9/110
9 迷宮とはどうあるべきか
攻略できない迷宮。
攻略に手間のかかる迷宮。
どうやったらそれが出来るのか?
それは分からない。
だが、トモヒロはそれを目指して迷宮を造っていく。
とにかく面倒になるように。
踏み込むのが億劫になるように。
そんな迷宮を造っていく
無い知恵を絞って迷宮を造る。
少しでも手間が増えるように考える。
迷宮の中にいるのが嫌になるように。
一歩進むのが辛くなるように。
ひたすら意地の悪い状況を思い浮かべていく。
浮かんできた考えを形にしていく。
地下10階の迷宮にひたすら手を加えていく。
これ以上深くしたら、霊気が外に漏れる。
露見する可能性が出てくる。
だから、地下10階までに、用いることが出来る全てを組み込んでいく。
それらが形になっていく。
死にたくない、侵入者を撃退したい。
ただそれだけの思いを智慧で形にしていく。
それがある程度の形になった時。
迷宮に最初の来訪者が訪れた。
迷宮の主人になって3年。
初めての探索者到来である。
気に入ってくれたら、ブックマークと、「いいね」を