撃が行われると。



 おかげで政府・官公庁で大幅な人員削減が行われた。

 財界などでもだ。

 血縁者などのつながりであらゆる者達がつながりあっていたからだ。

 これらを一掃する事で、政府は機能を大きく落とす事になった。



 おかげでトモヒロの所にやってくる余裕がなくなった。

 何かしたいと思ってるのかもしれないが、回せる手がない。



 ただ、反省はしてないのも確かだ。

 ここまですれば、多少は態度や言動に気をつけそうなものだが。

 以前にも増してトモヒロへの敵愾心を燃やしてるという。

 やられっぱなしでなるものかと。

 無駄なメンツにこだわってるというべきか。

 相手の下に立てないという意地が働いている。



 そんな連中なので、トモヒロはいずれ絶滅させようと考えていた。

 生きてる限り攻撃してくる。

 準備を続け、機会を待ち、その時が来たら行動してくる。

 そんなの一々相手にしてられない。

 根絶やしにしてしまった方が楽だ。



 ただ、それでもトモヒロに直接なにかをしてくる事はなくなった。

 下手に接触したらどうなるかは学習しているからだ。

 それを見てつくづく思う。

 恐怖は素晴らしいと。



 恐怖と破壊は効果的な手段だ。

 少なくともトモヒロに平和と平穏を与えてくれる。

 バカを消滅させるための後押しにもある。

 邪魔にしかならない連中は確実に減少していっている。

 政府などもふざけた行動をとらなくなる。



 出来ればこんな事をしたくない。

 だが、こうでもしないとどうしようもない。

 なぜかトモヒロに攻撃してくる連中ばかりである。

 そういう連中は殺すしか止める手段がない。



「鬱陶しい」

 もう少し放っておいて欲しかった。

 迷宮が怖いとしてもだ。



 ただ、迷宮がどうこうという事ではないだろうとも思う。

 理由はなんであれ、誰かを攻撃したくて仕方ないのだ。

 そういう連中が攻め込んできているのだ。

 そういう連中が言い分を押しつけようとしてくるのだ。

 殲滅しない限り平穏が訪れる事は無い。



「なんで、ああなんだか」

 理由が全くわからない。

 とにもかくにも争いが好きなのだろうとは思うが。

 なんで好き好んで争いたいのか?

 トモヒロにはその理由がさっぱり分からなかった。

「滅びるだけだろ」

 行き着く先はこれしかない。

 それなのに騒動を求めるのが理解不可能だった。



 理解する必要もないのだろうとも思うが。

 滅亡に向かうだけでしかない争い。

 そんなものを求める心や考えなど理解したいとも思わない。

 理解できなくて困る事もない。

 それならさっさと滅ぼせばいいのだ。

 それで世の中平穏になる。



「やるしかないか」

 この結論に至るのも何度目になるか。

 いい加減、こんな事を考えるのも鬱陶しい。

 さっさと片付けて、不毛な思考から解放されたかった。

気に入ってくれたら、ブックマークと、「いいね」を


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


_____________________

 ファンティアへのリンクはこちら↓


【よぎそーとのネグラ 】
https://fantia.jp/posts/2691457


 投げ銭・チップを弾んでくれるとありがたい。
登録が必要なので、手間だとは思うが。

これまでの活動へ。
これからの執筆のために。

お話も少しだけ置いてある。
手にとってもらえるとありがたい。


_____________________



+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ